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指原莉乃プロデュース第3のグループ≒JOY。1年前は普通の少女から「歩みは遅くても進む」と応援ソング

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)YOANI

指原莉乃が=LOVE、≠MEに続いてプロデュースする≒JOY(ニアリーイコールジョイ)。今年3月に結成。初のMVは120万回再生を超え、夏には数々のアイドルフェスに出演して注目を集めた。2ndソング『笑って フラジール』が配信リリースされ、=LOVEのシングルのカップリングにも収録。今回も夢を歌う応援ソングとなった。急成長中のメンバーから7人に聞いた。

去年の夏は家に籠り続けてました(笑)

――今年ニアジョイ(≒JOY)が結成されて、初めての夏はフェス出演などが相次ぎましたが、1年前の夏は何をしてました?

大信田美月 ずっと友だちといたかもしれません。近所に遊ぶ場所がなくて、毎日河川敷をお散歩していました(笑)。

髙橋舞 兵庫の高校でチアリーディング部に入っていて、部活漬けの日々でした。朝から夕方までチア、チア、チア、チアで、日焼けしまくりでした。

福山萌叶 第3のグループのオーディションが発表される直前で、今の環境から抜け出したい想いが積もりに積もっていた夏でした。かと言って、何か行動するわけでなく、家から出ないで籠り続けていました。アニメを観ながら、電子書籍のマンガも読んで、さらにiPadでゲームをしていました(笑)。

小澤愛実 器用だね(笑)。

大西葵 私もすごいインドア人間で、去年の夏はずっと家で寝てました(笑)。何をしていたか、覚えていません。

――葵さんは歌のうまさが評判ですが、特にレッスンとかしていたわけではないんですね?

大西 何もやっていません。友だちとカラオケに行っていただけです。=LOVEさんと≠MEさんが大好きで、よく歌っていました。

天野香乃愛 私もあまり記憶がなくて、寝ていたと思います。受験生だったので友だちと勉強する名目でフードコートに集まったりはしましたけど、結局はほぼ、ごはんを食べているだけでした(笑)。

江角怜音 高校では部活に入らないで、アルバイトをしていました。終わってから友だちと集まって、バーベキューもしました。

江角怜音(えすみ・れのん) 2005年4月26日生まれ、大阪府出身
江角怜音(えすみ・れのん) 2005年4月26日生まれ、大阪府出身

端までのお客さんとペンライトが忘れられません

――今年の夏は1年前とは大違いだったわけですね。

髙橋 私は先輩方の「イコノイフェス2021」をネットで観て、「こんなにキラキラした世界があるんだ」と思ったのが、オーディションを受けたきっかけのひとつだったんです。今年は「イコノイジョイ2022」(3組の合同コンサート)で自分がキラキラした衣装を着て、大きな会場で歌えるんだと、希望に満ち溢れました。練習はすごく大変で、挫けそうにもなりましたけど、本番で端から端までお客さんが来てくださって、きれいなペンライトでいっぱいの光景は忘れられません。

福山 いきなり体を動かすことになって、最初はついて行けなくて、自分の無力さを痛感しました。でも、六本木アイドルフェスティバルやTIFと経験を重ねるごとに、ちょっとずつ楽しむ余裕が出てきて。1年前の家に籠っていた私が知ったらビックリするくらい、人生が大きく変わりました。

小澤 私は(途中加入で)ニアジョイのメンバーとの出会いから夏が始まりました。猛スピードでいろいろ駆け抜けさせてもらって、@JAM EXPOで締め括れて。アイドルとして最高の夏を過ごせました。

――メンバーで遊びに行くことはありませんでした?

小澤 個々ではあるのかな。私は美月とテーマパークに行きました。出会って2ヵ月くらいだったんですけど。

大信田 愛実ちゃんと好きなものが似ていて、お話し会の合間に「行きたいんだよね」と話したら、お休みの日があったので「行っちゃう?」みたいなノリで決まりました。

小澤 楽しみにしつつソワソワして行ったら、2人とも話し出したら止まらないタイプで、1日中マシンガントーク。ノドをちょっと嗄らしました(笑)。

――舞さんが以前のSHOWROOMで、美月さんと村山結香さんがイチャイチャしてると話していましたが(笑)。

髙橋 ニアジョイはみんな仲良いです。私も山田杏佳ちゃんと、牛タンを食べてからカラオケに行きました。

大信田 私はたまたま結香ちゃんの隣りにいて、イチャイチャすることが多かったんです。愛実ちゃんの隣りになったとき、結香ちゃんに「ちょっと!」って問い詰められました(笑)。

――浮気を疑われて(笑)。

大信田 みんな大好きなんです!

