TL再開!8位と低迷する名門・東芝。後半節で意地とプライドを見せて14季連続トップ4入りなるか?

ボールキャリアでチームを引っ張る元日本代表主将FLリーチ(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

11月の1ヶ月間のウインドウマンス(代表活動期間)を挟み、12月3日(土)よりトップリーグ(TL)が再開する。今シーズンは、日本選手権やサンウルブズの準備期間を確保するために、トップリーグはプレーオフを行わず、リーグ戦のみで優勝を決定する(リーグ戦の上位3チームは日本選手権の出場権も獲得する)。

◆前半節はヤマハ発動機とサントリーが全勝

8月末から始まった前半節・9試合を連勝で駆け抜けたのが首位のヤマハ発動機ジュビロ(勝点43)、2位のサントリーサンゴリアス(勝点42)だった。後半節は6試合しか残っていないことを鑑みると、現実的には前半節2敗だった3位のパナソニックワイルドナイツ(勝点34)と4位の神戸製鋼コベルコスティーラーズ(勝点33点)、そして、わずかながらだが、5位のトヨタ自動車ヴェルブリッツ(勝点29)までが優勝の可能性を残していると考えていいだろう。

なお前半節で全勝のヤマハ発動機とサントリーは12月24日(土)に、静岡・ヤマハスタジアムで激突する。この試合が優勝を左右する一戦になることは間違いない。

◇2016-17シーズン 9節を終えての順位表

(上位8チーム)

1位 ヤマハ発動機 9勝0敗 勝点43 

2位 サントリー 9勝0敗 勝点42

3位 パナソニック 7勝2敗 勝点34 

4位 神戸製鋼 7勝2敗 勝点33

5位 トヨタ自動車 6勝3敗 勝点29

6位 NTTコミュニケーションズ 勝点26

7位 宗像サニックス 5勝4敗 勝点21

8位 東芝 4勝5敗 勝点19

◆8位と低迷する名門・東芝

前半節の順位表を見てもわかる通り、今シーズンは上位に、トップリーグ随一の名門で優勝5回を誇る「東芝」の名前がない。9試合を終えた時点で4勝5敗の8位と苦しんでいる。

東芝ブレイブルーパスと言えば、FLリーチ マイケルを筆頭にPR三上正貴、LO大野均ら昨年のワールドカップで活躍した選手も多く、11月の日本代表でもLO梶川喬介、FLマルジーン・イラウアが気を吐いた。またニュージーランド代表経験者であるFLリアム・メッサム、CTBリチャード・カフィ、WTBコリー・ジェーンも在籍する。

昨年度も東芝は準優勝だったように、14シーズン目を迎えるトップリーグで、唯一過去13シーズンすべてにおいてトップ4以上を維持し続けている。トップリーグで4位以上に入ることは東芝のプライドにもなっていると言えよう。

もちろん、今シーズンも東芝は優勝候補の一角と見られていた。そして開幕からクボタスピアーズ、NECグリーンロケッツ、キャノンイーグルスに3連勝し、幸先の良いスタートを切っていた。

しかし4節、ヤマハ発動機に6-40と大敗してしまう。この敗戦の影響もあり、続く宗像サニックスブルースにも黒星(●21-31)を献上。ホンダヒートには勝ったものの、7節から9節にかけて豊田自動織機シャトルズ(●22-27)、リコーブラックラムズ(●28-33)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(●29-34)に僅差で3連敗を喫してしまい4勝5敗と8位で前半節を終えた。

元日本代表キャプテンのFLリーチはやはりヤマハ発動機戦の敗戦の影響の大きさを感じていた。スクラムではほぼ対等に渡り合えたものの、ディフェンス、接点で後手に回り、攻撃が封じらてノートライに終わった。「(3連敗という)経験はしたことがない。あの負けは大きかった。本当なら自分たちの強みであるフィジカルで上回りたかったが、逆に圧倒されてしまった。次どうか勝つかわからなくなってしまった……」(リーチ)

チームを率いて3年目、東芝のOBでもある冨岡鉄平ヘッドコーチは、前半節最後のNTTコミュニケ-ジョンズ戦を終えた後、「2000年に入社していますが、こんなに負けた(5敗)経験はない。歴代の先輩たちが築き上げたチームが勝てないチームになってしまった。東芝が上位にいないのはファンをがっかりさせてしまう」と悔しさを露わにした。

◆なぜ今季、東芝は勝てないのか?

