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映画でヒロインが続いた玉城ティナが連ドラに主演。「自分の顔や雰囲気は強みになると思います」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
撮影/松下茜 ヘア&メイク/今井貴子 スタイリスト/丸山佑香(まきうらオフィス)

昨年、映画『Diner ダイナー』、『惡の華』、『地獄少女』とたて続けに主演やヒロインを務め、圧倒的な美貌と相まって注目を集めた玉城ティナ。3月からドラマ『そして、ユリコは一人になった』(カンテレ/U-NEXT)で主人公の天才女子高生を演じる。すでにSNSのフォロワーが100万人を越える若者のカリスマ的存在だが、TVドラマを通じて、さらにトップ女優へ駆け上がりそうだ。

リアルな感情がヒリヒリする作品が好きです

――以前、好きな映画監督にデヴィッド・フィンチャーやラース・フォン・トリアーを挙げられていました。アクが強いというか、ヒリヒリする感じの作品が好きなんですか?

玉城  そうですね。2人とも10代の頃から好きで、最近はさらにヒリヒリするイ・チャンドンも加わりました。描かれていることはリアルでないかもしれないけど、そこにある感情は本物。そういう作品を撮る監督が好きです。

――映画はよくご覧になるそうですが、ドラマは自分では観ますか?

玉城  今回、連続ドラマにレギュラー出演させてもらうのが久しぶりで、思い返すと自分でドラマを追い掛けて観ることも、久しくしていませんでした。でも、小・中学生時代は、ドラマを観て次の日に学校で話すのが楽しみでした。

――最近の若者はドラマ離れをしているイメージがありますが、22歳の玉城さんの世代でもそういう習慣はあったんですか?

玉城  ありました。10年くらい前で、キュンキュンする恋愛モノや学園モノが多かったですね。『そして、ユリコは一人になった』は学園ミステリーなので、友だち同士で推理し合ったり、掘り下げて楽しんでほしいです。

――昨年から主演やヒロインを演じた映画の公開が続いて、連ドラは2年ぶりになりますが、演じるうえで映画との違いはありますか?

玉城  私としては、みんなで作っていく感覚は一緒で、大きな違いはまだ感じていません。ここからどんどんドラマをやっていくことになったら、もしかすると違いがわかってくるのかもしれません。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

底知れぬ感じを演じるのは楽しかったです

『そして、ユリコは一人になった』は高校で語り継がれる伝説を巡る物語。学園の女王に君臨する“ユリコ様”は崇められ、不思議な力で逆らう者を不幸にする。その座に就くため、ユリコという名前の他の生徒を淘汰する争いに巻き込まれた矢坂百合子(岡本夏美)を救おうと、親友の天才女子高生・嶋倉美月(玉城)が連続死の真相と伝説の謎に挑む。

――玉城さんに出演オファーはたくさん来ているかと思いますが、『そして、ユリコは一人になった』の美月役に惹かれるものがあったんですか?

玉城  ミステリーは新しく触れさせてもらうジャンルで、中でも美月はすごく個性的で、一番惹かれるキャラクターでした。主演というお話をいただいて、最初はタイトルから百合子役かと勘違いしてましたけど(笑)、原作を読み進めていくと、美月のほうがしっくり来るとすぐ思いました。客観的な視点を持っていて、美月がしっかりしてないと始まらないくらい重要な役で、責任も感じました。

――「しっくり来る」というのは、強い感じの役が得意だから?

玉城  今までキャラクター性の強い作品は多くて、追い詰める役もやりましたけど、追い詰められる役も意外とやっているんです。だから何が得意ということもなく、どちらでも……という感じです。美月は異質な存在であることは確かで、ストーリーテラーのような部分もあれば、「何を握っているんだ?」という底知れぬ感じもするので、やっていて楽しかったです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

――“天才女子高生”という部分も意識しました?

玉城  常に冷静ですし、面白さを感じたのは軽いアクションをするんです。ちょっと肩に触れられたら、相手の腕を捻り上げたり。大げさな動きでなく、美月にとっては当たり前の護身術。そこは強さのひとつで、キャラクターにユーモアも足されたと思います。

――他の作品では声のトーンに気を使った役もあったそうですが。

玉城  今回も地声とは変えています。私は声が結構低くて、美月は透明感があって何もかも見透かしていそうな声のイメージだから、シャープさを大事にしました。それで、口をあまり動かさないようにしたり。

――百合子に「キミはボクが守る」と言ったり、カッコイイですね。

玉城  百合子に対してだけは、常に特別な感情を持っていることを心掛けました。他の人には全員フラットで、百合子だけが特別という。

――全体的に悩むことはない役でした?

玉城  そうですね。現場に入ってしまえば、シーンごとに監督や他のキャストと話し合いながら、わりとすんなり美月になっていけました。

――今までの作品では、特に難しさを感じた役はありますか?

玉城  監督さんが自由にやらせてくれるタイプの方が多くて、そこまで悩むことはありませんでした。もちろん、「役の感情として良いのか悪いのか」みたいなことは相談します。でも、私は「監督の正解が正しい」というタイプで、自分から「こうです」と行くことも少なくて。

――そして、役への切り替えもすんなりと?

玉城  カメラが回れば自然に……という感じです。

――これからもドラマ出演を続けて、ゴールデンタイムにも出て知名度をより上げたい……というようなことは考えますか?

玉城  観てくれる方が多いのはありがたいので、結果的にそうなればいいかなとは思います。でも、これまでも私のファン層でなかったところから反響があったり、「この方が私を知ってくれているんだ」ということも直に感じてきたので、やっぱりいろいろな役に出会うことが大きい気がします。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

映像で必ずしもきれいである必要はなくて

――玉城さんは「きれい」とか「演技が上手い」とか、いろいろな形で称賛を受けていますが、自分で嬉しいのはどんな誉め言葉ですか?

