Yahoo!ニュース

「年齢を重ねるごとに体への自信が高まってます」岸明日香が無鉄砲に始めたグラビアで10周年

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)SDP

Gカップの美ボディグラビアで人気の岸明日香が、30歳となりデビュー10周年を迎えた。小さい頃から我が道を行くタイプで、思わぬきっかけで始めたグラビアでも探求を重ねてトップクラスに。予約殺到で重版が決定したアニバーサリー写真集『Culmination』の発売を機に、その道のりを経た想いを語ってもらった。

最初は睨みつけている写真ばかりでした(笑)

――デビュー10周年のアニバーサリー写真集が発売されますが、10年前の自分のグラビアを見ることはありますか?

 大阪の実家に帰ったとき、表紙になった雑誌とかをお母さんが全部取っておいてくれているので、たまに見返したりはします。

――今見ると、どう感じます?

 何かこっ恥ずかしいというか(笑)。当時は警戒心が強くて、「脱がせるんちゃうやろな」みたいな。もちろん、そんなことはないんですけど、緊張感が顔に出るタイプだったので、カメラをギロギロ睨めつけている写真ばかりでした(笑)。今のほうが表情が柔らかくなったと、よく言われます。

――もともとグラビアが一番やりたいことだったんですか?

 最初はそうではなかったです。芸能界に入りたい気持ちはすごくあったんですけど、グラビアに関しては、まさか自分ができるとは思っていなかったジャンルでした。

――そうなんですか? ピッタリとは考えませんでした?

 胸はむしろコンプレックスで、うまく見せられる自信がなくて。でも、スカウトされた芸能事務所で「スタイルがいいんだから、水着で宣材写真を撮ってみよう」となったんです。その撮影をマネージャーさんが横からパシッと撮ったオフショットを、フォロワーが30人くらいしかいないツイッターに上げたら、たまたま『週刊プレイボーイ』の編集の方が見ていて。「この子、誰?」から「グラビアやりませんか?」とお話をいただいて、それが初めてのお仕事になりました。

スタイルのいいお姉さんたちに憧れを持っていて

――小さい頃は演歌歌手になりたかったそうですね。

 そう、そう(笑)。ずっと芸能界に入りたいと思っていた中でも、幼稚園、小学校、中学校と、やりたいことはいろいろ変わってきました。アクトダンサーになりたかった時期もあったり。

――最初にスカウトされた時点では、何をやりたかったんですか?

 当時は漠然と、お芝居をやってみたいなと。でも、おしゃべりも好きやったんでバラエティにも出たかったし、いろいろなことに挑戦したい気持ちが強かったです。グラビアの方の写真集も好きで見てはいました。スタイルのいいお姉さんたちを「きれいやな」って。だから「自分もこういうふうに見せられたらいいな」と、どこかで思っていたんでしょうね。

――どんな人のグラビアを見ていたんですか?

 磯山さやかさんがすごく好きでした。かわいらしさや包容力がありつつ、愛嬌もあって。それが素敵やなと憧れていました。

スターダストプロモーション提供
スターダストプロモーション提供

家族には雑誌に出たことを内緒にしてました

――自分がグラビアをやることを、ご両親から反対されたりは?

 家族には内緒にしていたんです(笑)。基本的に何でも「ダメ」と言う親だったので。『週刊プレイボーイ』に出ても言うつもりはなく、のらりくらりと隠していけたらと。でも、やっぱり全国で売っている雑誌なので、地元でも噂が出回るわけです。たぶん、お母さんが近所の人から「明日香ちゃんが載っているよ」と聞いて、ドラマばりに机の上に雑誌をバンと広げられて「帰ってきなさい!」となりました。

――バトルになったわけですか。

 完全にバトルですね。「絶対ダメ!」と言うお母さん。お父さんは不器用でうまく話せない感じで、お兄ちゃんが間に入って「普通じゃない? 別に良くない?」と言ってくれました。お母さんにとってはお兄ちゃんが第一なので、「わかった。でも、私は許さないからね」となりました。

――でも、最初のお話だと、お母さんも雑誌を取っておくくらい、応援してくれるようになったんですね。

 その後、私がお母さんの好きな番組に出たり、CMが決まったりすると「信用できる事務所なんやね」と。急に「応援してる」と言い始めて、「お母さん、文句ばっかり言ってたやん」と言うと、「そんなの言ってたっけ?」みたいな関西人特有の手のひら返しがありました(笑)。

道も知らないのに先頭を歩くタイプでした(笑)

――それはそうと、何でも「ダメ」と言われていたのは、厳しいご家庭だったからですか?