髙橋舞(たかはし・まい) 2005年2月22日生まれ、兵庫県出身
髙橋舞(たかはし・まい) 2005年2月22日生まれ、兵庫県出身

後ろから肩を抱かれてドキッとしました(笑)

――怜音さんがモテモテという噂も聞きます(笑)。

江角 全然そんなことないです。

髙橋 藤沢莉子ちゃんと逢田珠里依ちゃんが怜音を大好きで、オフの日によく家に遊びに行くのを見掛けます(笑)。愛実ちゃんもインタビューで「怜音に惹かれるのはわかる」と言ってました。

天野 独特の空気感と包容力で沼っちゃうのかなと思います。写真を送ると誉めてくれるんですけど、「かわいい」とかでなくて。「シルバニアファミリーのウサギさんみたい」とか(笑)、怜音特有の誉め方がすごいなと。

――で、怜音さんの本命は(笑)?

江角 全然わかりませんけど、莉子ちゃんと珠里依は本当によく私の家に遊びに来ますね(笑)。

――萌叶さんも女子にモテるタイプでは?

福山 私はマイペースすぎて、気づいたら自分の世界の中にいて、「みんな違うことをしているぞ」みたいなことが昔から多いんです(笑)。怖そうとか気が強そうに見られて、しゃべると「変わっているね」と言われます。

大信田 でも、萌叶は「イケメンだな」と思うときもあります。後ろから急に肩を抱かれて、ドキッとしました(笑)。

福山 記憶にない。

小澤 一番罪だね(笑)。

大信田 天然のイケメンで、落ちちゃうと思います(笑)。

福山萌叶(ふくやま・もえか) 2004年10月22日生まれ、神奈川県出身
福山萌叶(ふくやま・もえか) 2004年10月22日生まれ、神奈川県出身

空手をしている顔を撮られるのは恥ずかしくて

――『笑って フラジール』のMVでは、怜音さんの特技の空手がフィーチャーされています。

江角 朝早くに最初に撮ったのが空手のシーンで、道着を着るのが恥ずかしくて(笑)。

――ずっと着てきたのに?

江角 試合を観客席から撮られることはあっても、演武している顔がしっかり映る映像は初めてだったので、めっちゃ緊張しました。

小澤 他のみんなが現場に入ったとき、ちょうどその撮影が終わって、汗ばんでカッコいい感じの怜音がいました。

大西 映像を観ても本当にカッコ良くて、これはまた好きになっちゃうなと(笑)。

髙橋 怜音は他のところでも、心から滲み出る感情が表情に出ていて。ファーストソングの『≒JOY』とはまた違う、新たな怜音が素敵だなと思いました。

――葵さんは2Aの最後でウインクをしていて。

大西 やめてください(笑)! あれは振付ですから。

――美月さんが2Aの頭で、笑顔で両手を差し出すのも振りですか?

大信田 私が歌割りをいただいたところは、たまたま全部フリーなんです。『≒JOY』もそうで、いつも間奏が終わって自分の歌割りが迫ってくると、「ヤバい! 何しよう?」と焦ります。今回のMVは体が勝手に動きました。自分で観ると恥ずかしくて、いつも飛ばしてしまいます(笑)。

小澤 私はリップシーンを撮る順番が香乃愛と近くて、見ていたんですけど、自分の歌割りでも、そうでなくてもちゃんとキメるし、24時間アイドルなんだなと思いました。表情の作り方も上手で引き込まれて、学ぶことが多いです。

天野 誉め上手ですね(笑)。

小澤 本音だから!

人と比べて諦めたらダメだと奮い立たされました

――今回はフラジールという子を励ます形の応援ソングで、誰かに歌い掛けるようなイメージはありました?

