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「オールブラックス」ことラグビーNZ代表の事実上のセレクションマッチ、「北島対南島」のスコッド発表!

斉藤健仁スポーツライター
「北島対南島」のセレクションマッチを経て、新しいオールブラックスが決まる!(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 8月18日(火)、8月29日(土)(※9月5日に延期)に行われる、事実上「オールブラックス」ことニュージーランド代表のトライアルマッチにあたる北島対南島の「インターアイランドマッチ2020」のスコッドが発表された。

※8月21日追記:新型コロナウィルスの影響でオークランドベースの選手14人、スタッフ5人がウェリントンに出発できず。8月24日のNZ政府の決定より、今後の予定が決まるという。

 ニュージーランドにおける「北島対南島」の選抜チームの対戦の起源は1887年と古く、1902年から1985年までは戦時中の2度の中止以外は毎年行われていた伝統の一戦である。今年は新型コロナウィルスの影響もあり、日程的に余裕が生まれたことで2012年以来の開催となった。過去80試合行われており、対戦成績は北島がリードしており、50勝27敗3分である。

 北島、南島のそれぞれのスコッドは、今年から新しくオールブラックスの指揮官に就任したイアン・フォスターHC(ヘッドコーチ)、コーチのグランド・フォックス、ジョン・プラムツリーが選んだ。フォスターHCは中立的な立場で視察し、プラムツリーとスコット・マクラウドコーチが北島を、ブラッド・ムーアとグレッグ・フィークコーチが南島の指揮を執る。

 選手たちは、初めてプロフェッショナルレベルである地区代表(州代表)に選ばれたチームで北島と南島に分かれる。そのため、兄弟でも兄のSOボーデン・バレットは北島、弟のFBジョーディー・バレットは南島の選抜チームに選出されている。

 当然、8月16日にクルセイダーズの優勝で幕を閉じた国内5チームによる「スーパーラグビー・アオテアロア」のプレーを見て、オールブラックスのコーチ陣が選手を選出した。

「(選出された)選手たちは非常にハードワークをしてスーパーラグビー・アオテアロアでは卓越したラグビーを見せてくれ、国中の素晴らしい才能ある選手たちの姿に興奮しました。(この2つのチームにも)才能あふれる選手が集うので、ファンにとって最高のラグビーの祭典になるでしょう」(フォスターHC)

 北島のスコッドを見ると、アオテアロアで2位と調子が良かったブルーズの選手が中心となってきそうだ。アオテアロアでも目立っていたNO8ソトゥトウ、WTBクラーク、CTBウマンガ・ジェンセンらのノンキャップの選手が注目を集めそうだ。キャプテンはLOトゥイプロトゥが務める。

 南島のスコッドは、アオテアロアで優勝したクルセイダーズの選手たちが中軸を担いそうだ。得点王だったSOモウンガを筆頭に、6トライでトライ王だったWTBジョーダン、FBジョーディー・バレットら強力なBK陣が揃った。キャプテンは今年、パナソニックでもプレーしたLOホワイトロックが務める。

 SOバレット対SOモウンガの司令塔対決もファンの耳目を集めそうだ。

 当初はオークランドのイーデン・パークで開催される予定だったが、新型コロナウィルスの影響で、ウェリントンのスカイスタジアムで行われる見通しだ(21日、NZ政府の判断により決定)。なお日本ではJSPORTSで8月29日(土)の14時20分からライブで放送される。

◇北島のスコッド(NORTH SQUAD)

※()内はキャップ数、最初の地区代表チーム/現所属

HO

アサフォ・アウムア/Asafo Aumua (0,Wellington/ハリケーンズ)

アッシュ・ディクソン/Ash Dixon (0,Hawke’s Bay/ハイランダーズ)

カート・エクランド/Kurt Eklund (0,Auckland/ブルーズ)

PR

アレックス・フィダウ/Alex Fidow (0,Wellington/ハリケーンズ)

エイデン・ジョンスト/Ayden Johnstone (0,Waikato/ハイランダーズ)

アンガス・タアヴァ/Angus Ta’avao (14,Auckland/チーフス)

カール・トィヌクアフェ/Karl Tu’inukuafe (13,North Harbour/ブルーズ) 

オファ・トゥウンガファシ Ofa Tuungafasi (35,Auckland/ブルーズ)

LO

スコット・スクラフトン/Scott Scrafton (0,Auckland/ハリケーンズ) 

パトリック・トゥイプロトゥ/Patrick Tuipulotu (30,Auckland/ブルーズ) ◎主将

トゥポウ・ヴァアイ/Tupou Vaa’i (0,Taranaki/チーフス)

