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福原遥が『IP~サイバー捜査班』で刑事役。美少女から23歳へ「人の気持ちを考えることは忘れません」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/松下茜

サイバー犯罪に立ち向かうエキスパートたちを描くドラマ『IP~サイバー捜査班』で、福原遥が刑事役に初挑戦している。子役から活躍を続け、今も愛らしいたたずまいだが、この8月には23歳に。出演作が相次ぐ中で、ハッと刺さる演技も見せている。大人の顔をのぞかせる今回の新境地には、どう挑んだのか?

普段ノロマなのでテキパキ動くようにしました

――刑事役は初めてなんですよね。

福原 初めてです。警察学校には行ってましたけど(笑)。

――『教場Ⅱ』に出演されてました(笑)。

福原 ドラマの中ですけど、そういう訓練を受けて、尊敬できる素晴らしいお仕事だと思っていたので、いつか刑事役をやりたいと思っていました。

――自分で刑事モノのドラマを観ることはあります?

福原 ミステリーはよく観ます。今回の撮影に入る前も、雰囲気を掴むために、いろいろな刑事ドラマをちょこちょこ観てました。あと、今回はサイバー捜査ということで、台本に難しい言葉がいっぱいあったので、そういうのも調べました。

――いわゆる刑事っぽさを出すために、意識したこともありました? あるいは、遥さんらしい刑事像にしようと?

福原 自分が結構ノロマで(笑)、抜けていたりするので、なるべくテキパキ動くように意識しました。敬礼をしっかりしたり。

――普段はテキパキしてないんですか(笑)?

福原 まったくしてません。普通に道でコケちゃったり、つまずいたりします(笑)。あと、私は話すスピードも遅いので、皆さんのテンポについていけるように頑張っていました。声のトーンもちょっと下げています。

学園モノとは全然違う中で勉強になりました

『IP~サイバー捜査班』(テレビ朝日系)は京都府警に設立されたサイバー総合事犯係が舞台。新人刑事の古宮山絆(福原)は自ら希望して、この部署に配属された。主任の安洛一誠(佐々木蔵之介)が自分の父親かもしれないと考えてのことだった。人の感情に興味ない安洛と人情を重んじる絆はぶつかり合う。

――絆を演じている遥さんは普段より大人っぽく見えますが、役の年齢設定は何歳なんでしたっけ?

福原 25歳です。私より少し上です。

――今は高校生役も社会人の役も演じる時期ですが、自分でどちらのほうがやりやすくなってきたとか、ありますか?

福原 特にどっちがというのはないんですけど、今まで学園モノが多かったので、今回はまた全然違う感じがしました。大先輩の皆さんとご一緒させていただいて、すごく勉強になりました。

――予告動画にある、佐々木蔵之介さんが演じる安洛主任とハモを食べて恍惚となっているシーンは、素でした?

福原 そうですね。刑事のときのオンとオフをはっきりさせよう、というのもありました。

――佐々木さんは遥さんについて「演技にも食にも貪欲」とコメントされてます(笑)。

福原 貪欲ですね(笑)。本当に食べることが日々の楽しみで、ずっと「今日は何を食べよう」と考えていたりします。蔵之介さんに「これおいしいよ。あのお店はいいよ」と教えていただいて、すぐ食べに行きたくなっちゃったりもしました。

――薦められて、おいしかったものも?

福原 蔵之介さんがロケで食べた黒糖が、めちゃめちゃおいしかったらしくて。検索したらネット販売をしていたので、注文しようとしたら、蔵之介さんが「いいよ。頼んでおくよ」と、みんなに配ってくださいました。それは本当においしかったです。

――今回の演技で、特に悩んだことはありませんでした?

福原 主任と絆ちゃんにどんな過去があったのか、あまりわからない状態でスタートしたので、どういう気持ちなのか考えながらやっていく感じでした。あと、やっぱり初めての刑事モノで、難しい用語を話すのもひと苦労でした。蔵之介さんがそういう台詞をダーッと話されているのを間近で見て、本当にすごいなと思いました。

自分だけでお芝居をしないようにしています

――ここ数年、出演作がどんどん増えている中では、壁にぶつかったことはありました?

福原 もう毎回壁に当たっています。毎作品、初めての経験や初めての感情があって。楽しいですけど、反省の繰り返しです。

――女優として大事にするようになったことがあったりは?