江角 誰でも一度は夢を持ったり、挫折したりはすると思うので、そういう人に「大丈夫だよ」と寄り添う感じで歌っています。

小澤 落ち込んでいる人に「無理に話さなくてもいいから」って、やさしく寄り添えるような歌詞だなと思いました。聴いてくださる方と私たちの関係にも取れるし、Dメロの<夢見てられる環境なんて 平等じゃない>のところは、昔の自分と今の自分のようにも思えて。

――ニアジョイの曲のソロパートは、歌うのが一番ふさわしいメンバーに振られている印象がありますが、ここはまさに愛実さんですね。

小澤 アイドル活動ができる環境のありがたさは、毎日身に染みています。私はアイドルを続けられるかどうか、わからなかったので。ニアジョイに出会えた感謝で、いつもウルウルしながら歌っています。

髙橋 私は萌叶ちゃんと歌っている<歩みは遅くたっていい 進んでるよ>のところが好きです。

福山 自覚は全然なかったんですけど、YouTubeに「歌がうまくなってる」というコメントをいただいて。私は(聴覚のハンデで)サポートしていただかないと、歌えないんです。<歩みは遅くたって>と重なる部分があって、私がそこを歌うことで「元気をもらえました」とか「同じような境遇ですけど頑張ります」と言ってくださる方も多くて。自分自身、「頑張れば少しずつでも進める」と改めて奮い立たされました。

――実際、歌も頑張ってきたんですよね?

福山 ボイストレーナーの方もディレクターさんも、グループの13分の1の私のために、たくさんの配慮をいただいてます。みんなが1人でできることを、私はいろいろな方の助けを借りないとできなくて。ありがたさと共に、勝手に人と比べて諦めたらダメなんだと、この歌詞で原点に戻れました。私自身にとっての応援歌でもある感じですね。

小澤愛実(おざわ・あいみ) 2003年4月9日生まれ、神奈川県出身
小澤愛実(おざわ・あいみ) 2003年4月9日生まれ、神奈川県出身

「私なんか歌えないのに」と考えるのをやめました

大西 私は歌割りが決まる前から、2番の最初の4行がすごく好きでした。自分がこの曲に励まされたように、私たちもこの曲を通して誰かを助けてあげられたらいいなと思っていたら、後半の<頑張ってる君は 今日も輝いてる>の歌割りをいただけて、嬉しかったです。

――葵さんはやっぱり、歌はいっそう高みを目指しているわけですか?

大西 正直、カラオケでも友だちが上手で、私は人前で歌ったこともなくて。ニアジョイに入ってから、初めて歌をこんなに誉めてもらったんです。だから、自分では「何がそんなにいいんだろう?」と思ってしまって。技術的なこともわからないし、気持ち的にも「私なんか、そんなに歌えないのに」となっていたんですけど、そういうことは考えないようにしました。歌うのはすごく好きなので、目の前のお客さんに届くように楽しんでいます。

――髪形は三つ編みになりました。

大西 私は毛量が多くて、下ろしていたときは髪にボリュームが出てしまって。指原さんに相談したら、三つ編みにするようにアドバイスをくださいました。

――あと、葵さんといえば、オーディションの前夜に鼻を高くしようと鼻クリップをしたまま寝てしまって、絆創膏を貼って審査を受けたり、最近でもスマホと間違えてテレビのリモコンを持ってきたとか(笑)、逸話がいろいろあります。他にも、そういう天然系のエピソードはありますか?

大信田 ぬいぐるみのくまたんを常に持ち歩いているのは、よく見掛けます。「イコノイジョイ」のとき、ホテルの部屋が一緒だったんです。寝ようとしていたら、急にキャリーケースからくまたんをパーッと取り出して、枕元に置いていました(笑)。

大西 今日も連れてきています。家に置いておくのは、かわいそうだなと思って(笑)。

大西葵(おおにし・あおい) 2005年8月6日生まれ、東京都出身
大西葵(おおにし・あおい) 2005年8月6日生まれ、東京都出身

体力を付けるためにバスに乗らず歩いてます

――皆さんは今、スキルの伸び率は一番高い時期かもしれません。それぞれ特に力を入れていることは何ですか?