FL/NO8

ラクラン・ボシャー/Lachlan Boshier (0,Taranaki/チーフス)

アキラ・イオアネ/Akira Ioane (0,Auckland/ブルーズ)

ダルトン・パパリィイ/Dalton Papalii (3,Auckland/ブルーズ)

アーディー・サヴェア/Ardie Savea (44,Wellington/ハリケーンズ)

ホスキンス・ソトゥトゥ/Hoskins Sotutu (0,Auckland/ブルーズ)

SH  

TJ・ペレナラ/TJ Perenara (64,Wellington/ハリケーンズ)

アーロン・スミス/Aaron Smith (92,Manawatu/ハイランダーズ)

テトイロア・タフリオランギ/Te Toiroa Tahuriorangi (3,Taranaki/チーフス)

SO

ボーデン・バレット/Beauden Barrett (83,Taranaki/ブルーズ).

CTB

リエコ・イオアネ/Rieko Ioane (29,Auckland/ブルーズ)

アントン・レイナート=ブラウン/Anton Lienert-Brown (43,Waikato/チーフス)

ピーター・ウマンガ=ジェンセン/Peter Umaga-Jensen (0,Wellington/ハリケーンズ).

WTB/FB

ケイリブ・クラーク/Caleb Clarke (0,Auckland/ブルーズ)

ミチェル・ハント/Mitchell Hunt (0,Auckland/ハイランダーズ)

ダミアン・マッケンジー/Damian McKenzie (21,Waikato/チーフス),

セブ・リース/Sevu Reece (7,Waikato/クルセイダーズ)

マーク・テレア/Mark Telea (0,North Harbour/ブルーズ)

◇南島のスコッド(SOUTH SQUAD)

※()内はキャップ数、最初の地区代表チーム/現所属

HO

リアム・コルトマン/Liam Coltman (8,Otago/ハイランダーズ)

アンドリュー・マカリオ/Andrew Makalio (0,Tasman/クルセイダーズ)

コディー・テイラー/Codie Taylor (50,Canterbury/クルセイダーズ).

PR

ジョージー・バウアー/George Bower (0,Otago/クルセイダーズ)

アレックス・ホッジマン/Alex Hodgman (0,Canterbury/ブルーズ)

ネポ・ラウララ/Nepo Laulala (26,Canterbury/チーフス)

ティレル・ロマックス/Tyrel Lomax (1,Tasman/ハリケーンズ)

ジョー・ムーディー/Joe Moody (46,Canterbury/クルセイダーズ)

LO

ミッチェル・ダンシエ/Mitchell Dunshea (0,Canterbury/クルセイダーズ)

マナアキ・セルビー=リケット/Manaaki Selby-Rickit (0,Southland/ハイランダーズ)

サムュエル・ホワイトロック/Samuel Whitelock (115,Canterbury/クルセイダーズ)◎主将

FL/NO8

トム・クリスティー/Tom Christie (0,Canterbury/クルセイダーズ),

シャノン・フリゼル/Shannon Frizell (9,Tasman/ハイランダーズ)

ディロン・ハント/Dillon Hunt (1,Otago/ハイランダーズ)

リード・プリンセプ/Reed Prinsep (0,Canterbury/ハリケーンズ)

トム・サンダース/Tom Sanders (0,Canterbury/クルセイダーズ).

SH

フィンレー・クリスティー/Finlay Christie (0,Tasman/ブルーズ),

ミッチェル・ドラモンド/Mitchell Drummond (1,Canterbury/クルセイダーズ)

ブラッド・ウェバー/Brad Weber (5,Otago/チーフス).

SO

ジョシュ・イオアネ/Josh Ioane (1,Otago/ハイランダーズ)

リッチー・モウンガ/Richie Mo’unga (17,Canterbury/クルセイダーズ).

CTB

ブライドン・エノー/Braydon Ennor (1,Canterbury/クルセイダーズ)

レスター・ファインガアヌク/Leicester Faingaanuku (0,Tasman/クルセイダーズ) 

ジャック・グッドヒュー/Jack Goodhue (13、Canterbury/クルセイダーズ)

シオ・トムキンソン/Sio Tomkinson (0,Otago/ハイランダーズ)

WTB/FB

ジョーディー・バレット/Jordie Barrett (17,Canterbury/ハリケーンズ)

ジョージ・ブリッジ/George Bridge (9,Canterbury/クルセイダーズ)

ウィル・ジョーダン/Will Jordan (0,Tasman/クルセイダーズ)

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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