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10月4日開幕の関東大学ラグビー 明大LO山本、慶大FB山田ら有望ルーキーたちが先発!

斉藤健仁スポーツライター
1年生ながら開幕戦で明大の4番を背負うLO山本(撮影:斉藤健仁)

10月4日(日)、例年より1ヶ月ほど遅れたものの関東大学ラグビー対抗戦Aグループ&リーグ戦1部が一斉に開幕する。開幕戦は対抗戦、リーグ戦それぞれ4試合ずつ行われ、すでに2日前の2日(金)に先発予定メンバーが発表された。ほとんどの大学で高校を卒業したばかりのルーキーがメンバー入りを果たした。

※対抗戦のメンバー表はこちら

※※リーグ戦のメンバー表はこちら

それでは対抗戦とリーグ戦に分けて、開幕戦からメンバー入りしたルーキーたちを見ていきたい。

◇対抗戦/奥井、山田らビッグネームが先発入り

対抗戦・開幕戦 対戦カード  10月4日(日)

13:00 明治大 対 立教大 @明治大G(無観客)

13:00 日本体育大 対 帝京大 @帝京大G(無観客)

11:30 慶應義塾大 対 筑波大 @秩父宮(有観客)

14:00 早稲田大 対 青山学院大 @秩父宮(有観客)

対抗戦は2試合が秩父宮ラグビー場で有観客試合として行われる(当日券販売なし)。

昨年の対抗戦、全勝優勝したが大学選手権でライバルの早稲田大に敗れた明治大。すでにAチームに1年生が6人ほど参加しており、その中で身長191cmのLO山本嶺二郎(京都成章)、司令塔SOには池戸将太郎(東海大相模)が先発する。4年生のLO片倉康瑛、SO山沢京平はケガの影響でメンバー入りしていない。

FWの強い明治大で1年生ながらいきなり4番を背負うことになったLO山本はこう腕を撫した。

「試合の経験がない分、基礎の部分ができていると思うので、いい状態で臨めると思います。(春から)ずっとAチームでやっていたので、落ち着いてコミュニケーション取ってやっていきたい。将来はトップリーグ、日本代表を目指したい。ロックは外国人選手が多いので、日本人選手でも入っていけるようになりたい」(山本)

控えには、元日本代表SHの田中澄憲監督の期待も大きいSH荻原周(大阪桐蔭)が入った。今年度は山本、亀井茜風(長崎北陽台※メンバー変更によりリザーブ入りし途中出場)と190cmを超える1年生LOが入部してきたため、キャプテン箸本龍雅(4年)はLOではなくNo8として、スクラム最後方からチームをまとめる。

 

対するのは昇格組の立教大。先発にはルーキーの名前はなかったが、ベンチにSH北川時来(國學院久我山)、WTB天羽秀太(桐蔭学園)の2人が入った。強豪校出身の2人が試合途中から入ってチームに勢いを与えたい。

昨年対抗戦2位ながら11シーズンぶりに大学王者に輝いた早稲田大。やはり4名ほどの選手がAチームで練習していた。活躍が期待されていたSO/CTB伊藤大祐(桐蔭学園)は練習試合でケガをしてしまったため、開幕戦はメンバー外となった。控えにはPR/HO川崎太雅(東福岡)と、FL/No8村田陣悟(京都成章)と昨年度の花園を盛り上げた2人が入った。

早稲田大と相対するのは、5位以内に入り大学選手権出場を狙う昨年7位の青山学院大。PR/HO田中創太郎(國學院久我山)がベンチから出場をうかがう。

一昨年シーズンまで大学選手権9連覇を達成し、大学ラグビー界を席巻してきた昨年3位タイの帝京大。先発には早速、高校2年時に大阪桐蔭を花園初優勝に導き、高校2年時から高校日本代表に選出されたNo8奥井章仁とHO江良颯の2人が先発に、控えにPR西野拓真(京都成章)も入った。1年生ながらパワーに長けた2人が帝京大に勢いを与えるはずだ。

なお昨年5位タイの日体大は新人選手のメンバー入りはゼロとなった。

昨年、帝京と並んで3位タイだった筑波大。FWでは188cm、体重94kgの恵まれた体躯を持つFL梁川賢吉(尾道)が、BKでは高校日本代表で、日本代表WTB福岡堅樹の大学・高校の後輩にあたるCTB谷山隼大(福岡高)がルーキーながら先発を果たす。控えにPR田中希門(春日丘)も入った。大型ランナーである谷山がキャプテン岡崎航大(4年)とのコンビでアタックにどんなアクセントを加えるか興味深い。

対する昨年5位タイとなり大学選手権出場を逃してしまったルーツ校・慶應義塾大。ユース五輪の銅メダルに貢献するなど高校2年生から国際舞台を経験してきた注目のランナーFB山田響(報徳学園)が先発し、控えPRに岡広将(桐蔭学園)が入った。ステップとスピードに長けた山田がカウンターで魅せる。

◇リーグ戦/WTBポロメア、石岡、飯塚のランに注目!

