日本代表から2点先制し「仮想コートジボワール」を演じたザンビア代表 愛称は「銅の弾丸」

6月7日、サッカー日本代表はアメリカのフロリダ州のタンパで、ワールドカップ(W杯)の初戦で対戦する「仮想コートジボワール」としてザンビア代表と対戦した。試合は日本代表がFW大久保大嘉人の決勝点で、4-3で勝利したが、ザンビア代表は2点先制するなど、見事な敵役を演じたといえよう。

FIFA世界ランキング46位の日本代表に対して、76位のザンビア代表だったが、決して弱小国ではなかった。それもそのはず、アフリカ王者を決める「アフリカ選手権(CAN)」の2012年大会では、ザンビアがガーナなどを破り決勝に進出し、決勝でもドログバなどを擁したコートジボアールを0-0からのPK戦の末8-7で破り、初優勝していた。

ザンビアは過去にワールドカップ出場歴も1度もなく、CANの決勝進出は1974年大会と飛行機事故の起きた翌年の1994年大会に次いで3度目のことだった。実は2012年のCANの決勝戦が開催されたガボンの首都リーフビルは、ザンビアにとっては特別な場所だった。1993年にザンビア代表の乗った飛行機が事故を起こし18人が亡くなった地で、故人の魂に捧げる快挙を達成していた。

ただ、その勢いをつなげることはできず、ブラジルW杯のアフリカ2次予選のグループDではガーナの後塵を拝し2位となり、初の本戦出場の夢は叶わなかった。

「ビクトリアの滝」で有名なザンビア共和国はアフリカ南部に位置する内陸国で、首都はルサカ。コンゴ民主共和国、タンザニア、マラウイ、モザンビーク、ジンバブエ、ナミビア、アンゴラ、ボツワナと8つの国に接する。国土は日本の約2倍の75万平方キロメートルで、人口は1300万人ほど。銅の生産国として世界シェア7位、アフリカでは第1位として知られ、日本の10円硬貨にも使用されているという。

ザンビアは旧イギリス領北ローデシアだった影響もあり、サッカーは盛んで、協会が設立されたのは1929年のこと(FIFA加盟は1964年)。エンブレム上部にも見られる、飛翔する国鳥サンショクウミワシ(アフリカンフィッシュイーグル)は、英領時代から使用されていたモチーフで、自由と困難を乗り越える象徴だった。当然、この鳥は1964年にイギリスからの独立後も、国旗、国、エンブレムにも用いられている国家的シンボルである。

ザンビアの国旗、右上の鳥がエンブレムにも見られる「国鳥」だ
ザンビアの国旗、右上の鳥がエンブレムにも見られる「国鳥」だ

ユニフォームの色は、緑を基調としつつ、赤、黒、オレンジの3色のストライプも合わさった国旗に由来する。独立解放を戦ってきた「統一民族独立党」の党旗が原型だった。緑は熱帯雨林と農産物、赤は独立を求めて戦ったものの血、黒は国民、オレンジは銅を中心とした豊富な鉱物資源を象徴している。

そのため銅を象徴するオレンジがホームユニフォームの色であり、代表チームの愛称は現在でも「チポロポロ(Chipolopolo)」、つまり「銅の弾丸」という意味だ。そんなザンビア代表が、近い将来、W杯本大会でも見られる日も近いのではなかろうか。