江角 苦手な歌を頑張ろうと思っています。ボイストレーナーさんに教わったリズムの取り方やヘッドボイスの出し方を、家で近所迷惑にならない程度に練習しています。

天野 私も歌がうまくなりたくて。長期的な練習が必要だと思いますけど、カラオケに行って少しでも良くなるように、試行錯誤しています。理想は葵の歌です。上手な人はたくさんいる中で、葵は人に伝えることに長けているので。

大西 私は体力が本当にないんです。ダンス未経験メンバーの中でも、運動部で体力はしっかりある子はいますけど、私はまずそこから。特別公演も始まりますから、普段からバスに乗らずに歩くようにしています(笑)。

髙橋 ひとりカラオケによく行くようになりましたし、ボイストレーナーの先生に教えてもらった口の筋トレをやっています。私は舌でしゃべっていて、口が縦に全然動かないんです。なので、唇の上に割り箸を乗せてウーッと声を出して、口の筋肉を鍛えていて。あと、特技も大事だと思うので、地元でやっていたアクロバットに再挑戦しようと、教室を探しているところです。

天野香乃愛(あまの・このあ) 2007年1月21日生まれ、埼玉県出身
天野香乃愛(あまの・このあ) 2007年1月21日生まれ、埼玉県出身

夢を歌うのに下を向いていたら曲に申し訳なくて

福山 見られるお仕事の宿命というか、この世界は比べられる対象が多いなと感じています。上には上がいて、私はネガティブな性格だから、自分の悪いところに目が行って、殻に閉じこもりがちだったんです。でも、そういう時間がもったいないと思って。自分の価値を自分の中で持ち続けることを頑張りたいです。

――まずは気持ちから。

福山 そうです。人と比べても何も生まれない。比べるなら過去の自分。満足のいく自分になれるように、歌もダンスもその他のことも努力するだけです。ニアジョイは夢を歌うグループと言われているのに、歌っている私が下を向いていたら、作っていただいた歌に申し訳なくて。せっかく楽しい活動をさせていただいているんだから、全力で楽しまないと。そんな私たちの姿を見て、笑顔になってもらえたら嬉しいので、自分をしっかり持とうと思います。

小澤 この深イイ話のあとで小さなことですけど(笑)、体幹を強化したいと今すごく思っていて。10月の特別公演では、初めてニアジョイだけで何時間かライブをするので、夏の対バンとは全然違います。それに向けて、プランクのトレーニングをしながら歌っています。

――基礎体力は大事ですよね。

小澤 あと、私は加入が遅れたから、ニアジョイは知っていても小澤は知らない方もたくさんいると思うんです。初めはSHOWROOMで配信するのも怖くて。自分がどう思われるのか、コメントを見る勇気も出なかったから、最初の1ヵ月くらい、全然配信していませんでした。でも、このまま1人だけ知られなくてもダメだし、少しでも自分を「こういう人なんだ」「意外とフラットなんだ」と思ってもらいたくて。ドキドキしつつ、配信回数を増やしています。

大信田 私も体力が本当にないんです。正直、フェスで5曲披露しただけで精いっぱい。特別公演は5曲ではないと思うので(笑)、時間があるときはランニングをして、夜も筋トレと体幹トレーニングをするように心掛けています。

――美月さんもチアをやっていたんですよね?

大信田 チアと陸上をやっていました。でも、現役のときの体力がMAXとしたら、今は3分の1くらい(笑)。またMAXになれるように練習しています。

大信田美月(おおしだ・みつき) 2004年9月27日生まれ、大阪府出身
大信田美月(おおしだ・みつき) 2004年9月27日生まれ、大阪府出身

≒JOY(ニアリーイコールジョイ)

指原莉乃が代々木アニメーション学院のバックアップのもと、=LOVE、≠MEに続いてプロデュースする第3のグループ。2022年3月に結成。メンバーは13人。7月に1stソング『≒JOY』を配信。9月に2ndソング『笑って フラジール』が配信され、=LOVEの12thシングル『Be Selfish』のカップリングにも収録。10月10日に第1回特別公演を山野ホールで開催。

公式HP

(C)YOANI
(C)YOANI

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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