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バラエティで注目の久間田琳加の心得。ボディクリームもプロデュースし「モデル、女優と四刀流を極めます」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
レプロエンタテインメント提供

『ヒルナンデス』の金曜レギュラーをはじめバラエティで最近よく見る“りんくま”こと久間田琳加。もともと『Seventeen』モデルとしてティーンに絶大な人気を持ち、SNSの総フォロワー数は70万人。昨年からは女優業で主演含めドラマ出演も続き、20歳になった今年2月には“三刀流”を宣言した。さらに自身が立ち上げたブランド・Laëtirais(レティレーズ)でボディクリームもプロデュースし、販売を始める。その活動はどこまで広がるのか?

塗って試しては「違う」と1年繰り返しました

――ボディクリームは「納得いくまで商品化しない」とのことでしたが、ついに納得がいったわけですね。

久間田 そうですね。1年くらいかかりました。毎回パックに入った試作品がたくさん届くんです。1個1個、香りもテクスチャーもバラバラで、それを全部塗って試しては、「どれも違うな」とリクエストを繰り返しました。

――もともと市販のボディクリームを50種類以上、使ったとか。それでも飽き足らないものがあったんですか?

久間田 いろいろ試す中で「こういうのがあったらいいな」と思うことがよくあって、それを形にしました。たとえば、お洋服を着たときにベタベタするのがイヤだったんです。塗っているときはマッサージしやすくて、だんだんとお肌に馴染んで、お洋服を着ても不快感のないテクスチャーにしたい、とか。

――そういうクリームを開発するのに、1年くらいかかったと。

久間田 テクスチャーで一番悩んだかもしれません。みずみずしい付け心地から硬い感じまで、幅がすごく広いところから「これで」と決めるのが難しかったです。ブランドのコンセプトが「明日の輝く自分は、夜から始まる」なので、夜に自分が実際に使ってみたら、「香りがキツすぎる」ということもありました。「この日までに決めてください」と言われていても「やっぱり違います」とか、私のわがままを聞いていただきながら作りました。

――香りにもこだわったと。

久間田 はい。最初に何の香りにするか考えて、多くの皆さんに人気で私も好きなローズを基盤にしました。でも、香りは一番好みが人それぞれで、強すぎもせず、皆さんに気に入ってもらえるラインを探りました。

ボディケアはワクワクに繋がります

――琳加さんが「皆さん」という想定購買層は、同世代の女性ですか?

久間田 10代や20代の私を応援してくださる方はもちろん、美容好きの方でも顔のケアが最優先で、ボディケアは後回しになりがちだと思うんです。このクリームをきっかけに、ボディケアもいいなと思ってもらえたら嬉しいです。

――琳加さんは夜にボディクリームを塗っていて?

久間田 寝る前に塗るのが習慣になっています。リラックスするためというより、明日の準備を夜から始めるマインドでやってきました。

――それをいつ頃から始めたんですか?

久間田 高校生の頃です。ケアすると自分の気分が上がったり、オシャレが楽しみになってワクワクする気持ちに繋がりました。よく「ボディケアは大変じゃないですか? 面倒くさくないですか?」と聞かれますけど、そんなことは全然ありません。むしろ楽しくて、毎日続けていたら成果も出ますから。

――やっぱり、やるとやらないとではだいぶ違いますか。

久間田 編集さんに「脚のむくみが取れているね」と言っていただいたりすると、「やっていて良かった」と実感します。続けていたからこそ、(膝上20cmの)りんか丈で発信できますし、美容に目覚めていなかったら、あんなミニスカートは穿いてなかったと思います。

肌触りも香りもパッケージも妥協したくなくて

――テクスチャーや香り以外にも、今回のボディクリームの売りはありますか?

久間田 私もケアを始めた頃はパッケージがかわいくて買っていたのが、実用性を重視するようになりました。でも、今の時代はSNSが広まって、家の中で写真を撮る方も多いから、インテリアとしても馴染むようにしたくて。パッケージを香水っぽいかわいいデザインにしました。

――そのデザインも琳加さんが考えたんですか?

久間田 全部自分でデザインしました。文字の配置やシールのサイズ感や、細かいことだと周りのゴールドの色味も、イエローがかっているとか赤みっぽいとかいろいろあって。本当に妥協したくなかったので、午後9時ごろから夜中までの打ち合わせを何回もしました。

――ガチでプロデュース業をしていたんですね。

久間田 ブランドの商品写真用の撮影にも全部立ち合いました。自分が写らない撮影は初めてで、周りに置く小道具は何がいいとか、意見を出したり。そういうスタッフさん側のお仕事を経験できて良かったです。チームでもの作りをしていくのが、学生時代に集団で課題をやって以来で楽しくて。

――プロデュースをする中で学んだこともありました?

