【就活指針廃止】経団連「就活ルール廃止」…と思いきや、今度は政府が就活ルールを作成?

(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

10/9追記:経団連より、正式に就活指針の廃止が発表された。

経団連が「就活ルール廃止」を表明したのは記憶に新しい。

これに関しては先日記事にした通りである。

変わる就活ルール。新卒一括採用が無くなったらその後どうなるか?

しかしほとんど間を置くこと無く、今度は政府主導で新たな就活ルールが設定されるという話が飛び出てきた。

今回動いたのは政府と、大学関係団体である「就職問題懇談会」。

「就職問題懇談会」とは、国公私立の大学等で構成される組織であり、「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動の秩序を維持し、正常な学校教育と学生の学修環境を確保するとともに、学生が自己の能力や適性に応じて適切に職業を選択できるようにする」事を目的としている。

就職時期の問題においては、経済界と大学による申し合わせを企業や業界団体に通達する立場となる。

事務局は文部科学省内にあり、現在は埼玉大学長の山口宏樹氏が座長を務めている。

内閣官房、経済産業省や文部科学省などの省庁を巻き込み、安倍晋三首相が議長を務める未来投資会議で取り上げる方針だという。

通達だけでは遵守されないという現状

確かに、経団連がルールを決めていたこれまでは非会員の外資系企業やIT企業には影響が十分には及ばなかった。

「経団連ではなく政府主導なら…」そういった考えもあるのかもしれない。

しかし実際には、影響が及んでいた経団連の加盟企業ですら選考解禁日を事実上守っていなかった状況である。

また、従来の就活ルールは経団連加盟企業だけに適用されていたわけではなく、前述の就職問題懇談会などから様々な業界団体に対して「通達」は行われてきた。それでも遵守されず、形骸化してきたのが現実なのだ。

罰則も無しに呼びかけただけで外資系企業やベンチャー企業が新ルールに則ることは考えにくい。

外資系企業へのアプローチや、遵守しない企業への対応をどのように行っていくのかも大きな論点となるだろう。

「現行ルール維持」が現状維持とはならない理由

経団連は20卒(現大学3年生)まで現行ルールを維持し、21卒(現大学2年生)からルール廃止の意向を示したが、就職問題懇談会では21卒も現行ルールを維持させたいと考えている。

しかし「維持」とは言ってもルールを決める主体が変わり、今度は「外資や中小にも守らせたい」という話になっているのだから現状維持とは言い難い状況だ。

大学2年生からは「政府の決めるルールがどこまで影響するかわからず、外資の選考時期なども変わるかもしれないので不安」という意見も出ている。結果的に、先が読めない状況になっているのだ。

そもそも学生を学業に集中させるという観点で、就活を遅らせる事は必ずしも正解とは言えない。

就活時期が後ろ倒しになった事で、卒業研究や論文に影響が出ている学生もいるのだ。

経団連ルールで就活の時期が遅れる前は、4年生の4月に大手企業が内定を出し、それで就活を終える学生も多かった。

現状では内々定が出る6月までは就活を継続する必要があり、その分だけ学生の就活が長期化しているとも言える。

(6月1日に内々定がすぐ出る時点でルールが守られていないのは以前の記事に書いた通りである)

参考:2019卒就活の面接が解禁。解禁即日で内々定する学生が続出したのはなぜ?

形骸化したルールを無理に維持しようとするのではなく、現実を見た上で状況に応じた学生支援をするべきではないだろうか?

大学生活というものは、皆が同じ時期に同じことをするわけではない。

無理に就活の時期を統一しようとしても、必ずどこかに無理が出てくるのである。