玉城  人が私の何かに興味を持って言ってくれたことなら、だいたい何でも嬉しいです。その人の本心であることが第一。「きれい」とか「かわいい」というのは、ある種の記号みたいなもので、そこまで重視はしていません。モデルの仕事やドレスアップした場で言われたら、すごくプラスになりますけど、映像の中では必ずしもそうである必要はないと思います。

――役によっては、むしろきれいでないほうが良い場合もあると?

玉城  そうですね。だから、そこは臨機応変にあるべきだなと。私が表現したものに触れて発してもらった本心が、私には一番うれしいですかね。

――女優として評価を高めている玉城さんですが、自分では一番の強みはどんなことだと思いますか?

玉城  何でしょうね? 自分の持つ雰囲気や顔はひとつの強みではあると思います。たとえばマンガ原作や個性の強いキャラクターをたくさんやらせてもらったのも、そこがフィットして違和感がなかったからでしょうし、他に似ている人はいないようなので、伸ばしていくべき強みなんでしょうね。

――『惡の華』の仲村佐和や『地獄少女』の閻魔あいは、玉城さんだから成立した印象がありました。

玉城  去年はそういう強いタイトルの作品が多かったんですけど、私自身がそういう人だと思われると、ちょっと辛いところがあります(笑)。

――普段から怖いわけではないと(笑)。

玉城  全然そんなことはないです(笑)。でも、そう思われるなら、ひとつの強みと考えてもいいのかもしれませんね。

――日ごろから演技力を上げるために、心掛けていることはありますか?

玉城  役者って、その人の生き方みたいなものや何を考えているかが出てしまうことのある仕事だと思うので、自分自身が充実してないといけないなと。何か辛いことがあっても、表現として昇華できるのは、ありがたいシステムですよね(笑)。

――「何を考えているか」ということだと、玉城さんはすごく理路整然と話をされますよね。普段から物ごとをいろいろ考えているのでは?

玉城  考えすぎるくらい考えます(笑)。でも、昔よりはだいぶマシになってきました。思春期や10代の頃は、出口が見えてない状態で考えて行き詰まるだけだったので、最近は入口をくぐったら出口をちゃんと見つけてから考えるようにしています。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

常に何かを欲しがっているべきだと思います

――玉城さんはツイッターとインスタのフォロワーが、それぞれ100万人以上います。自分にとってSNSはどんなものですか?

玉城  たいしたことは発信してなくて、ただ昔からやっている感じです(笑)。本当に皆さんと同じ感覚で楽しんでいるだけ。ツイッターは2013年からやっていて、イベントで「初めの頃からフォローしてました」という方が来てくださったり、一緒に成長している感覚があるのはありがたいです。

――映えとか気にします?

玉城  映えはまったく意識しません(笑)。写真は自分なりのトーンや「こう見せたい」というのはあっても、インスタグラムのために何かをする感覚は、私にはわかりません。

――確かにモデル系のオシャレな写真もあれば、唐揚げの皿をくわえている写真も挙がっていたり(笑)。

玉城  オシャレな生活を送っているタイプではないので(笑)、プライベートやお仕事を皆さんにお裾分けする感じでできれば。

――温泉も好きなんですよね?

玉城  はい、好きです。ちょくちょく行ってます。

――“湯上がりの玉城ティナ”とか、ちょっとイメージとは違う気もします(笑)。

玉城  本当ですか? 全然普通の湯上がりですよ(笑)。

――忙しい中で遠出もしているんですね。

玉城  最近は物欲より、形のない体験とかにお金を使います。去年も実は10ヵ国くらい旅行しました。外から見て「日本はこうなんだ」と思うこともあったし、これからもいろいろな国に行きたいです。

――最後に、すべてを兼ね備えた印象のある玉城さんですが、さらに身に付けたいことはありますか?

玉城  こういうお仕事をさせてもらっていると常に未来の話になりますし、ひとつ終わったら「次は?」って、どんどん階段を上がっていかなきゃいけないとは、自分なりに考えています。満足してしまったら、下るしかなくなる。上り続けるためには何かをずっと欲しがっているべきで、仏様みたいな気持ちにはなれません(笑)。欲求がある状態が自然。人間らしく何かを求めていきたいし、そのために自分を知ったり、いろいろなものを見る必要があると思います。それで、ひとつでも多くのものを手に入れたいです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

Profile

玉城ティナ(たましろ・てぃな)

1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。

中学校の帰りにスカウトされ、2012年に『ミス iD』で初代グランプリ。同年に14 歳で『ViVi』の最年少専属モデルに。2014 年にドラマ『ダークシステム 恋の王座決定戦』のヒロインで女優デビュー。2015年に『天の茶助』で映画デビュー。主な出演作は映画『暗黒女子』、『わたしに××しなさい!』、『Diner ダイナー』、『惡の華』、『地獄少女』、ドラマ『ドルメンX』、『受験ゾンビ』など。『玉城ティナとある世界』(ニッポン放送)でパーソナリティ。

公式HP

画像
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『このミス』大賞ドラマシリーズ第5弾

「そして、ユリコは一人になった」

カンテレ/木曜24:25~(3月5日より放送。初回24:26~)

公式HP

U-NEXT/金曜10:00~(3月6日より配信)

公式HP

原作/貴戸湊太 クリエイティブ・アドバイザー/佐藤二朗 脚本/杉山嘉一 監督/下山天、杉山嘉一

1話30分×全8話

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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