久間田 私は性格的に「こうしてください」みたいに引っ張っていくタイプではないですけど、ちゃんと言葉にして伝えることがすごく大事だとわかりました。私がプロデュースする以上、作りたいものを明確にしないと解釈がズレてしまったり、皆さんが「どうすればいいんだろう?」となってしまうので。

オブラートに包まずハッキリ言うように

――さっき出た色味のゴールドでも、人によって捉え方は違いますよね。

久間田 そうなんです。そういうことは結構あって、特に香りに関しては一番多かったですね。香りの感覚は本当に人それぞれで、ローズといっても幅が広すぎたり。私が「これは苦手です」とかオブラートに包んだ言い方をしたとき、スタッフさんに「好きか嫌いかでいいです。そのほうがわかりやすいので」と言っていただきました。これがビジネスなんだなと思いました。

――ローズの香りに関しては、結局どんな言い方を?

久間田 試供品を嗅いで、何が私の好きでない原因なのか、すごく考えました。「柑橘っぽい香りが入っているのがイヤです」とか、具体的に深く伝えるようにしました。コロナ禍でスタッフさんとその場で意見を言い合える環境でもなくて、メッセージ機能でやり取りしていたのも大変なところでした。

――今後もいろいろ商品を開発していく意向もありますか?

久間田 作りたいものはたくさんあります。ハンドクリーム、ネイルオイル、キャンドル、入浴剤、ボディオイル……。発想力は増えたかもしれません。今は好奇心の塊で、ぜひやりたいです。

――琳加さんが20歳になった頃、「モデル、女優、バラエティの三刀流でやっていきたい」と話していましたが、プロデュース業も加わりそうですね。

久間田 四刀流を極めたいと思います(笑)。

出演中のドラマ『お茶にごす。』より (C)西森博之/小学館 (C)「お茶にごす。」製作委員会
出演中のドラマ『お茶にごす。』より (C)西森博之/小学館 (C)「お茶にごす。」製作委員会

テレビ画面では自分を観られません(笑)

――バラエティでも、最近いろいろな番組に出演されています。自分でオンエアはチェックしているんですか?

久間田 TVerとかでチェックします。大きいテレビ画面で自分を観る勇気はないので(笑)、なるべく小さいスマホの画面で観ています。

――もともとバラエティもやりたいことのひとつだったんですか?

久間田 バラエティを観るのは、ずっと好きでした。というか、自分では普通のことだったんです。家では常にテレビをつけていて。あるとき、周りの方から「テレビっ子だよね」と言われるようになって、「私はそういう子だったんだ」と思いました(笑)。出させていただく番組もだいたい観たことはあって、嬉しいです。

――どんな番組が好きだったんですか?

久間田 ごはん系はとにかく好きです。バナナマンさんの『せっかくグルメ』や『ジョブチューン』は絶対観ます。あとは街ブラ。澤部(佑)さんの『なりゆき街道旅』とか出川(哲朗)さんの『充電させてもらえませんか?』とか。

――でも、昔の琳加さんはそこまでトーク好きなイメージでもありませんでした。

久間田 すごくしゃべれるわけでないので、まさか自分がバラエティに出る側になるとは思ってなかったです。最初に出たときの衝撃はいまだに忘れらなくて。

――最初は何でしたっけ?

久間田 『ワイドナショー』のワイドナ女子高生で、緊張しすぎて打ち合わせしたことを何も言えず、全然トンチンカンなことをしゃべってしまって(笑)。

――初めはそういうこともあったと。

久間田 出させてもらったのに、ひと言も話せず終わった番組もありました。でも、芸人さんとご一緒するのは楽しいですし、テレビのお仕事がイヤだと思ったことはありません。

面白いことを言うより誠実に

――今はバラエティの研究もしているんですか?

久間田 してます。指原(莉乃)さんやみちょぱさんは、芸人さんもキャッチボールがやりやすいと聞くので、お2人の番組は観るようにしています。

――何か取り入れたことも?

久間田 特にこれというものはないですけど、お2人はテロップになるコメントもすごく面白くて。あと、今『ヒルナンデス』の金曜日で久本(雅美)さん、SHELLYさんとご一緒させていただいて、バラエティのことを教えてもらっています。この前もロケに3人で行ったとき、「面白いことを言うより、誠実に仕事に向き合うことが大事」とおっしゃってました。それを胸に頑張ります。

――琳加さんはバラエティですごく楽しそうですね。

久間田 よくそう言っていただきますけど、本当に楽しいです。演じてはいません(笑)。性格なのか何でもすぐハマって、「仕事だからやらなきゃ」みたいなことはないですね。

――無理に爪あとを残そうともしないと?

久間田 学生時代から、面白いことはなかなか言えないタイプなので。だから、テレビでの居方みたいなことは常に考えています。

――でも、『ちまたのジョーシキちゃん』に出たときの「結婚式でお色直しを限界までやりたい」という話とか、面白かったです。

久間田 あれは常に思っていたことなので(笑)。結婚式はやるなら盛大にやりたいです。自分の意見を言うだけで、ウソは一切つきません。

準備すると緊張するのでリラックスして

――番組に出る前に準備はするんですか?