 厳しかったかもしれません。私が1人で何でも決めちゃうタイプだったので。たとえば幼稚園の頃、家族でお出掛けすると、私は道もわからへんのに、絶対に先頭を歩くんです。方向もたぶん合ってなくて、お母さんが「この子はどれくらい振り向かずに進むんだろう」と観察したことがあるらしくて。そしたら1時間以上、振り向かなかったんですって(笑)。それ以来、「石橋を叩かずに我が道を行ってしまうから心配」とずっと言われてきました。

――子どもの頃から、そういう人生だったんですね。

 思い立ったらすぐ行動するタイプでした。グラビアに関しても、21歳で勝手に東京で仕事を決めて、上京して住む家も一軒目で即決しました。家族に「引っ越す」と言えなかったので、リュックひとつで「ちょっと仕事で東京に」くらいの感じで、シレッと実家を出ました(笑)。上京した日に家電製品を買い揃えて、テレビと電子レンジはタクシーに突っ込んで家まで運びました。「これ、女の子がやることと違うかな」と思いながら(笑)。そういう怒涛の数日で東京に出てきました。

――すごい行動力だったんですね。

 やりたいことを行動に移さないと、気持ち悪くなっちゃうんです。

スターダストプロモーション提供
スターダストプロモーション提供

写真集を見まくってデータを全部頭に入れて

――グラビアの仕事はすぐ楽しくなったんですか?

 そうですね。もともとはすごくネガティブで、コンプレックスの固まりだったから、高校生の頃は胸にさらしを巻いていました。さらに髪を腰まで伸ばして、シャツの上から隠していたほどだったんです。それがグラビアの仕事を始めてから、ちょっとずつ自信に変わっていきました。

――武器になったわけですね。

 私、謙遜するのがクセで、誉められても「本当かな?」と思って、「いやいや」とか言ってしまっていたんです。それを尊敬する方から「やめなさい」と言われました。「自信は必要以上に持ったほうがいい」と。私も「変わらなきゃ」という気持ちがあって、最初は無理やり自信を持つ感じだったのが、グラビアが形になると、どんどん本当の自信になっていきました。今は自分で「私はお尻がいいよね」とか言っちゃいます(笑)。

――撮影自体にも面白みを感じました?

 カメラマンさんが変わると表情も、何なら体型まで変わって見えるんです。自分の中で「この人が撮ったら、こういうふうに写る」とか、わかってきました。今回は10周年記念の写真集ということで、どなたに撮ってもらうかは、すごく悩みました。いつもだったら、自分をきれいに撮ってもらえることがわかっていて、安心感のある方を選びます。でも、今回は1回目の温度感で撮りたくて、初めての方にお願いしました。

――自分でも、いいグラビアにするための研究や努力は積み重ねてきたわけですよね?

 私はめっちゃしているほうやと思います。デビュー当時は写真集やDVDを50本以上見ました。「この人はこういう見せ方をするんや」とか「自分には何が合っているんやろう」とか、いろいろ勉強して、それも自信に繋がったかもしれません。何もわからない状態で現場に行ったら、不安になると思うんです。私はデータを全部頭に入れたうえで、「こう見せます」というのがあったから、間違っているはずはないと。ちょっとトガっていました(笑)。

――勉強したのは、主にポーズや表情に関することですか?

 「こういうふうに見せたら、セクシーやけど品がある」とか。露出の範囲というより自分の見せ方に、こだわりを持っていたと思います。

スターダストプロモーション提供
スターダストプロモーション提供

真冬に水風呂の温泉で地獄の撮影もしました(笑)

――10年もやっていると、いろいろな現場を経験したと思いますが、特に印象深かった撮影というと?