今シーズンのトップリーグでは、プレーオフトーナメントがなくなり、リーグ戦での1勝の価値の重みが増している中、「強みだと思っているところが出せていないのは事実」と冨岡ヘッドコーチが言うとおり、ブレイブルーパスはどうして従来の強さを発揮できなくなってしまったのか――。

・他のチームの強化が進んでいる中で、東芝の長所だったフィジカル、スクラムやモールといったFWの強さをやや出しづらくなったこと

・今シーズンから「特別枠」ができ、他の国の代表歴がなく、3年居住などの条件を満たし現在でも日本代表になれるor将来的に日本代表選手になれる外国人選手が1人出場することが可能になり、実質的に外国人枠が「2」から「3」に増えたこと

・東芝は日本代表だけでなく、男子7人制日本代表、サンウルブズに多くの選手を輩出し、チームとしての連携を取る時間があまり取れなかったこと

などが理由として考えられるのではなかろうか。

ただ、チームを率いて3年目の冨岡ヘッドコーチは、前半節を終えて「チームが上手く機能していない部分を洗い出して修正する必要がありますが、アタックもディフェンスも方向性が間違っていないことは確信している。(12月、1月に対戦する)強豪相手に強い東芝が帰ってこられるように、ウィンドウマンスを使いたい」と前を向いた。

前半節最後のNTTコミュニケーションズ戦はラインアウトの精度が悪く、試合を難しくしていた。それでも同じ試合でボールキャリアがしっかりと前に出ることさえできれば、東芝らしいトライが取れていた。CTB森田佳寿キャプテンが「アグレッシブさと我慢強さのバランスが大事」と分析していたように、歯車が噛み合えば、どのチームにも勝てる可能性は大いにある。

◆将来の東芝にとっても大事な6連戦

11月、東芝は後半節の初戦が鹿児島での開催ということもあり、恒例となっている鹿児島での合宿で攻守のブラッシュアップを行っており、残り6試合にすべてを賭ける。冨岡ヘッドコーチは「(後半節で)どういったインパクトを与えることができるか。日本選手権の出場(3位以上)は捨てていない」と気合いは十分だ。

もし東芝が6連勝することができれば、最大で勝点30を積み上げることができる。他のチームの兼ね合いもあるが、優勝は難しいものの、まだ14シーズン連続トップ4以上の可能性は残されており、もし、3位になることができれば日本選手権に出場することもできる。また東芝は上位争いをしている強豪との対戦も多く、その強さが戻ってくるとトップリーグがより盛り上がることは間違いない。

手負いの狼(ルーパス)が牙を剥くことができるか――「自信を取り戻すために、そして、未来の東芝を考えると重要なシーズンになる」と冨岡ヘッドコーチが言うように、12月4日から東芝の意地とプライドをかけた後半節が始まる。

◇東芝 後半節 試合日程

12月4日 東芝対コカ・コーラ (@鹿児島・鴨池)

12月11日 東芝対神戸製鋼 (@神戸・ノエスタ) 

12月18日 東芝対近鉄 (@大阪・ヤンマースタ)  

12月24日 東芝対トヨタ自動車(@東京・秩父宮) 

1月7日  東芝対サントリー (@東京・味スタ)

1月14日 東芝対パナソニック (@東京・秩父宮)

◇東芝 トップリーグの過去の戦績

2003年度 2位

2004年度 優勝

2005年度 優勝

2006年度 優勝

2007年度 3位

2008年度 優勝

2009年度 優勝

2010年度 3位

2011年度 3位

2012年度 2位

2013年度 3位

2014年度 3位

2015年度 準優勝

※トップリーグ通算 優勝5回、準優勝3回

※全国社会人大会 優勝3回、準優勝5回

※日本選手権 優勝6回、準優勝2回