福原 『教場』のとき、監督と話していて、自分の会話のテンポが遅いことに気づいたので、ちょっと速めに話そうと意識するようになりました。あとは、いっぱいいっぱいになると、自分だけでお芝居をしがちなので、そういうのは絶対にやめようと。相手の方とのキャッチボールを常に大事にすることは、自分の中で決めています。

――遥さんは去年放送された『情熱大陸』でも、周りの人みんなに「本当に良い子」と言われていました。日常で人として心掛けていることもあるんですか?

福原 いえ、いえ。何もないですし、そんな良い人ではないです(笑)。でも、忙しかったり大変だったりすると、楽しむことを忘れがちなので。日々ちゃんと楽しみながら、お仕事しようとは思っています。

――人当たりの良さは変わらないようですね。

福原 人の気持ちを汲み取って、ちゃんと周りを考えて行動することは、何があっても絶対に変えたくないです。

子どもっぽいのも自分だからいいかなと(笑)

――『IP』が放送中の8月に23歳の誕生日を迎えますが、どんどん大人になっている感じですか?

福原 大人になっているなとは、まったく感じないです(笑)。大人にならなきゃと、焦っているくらいです。

――どういうところが、まだ子どもだと?

福原 普通にいつも子どもです(笑)。もっとしっかりして、ちゃんとしたことを言えるようになって、落ち着かなきゃとかあるんですけど、これが自分だから、まあ、いいかなとも思います(笑)。

――食の好みが変わってきたりもしません?

福原 最近、お魚が好きになってきました。アヒポキという、マグロとサーモンとアボカドにゴマ油が混ざったハワイの丼ぶりがあって、すごくハマってます。『IP』の撮影を京都でやっていたときも、ホテルで自分で作って食べてました(笑)。

――前は焼肉推しでしたよね?

福原 焼肉が好きなのは変わりません。でも、お刺身とかお魚も好きになりました。

――服の好みはどうですか? 今日は役衣装のパンツルックですが。

福原 パンツも穿きますし、ちょっと大人な感じの服も着てみたいです。ブラウン系が好きで、どんどん増えてきています。

同世代はライバルでなく一緒に大きくなりたくて

――自分で観るドラマや映画の傾向は変わりました?

福原 それは変わりません。自分が作品の撮影に入っちゃうと、全然観られませんけど、1人で映画館に行ったりもします。ドラマだと『ドラゴン桜』は観てました。

――同世代の役者さんたちが生徒役で出ていたから?

福原 (『ゆるキャン△』で共演した)志田彩良ちゃんも出てましたし、昔の作品も観てたので。人として刺さるところもいっぱいありました。

――遥さんの同世代の女優さんは、広瀬すずさん、橋本環奈さんなど逸材揃いですが、ライバル意識を持っている人もいますか?

福原 まったくいないですね。でも、一緒に頑張りたいというのはあります。同じ事務所の大友花恋ちゃん、水谷果穂ちゃんと仲良くて、3人で「将来は大きくなろうね」とか夢のことはよく話しています。素敵なお芝居をしているのを観ると、「私ももっと頑張らなきゃ」と刺激をもらったりもします。

ひとつの役からいろいろな部分を引き出せたら

――遥さんが今、磨きたいと思っていることはありますか?

福原 私は結構「この役だからこう」と決めがちなので、視野を広げて「こういう子でもこんなことをするよね」とか、ひとつの役に対して、いろいろな部分を引き出せるようにしたいです。それから、自分の精いっぱいを波がなく、ちゃんと本番で出せるように、内面を強化したいと思っています。

――その辺、『IP』ではうまくいってました?

福原 初回を観て、これからそうしたいと思ったところもあります。でも、本当に素敵な皆さんとご一緒させていただいて、毎回楽しかったですし、蔵之介さんたちがいろいろなものをぶつけてくださったから、「こんな気持ちになれるんだ」ということもありました。ぜいたくな時間だったと思います。

撮影/松下茜

Profile

福原遥(ふくはら・はるか)

1998年8月28日生まれ、埼玉県出身。

子役としてデビューし、2009年スタートの子ども向け料理番組『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で注目される。主な出演作は、映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』、『4月の君、スピカ。』、『羊とオオカミの恋と殺人』、ドラマ『グッドモーニング・コール』、『声ガール!』、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』、『ゆるキャン△』、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』ほか。アニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』などで声優を務める。8月20日公開の映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』に出演。

『IP~サイバー捜査班』

テレビ朝日系/木曜20:00~

公式HP

『IP~サイバー捜査班』より(テレビ朝日提供)
『IP~サイバー捜査班』より(テレビ朝日提供)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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