 いっぱいありすぎますけど(笑)、真冬の河口湖での撮影があって。めちゃくちゃ寒くて、温泉で撮る予定が、前日の台風でボイラーがバキッと折れていたんです。だから、温泉が水。零下何度の中で水風呂に浸かって、カメラマンさんが「俺も入るから頑張ろう」と言ってくれたんですけど、震えが止まらないくらい寒くて、唇も真っ青。完全に鬼気迫る表情になっていました(笑)。

――風邪をひいたりはしませんでした?

 撮影が終わったら温かいシャワーを浴びられると思いながら、頑張っていました。でも、考えたら当たり前ですけど、ボイラーが折れているから、シャワーも水なんですよね。それがわかった瞬間、「ウソやろ!?」とブッ倒れそうになって(笑)。結局、お湯を浴びることができないまま撮影を終えたという、地獄のような1日がありました。

程よく肉が落ちて鎖骨も出てメリハリボディに

――10年やってきた中で、グラビアがしんどくなった時期はありませんでした?

 最初の3年間のほうが、折れそうなことが多かったかもしれません。1ヵ月30日あったら、25日はグラビアを撮っていた時期やったので、悩みはありました。

――体力的に厳しいと?

 私は体力はめちゃめちゃあるので、現場ではハイになって楽しかったです。でも、自分の思う見せ方と撮られ方が合わない気がしていて。グラビアに出ることが多くなってくると、見る方を飽きさせないように、いろいろなパターンを撮らないといけない。そこで壁にブチ当たるたびに、マネージャーさんと言い合って、隠れて泣いていました。

――年齢を重ねて、水着撮影がキツくなってきたりは?

 どちらかというと、年を重ねるごとに自信が高まってきました。毎日グラビアを撮るとなったらキツいですけど、今は写真集やったり、たまに表紙だったり、限られた日しか撮影はないので。その分、気合いも昔の10倍、20倍とあって、ちゃんと体も仕上げて、体型的にも今のほうが自信あります。ファンの方は若い頃のムチムチも好いてくれていたと思いますけど(笑)、程よく肉が落ちて、鎖骨も出るようになって、メリハリのあるボディになれたかなと。壁にもブチ当たらなくなくなりました。

(C)SDP
(C)SDP

ライバルに負けないとギラギラしてました

――グラビアタレントとして、ライバル視していた人はいますか?

 昔はいました。1人か2人ですかね。誰かは言えませんけど、自分よりちょっと先輩か同時期デビューくらいの人で、自分が出たことのない雑誌の表紙をその人が飾っていると、「私も表紙に出られる」と思っていました。負けないぞと、ギラギラしていましたね。

――好きだった磯山さやかさんも、同じ土俵で戦う相手になった感覚ですか?

 怖くて、あまりそうは言えません(笑)。自分の前を行ってくれる方がいるから、頑張ろうと思えるところもあります。

――最近の若いグラビアアイドルと張り合う気はありますか?

 私はまったくありません。あったほうがいいかもしれませんけど、後輩は別ものというか。ライバル視するより、仲良くなっちゃいますね。

三角ビキニの表紙は自分のこだわりです

――10周年記念の写真集『Culmination』では、先ほど出たカメラマン選びの他にも、自分発信で取り組んだことはありますか?

 集大成ということで、今まで積み上げてきたものは出したいし、新しい見せ方も絶対していきたいというのがありました。表紙もあえて三角ビキニの写真を持ってきて。人によって胸の形やお肉の付き方で、似合うビキニは全然違いますけど、ファンの方たちが「明日香ちゃんは三角ビキニが一番いい」と言ってくれていたんです。私も似合う自信がありました。写真集だと、意外とデザイン水着とかに片寄ったりするんですよね。でも、今回は絶対に三角ビキニを入れてほしくて、かつ表紙にしたのが自分のこだわりでした。

――一周回って新しい感じですかね。

岸 この三角ビキニは後ろがYバックになっていて、スタイルが良く見えるんです。日本では売ってなくて、海外から取り寄せてくれた1点もので、「奇跡の三角ビキニだね」と話していました。

――撮影前の準備は何かしました?

 食事制限をしつつ、ラスト3日間はジュースクレンズ・ダイエットをしました。ごはんを食べず、ジュースだけ飲むんです。あとはお尻を鍛えました。

イイ女になろうとジムでお尻を鍛えて

――お尻って、どう鍛えるんですか?