リーグ戦・開幕戦 対戦カード  10月4日(日)

13:00 関東学院大 対 東海大 @東海大G(無観客)

13:00 中央大 対 日本大 @日本大G(無観客)

13:00 流通経済大 対 法政大 @流通経済大G(無観客)  

13:00 専修大 対 大東文化大 @熊谷B(無観客) 

リーグ戦は開幕4試合ともに無観客試合となった。

まずは3連覇がかかる優勝候補筆頭の東海大。東海大福岡出身で、高校日本代表にも選ばれていたトンガ出身WTBポロメア・カタが1年生で唯一の先発入り。同じく東海大福岡出身のLOアフ ・オフィナ、そして東海大大阪仰星出身のSO武藤ゆらぎの2人はベンチから出番を待つ。ポロメア、アフのパワフルなランが開幕戦から見られそう。

対する昇格組の関東学院大。付属高である関東学院六浦出身で身長192cmのLO矢野裕二郎、そしてBKコーチを務める元日本代表FB立川剛士の息子・SO立川大輝(佐賀工業)が先発。立川は1年生ながら10番を背負って、強豪相手に勝機を見いだせることができるか。

昨年2位と躍進した日本大。ルーキーでは目黒学院出身のSH前川李蘭が唯一の先発で、2年生司令塔SO饒平名悠斗とハーフ団を組むことになった。若きハーフ団がしっかりと試合をコントロールできるか。佐賀工業出身の2人、SH齋藤史哉とCTB三良煕三郎が仲良くベンチ入りした。

対する昨年最下位に終わった中央大はHO藤原能(尾道)、WTB下村寛太(報徳学園)、そしてFB山田翔平(國學院栃木)の3人が開幕戦からファーストジャージを着る。他にも控えにFL吉田幸司(京都成章)が入った。若い力が大きな力となろう。

昨年度の大学選手権で帝京大を下した、昨年3位の流通経済大。FWとBK一体となってボールを回すダイナミックラグビーは健在だ。新人ではLO神田康生(鹿児島工業)が先発し、PR作田駿介(流通経済大柏)とHO武井陽昌(熊本工業)はベンチ入りした。

対する昨年6位の法政大は先発2人、控えに3人の計5人の1年生がメンバー入り。祖父、父も法政大で大学王者に輝いたLO竹部力(大分舞鶴)、昨年度の花園で御所実業のエースとして活躍したWTB石岡玲英と実力者2人が先発する。ベンチにFL山下武準(法政第二)、SH山脇一真(天理)、SO熊田経道(大阪産業大付属)の3人が控える。

昨年4位となり大学選手権に出場できなかった大東文化大。今年のリーグ戦では復活Vを狙っている。LOスコット・ケアヌ・プブンガトア・レオネ(NZ・ロトルアボーイズ)、CTB ペニエリ・ジュニア・ラトゥ(NZ・セントピーターズスクール)といった新しい留学生2人が先発、No8サイモニ ・ヴニランギ(2年)とともにチームの推進力となる。控えに御所実業出身のFL西林勇登も入った。

対する専修大も、11番に村田亙監督が「チーム一の韋駄天」と期待する、桐蔭学園出身のWTB飯塚稜介が入った。自慢のスピードでチームの勝利に貢献したい。

ルーキーたちはまだ18歳、19歳のため3年後の2023年ワールドカップ出場は少々難しい。ただ、1年生といえども活躍を続ければジェイミー・ジョセフHCら日本代表コーチ陣の食指が動くかもしれない……。いずれにせよ、ルーキーたちが大学ラグビーの経験を糧に、将来のラグビー日本代表の中軸を担う選手へと成長してほしい。

※※※なお関東大学ラグビー対抗戦A、リーグ戦1部は今年もJ SPORTSで全試合、放送・配信される

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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