久間田 準備すると緊張するクセがついてしまって(笑)。構えてしまうところがあるので、なるべくリラックスして挑むようにしています。

――出た後の反省はするんですね。

久間田 します。使われなかったところは、何が良くなかったのか考えるようにしています。観るのが怖いときもありますけど(笑)。

――ウケたところはリピートしたり(笑)?

久間田 絶対しません(笑)。観るのは1回。それも、1.5倍速くらいで観ます(笑)。

――日ごろからバラエティのために、何か勉強していたりは?

久間田 芸人さんとご一緒することが多いので、最新のネタを見るようにしてます。たとえばチョコプラ(チョコレートプラネット)の長田(庄平)さんのひろゆきさんのモノマネがバズりましたけど、テレビで観たら、めっちゃ面白くて。次に番組でお会いしたときにお聞きすることを考えたり、なるべくアンテナを張っておきます。

ユルい街ブラ番組に出てみたいです

――バラエティタレントとして、目指すポジションはありますか?

久間田 指原さんやみちょぱさんとは何度もご一緒させていただいて、私が困っていると救いの手を差し延べてくださって。きっと自分のことで「これをしよう」とか考えてらっしゃるのに、周りまで見られるのはカッコイイなと思います。私もそういうふうになりたいです。

――ライバルというか、同世代でキャラが被ると思うような人もいますか?

久間田 今のところ、いないですかね。同世代の方はたくさんいらっしゃいますけど、普通に仲良くさせていただいてます。

――『ヒルナンデス』の別の曜日のレギュラーで、モデルでもある生見愛瑠さんは?

久間田 私とは雑誌が違って、あまり交流はなかったんですけど、24時間テレビの企画でご一緒したときにお話しできて、すごく楽しかったです。ちょうど同じ時期に『ヒルナンデス』のレギュラーになったので。

――バチバチはしませんでしたか(笑)。

久間田 全然そんなことないです。(ぺこぱの)シュウペイさんは「どうなの? どうなの?」って、すごくイジってきましたけど(笑)。

――今後出たい番組とかやりたい企画はありますか?

久間田 街ブラはやりたいですね。この前、『10万円でできるかな』で(川越の菓子屋横丁で)スクラッチをやったときに、ちょっと経験できましたけど、お昼にボーッと観られるユルい番組に出たいです。『なりゆき街道旅』とか有吉(弘行)さんの『正直さんぽ』とか。あと、運動会みたいな番組に出たらどうなるんだろう、というのもあります。

専属モデルで一番年上になって複雑です(笑)

――髪を切ったのは、女優として次に演じる役のためだとか。

久間田 最近、撮影に入りました。まさか切るとは思ってなくて、3年半ぶりのカットになりました。

――いいことですけど、四刀流だとますます忙しくなりそうですね。

久間田 スケジュールは大変でも、『ヒルナンデス』に出る金曜日が来るのは楽しみです。レギュラーの皆さんと会いたい気持ちは強まりました。

――今年は最後まで充実しそうですが、プライベートでもいいことはありましたか?

久間田 20歳になったことが一番大きかったです。コロナもあって、お友だちとお酒を飲んだりはできませんけど、大人の仲間入りができた感覚は嬉しいです。

――どういうときに感じます?

久間田 『Seventeen』モデルで一番年上になりました。学園祭で後輩がいつの間にか増えていて。新人モデルの子たちが「憧れでした」と言ってくれましたけど、聞いたら、みんな中学生とか言うからビックリしちゃって(笑)。『ニコラ』で一番年上になったときも、そういう感覚があって、またこの時期が来たかと、嬉しくもあり寂しくもあり……複雑です(笑)。

――ちなみに、年末年始は久間田家の恒例はあるんですか?

久間田 白みそのお雑煮は東京ではないですよね? 我が家は父が関西出身なので、白みそが定番です。

――お年玉はもうもらっていませんか?

久間田 今年はもらっちゃいました。成人式のお祝いでもあったので、もう20歳になったから、どうですかね? そこも変わるかもしれません。年下のいとこもいるので、そろそろあげる側になるのかな。お年玉袋を選ぶのは楽しそうだなと思います(笑)。

Profile

久間田琳加(くまだ・りんか)

2001年2月23日生まれ、東京都出身。

2012年に『nicola』のモデルオーディションでグランプリとなり、2017年3月まで専属モデル。2017年8月から『Seventeen』の専属モデルに。女優として映画『ミックス。』、『青夏 きみに恋した30日』、『ヌヌ子の聖★戦~HARAJUKU STORY~』、ドラマ『マリーミー!』、『#コールドゲーム』などに出演。『お茶にごす。』(テレビ東京系)に出演中。『ヒルナンデス!』(日本テレビ)で金曜レギュラー。2021年2月にボディケアブランド『Laëtirais(レティレーズ)』を設立。プロデュースしたボディクリームを12月1日より発売。

Laëtirais公式HP

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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