 お尻には上、真ん中、下と三種類の筋肉があるらしくて、上に付けるとブラジリアン・ヒップという、イイ女のお尻になると聞きました。私もぜひ、そんなお尻になりたいと、ジムに通ってパーソナルで上のほうを鍛えてもらいました。

――成果は出ました?

 カメラマンさんや周りのスタッフさんが「お尻がいいね」と誉めてくれました。自分で頼んだわけでないのに、今回は本当にバックショットを多めに撮ってもらえて。これからはお尻を売りにしてもいいかと思いました。

――Gカップのバストに加えて?

 今までは正面からや斜めから、という感じでしたけど、ちょっと違う自分の姿が見られた気がして嬉しかったです。

やっといい感じの色気が出てきました

――新たな自信がアニバーサリー写真集で生まれたんですね。

 そうですね。コアなファンの方たちからは、ずっと「明日香ちゃんはお尻がいいのに、なんでバックショットがないの?」と言われていたんです。でも、後ろって、あまり見えないじゃないですか。私的には正面のほうがいいのかなと思っていたのが、いざバックショットを撮ってもらうと、めちゃめちゃ良かったので、30代からはお尻をアピールしていきます。

――前からも後ろからもいけて、完璧ですね。

 いやいや。とんでもないですけど、新たな武器が増えた気持ちでいます。あと、私が10歳年を重ねたということは、ファンの方も30代から40代になったりしてますよね。「小学生の頃から大好きでした」という方もいました。

――小学生の頃から、岸さんのセクシーなグラビアを見ていたと(笑)。

 たぶん当時は雑誌を隠れて見ていたんだと思いますけど(笑)、大人になって私の商品を買いに来てくれて。そのときに「私もそんなに長くやっているんや」と実感しました。ずっと好きでいてくれるのは、ありがたいですね。

――30代もグラビアは続けていくんですよね?

 やっといい感じの色気が出てきたと、自分的には思うので(笑)。色っぽい表情とか、今までと違う見せ方もしていけたらいいなと。

――一方で、スターダストプロモーションに入ったのは、女優活動も広げたいから?

 お芝居はもちろん、バラエティのお仕事も増やしたいですし、私はお料理がめっちゃ好きなので、レシピ本を出したいとも思っていて。中国語も勉強させてもらっていて、新しい発信もしていきたいですし、やりたいことがいろいろあるんです。30代で1コ1コ実現させていくのが目標です。

(C)SDP
(C)SDP

必要以上の自信を持つことを大事に

――改めて、グラビアをやるうえでのポリシー的なものはありますか?

 さっきもお話しした、必要以上の自信を持つことは大事にしています。普段はナルシストでは全然なくて、自信がない瞬間もありますけど、グラビア撮影は100%自信満々でやっています。「私、めちゃめちゃイイ感じ!」って。そういう意味では、お芝居で演じるのとちょっと似ていると思います。

――30代で仕事以外の展望はありますか?

 楽しんでやろう、というのは決めています。若い頃は「毎日働かなきゃ」とか焦っていましたけど、今は仕事もプライベートも楽しみたい想いがすごくあります。プライベートも充実させて、仕事に反映できたら一番かなと思います。

――プライベートではどんなことをしたいんですか?

 いろいろなものを見たり、恋愛したり? ファンの皆さんは聞きたくないかもしれませんけど(笑)、もう30歳の大人なので、そういうことがあってもいいかなと。

――そして、また10年後には20周年のアニバーサリー写真集を出したり?

 出したいですね。グラビアはみんなが「やってほしい」と言ってくれる限り、続けたいと思っているので。それまでスタイルをキープして、いい感じに仕上げていきたいです。

(C)SDP
(C)SDP

Profile

岸明日香(きし・あすか)

1991年4月11日生まれ、大阪府出身。

2012年に『週刊プレイボーイ』でグラビアデビュー。2014年の『Asuka』から3冊の写真集を発売。2016年よりドラマ『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』シリーズに出演。『激!今夜もドル箱』(テレビ東京)にMCで出演中。

岸明日香アニバーサリー写真集『Culmination』

3月14日発売 3300円(税込)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

斉藤貴志の最近の記事