住民税決定通知書、ちゃんと見てる?

毎年6月末までに届くのが住民税の決定通知書だ。住民税は前年の所得をもとに計算され、その年の5月~6月に結果の通知が届く。中身をちゃんと確認しているだろうか?

税金額の通知だから、とても重要な書類だが、あまり嬉しくはないかもしれない。そもそも会社員は、この書類に記載された税額を自分で納めるのではなく、勤務先が6月以降来年5月までの給与から1年間かけて天引きして納めてくれる。そのため自分の住民税額を正確に把握していない人もいるだろう。

一方、個人事業主は自分で納めるから、毎年この時期は住民税の重みをかみしめることになる。そして実は、住民税の額のみならず、家計の大事な情報が、住民税決定通知世には記載されている。特に子どものいる家庭では、住民税額をちゃんと知っておきたい。その理由を説明する前に、住民税決定通知書には何が記載されているのかから紹介しよう。

記載の内容は大きく3つ、重要なのは?

内容は大きく3つのパートに分かれている。

1つ目は家計に入ってきたお金を表す「所得」だ。昨年1年間でどのような収入がどれくらいあり、その所得がいくらかが書かれている。収入はいわゆる収入の額面。それぞれの収入からは一定の計算式で差し引ける金額があるので、これを引いたものが所得だ。会社員なら「給与収入」と「給与所得」、年金生活者なら「年金収入」と「年金所得」、個人事業主なら経費を差引後の「営業等所得」。不動産投資をしている人で一定以上の収入があり申告しているなら「不動産所得」が記載されている。

2つ目は、所得から引くことができる「控除」だ。どのような控除を引けるかは人により異なる。一般的なものは、厚生年金保険料などを払った場合の社会保険料控除。配偶者などの家族の生計を担っている人のための配偶者控除や扶養控除、医療費がたくさんかかった場合の医療費控除など。

所得から控除を引いた金額が、税金計算のもとになる「課税所得」だ。

重要なのは所得割額!

そして3つ目が、いよいよ「税額」だ。決められた計算式を使って、課税所得(課税標準)から、まず「所得割額」を出す。「所得割額」は、その人の所得に応じた住民税額だ。

このように、課税所得をもとに住民税の計算をするのだが、人によってはこの税額からさらに引けるケースがある。例えば「ふるさと納税」をした人。また住宅ローン控除の控除額が所得税から引ききれない人は残りを住民税から引けるので、ここで引くことができる。引けるということは、その分税金が減る。節税できるということだ。税額控除は、一度税金の計算をして税額を出し、税額そのものから差し引けるので節税効果が大きい。

住民税は、こうして計算する所得に応じた「所得割額」のみならず、一律の「均等割り額」5000円(自治体により多少異なる)も納める必要があり、最後に所得割額と均等割り額を足して、住民税の年税額が決まる。

けっこうややこしいが、ざっとこのように計算し、それぞれの数字が記載されている。

子どもの教育費、もしかしたら給付金の対象かも? 

さて、ここからは子どものいる家庭と住民税の関係について。

共働きなら、子どもを預けるための保育料は収入によって違ってくる。その際、判定の基準となるのが住民税の「所得割額」だ。また、高校生への教育費の支援である高等学校等就学支援金や私立高校の授業料実質無償化の給付の判定も住民税の所得割額で行われる。この所得割額が一定以下かどうかで給付が受けられるかどうかが判定される。例えば高等学校等就学支援金は、所得割額の市区町村民税から1500円を差し引いた金額が30万4200円未満なら年額約12万円(国公立高校授業料相当額)が支給される。私立高校の実質無償化では、同15万4500円未満なら年額約40万円が給付される。

そして、ふるさと納税や住宅ローン控除で住民税を節税している人は、実際に払っている住民税額ではなく、税額控除前の所得割額が使われる点に注意。

以前は、こういった給付を受ける際は、自分で課税証明書などを準備して申請をしていたが、マイナンバー制度が始まってからは、マイナンバーを記載すれば、それをもとに自治体などで税額を確認して判定するようになった。ラクにはなったけれど、特に会社員は、自分の住民税額を知る機会が減り、そもそも給付の対象になるのかが自分でわからないという事態になってしまう。こういった公的な給付金は、自分から必要書類を提出して申請しなければもらえないから、給付の対象になるかどうかを確認することは重要だ。子どもの教育にはお金がかかるから、もらえるものはもれなくもらいたい。

1年に一度、住民税決定通知書が届く時期には必ず内容を確認し、昨年の収入と控除、それをもとにした住民税額を把握しよう。ふるさと納税や住宅ローン控除が間違いなく控除されているか、そして、教育費の負担が大きくなる高校生の時期に給付の対象となる水準なのかも確認しておこう。