ライダーは「右コーナーが苦手」 この定説にはヒントがあった

右コーナーが曲がりにくいと感じるライダーは多い。

右コーナーは圧倒的に体が動かない

ライダーには右コーナーが苦手な人が多い。これは昔から実しやかに言われていることです。「8割のライダーは右コーナーが苦手」と以前にもコラムで書かせていただきましたが、スクールに参加してくる受講生を長年見ていると、やはりこれは事実のようです。

先週末もサーキットでスクールを開催し、そこでミニバイクを使った「ハングオフ&ヒザ擦り」のトレーニングを行ったのですが、皆さん左ターンは割とスムーズに上達していき何人かはすぐにヒザ擦りまでできるようになりました。ただ、それが右ターンになると途端に体が硬直して動きもぎこちなくなり、速度もライン取りもバラバラになってしまう人が圧倒的に多くなります。

要となるのはフォーム、体の動かし方

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「ハングオフ&ヒザ擦り」は重心移動の効果によって効率的にマシンを曲げたり、ヒザ下に装着したバンクセンサー(ニースライダー)を路面に当ててバンク角を知ることで、より安全にサーキット走行を楽しむための手段ですが、その要となるのがフォーム、つまり体の動かし方なのです。ちなみに様々な交通が入り乱れる公道では、ハングオフのような走り方は適していません。

興味深いことに、受講生の皆さんのフォームを観察していると、左コーナーは腰もイン側に大きくずらしてヒザも十分に開いている人でも、右コーナーでは車体のセンターにどんと座ったままヒザだけ中途半端に開いているパターンが多いです。当然、いくらバイクを寝かせてもヒザが路面に当たるはずもなく、無理やり擦ろうとして転倒してしまうケースも多々見受けられます。

右コーナーが苦手な理由とは

何故、右コーナーが苦手なのか、という問いに対してその理由と解決策を以前のコラムでもお伝えしましたが、今回新たな気付きがあったのでそれを記しておきたいと思います。

苦手意識の原因としては、「アクセルや前後ブレーキなどの操作系が右側に集中している」などバイクの構造的なことや、「日本は左側通行なので右コーナーは曲がりにくい」などの交通環境、コンビニなどの導線にみる「左回りの法則」などの生活習慣、「軸足は左が多い」など身体に起因することなどを挙げさせていただきましたが、今回とても納得感のある話をあるスキーインストラクターの方からお聞きしましたのでご紹介します。

スキーで外足のエッジに乗る感覚に近いかも

バイク乗りにはスキーが得意な人が多く、上級者ほどバイクライディングとの共通性を指摘する人が多いものです。それはターンのきっかけを作る際の抜重感覚だったり、旋回中に外足のエッジに荷重を乗せていく感覚などがバイクのコーナリングによく似ているのだとか。そのときに外ヒザを入れていくことから、私としてはタンクを外ヒザでプッシュしていく、いわゆる「外足ホールド」の感覚に似ていると思いました。

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そして、やはりスキーでも右ターンが苦手の人が多く、その原因は外足(この場合は左足)にしっかり荷重できていないからだそうです。何故そうなるのかというと、足も手と同様に右利きの人が多く、右足のほうが器用で踏ん張りやすいということでした。だから多くの人は左ターンが得意(右が外足になる)のではないか。もちろん例外もあるとは思いますが。

ちなみにスキーではブレーキをかけるほうの足が利き足で、例えば急にエッジを立てて止まるときに右足が谷側にくる人は右効きということでした。なるほど、自分もスキーをやりますが、言われてみるとそのとおりでした。

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人間は左回りの動作に慣れている

また、別のスポーツ選手に聞いた話ですが、サッカーではボールを蹴る足が利き足で支えるほうが軸足ということで、これも右キックの人が多いし、野球も右投げが多いですよね。柔道の背負い投げも相手を右肩に背負って投げ飛ばします。つまり、左足を軸にして左回りに体を旋回させる動作に人間は慣れているということではないでしょうか。いずれも軸足と利き足という関係から推測される説ですが、一理ありそうな気がします。

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右コーナーの苦手意識を克服する方法についても以前のコラムに書いているので参考にしていただきたいですが、分かりやすいスローガンとして自分のスクールの中でも「苦手と思う側は2倍動こう」とアドバイスしています。右コーナーが苦手ならば左コーナーの2倍ぐらいオーバーアクションで体を動かしてみてよ、大きなフォームを意識してみてよ、ということです。スムーズに大きな動きができるということは、すなわち“乗れている”という証ですからね。

さておき、じゃあ左利きの人はどうなのか、という話はまた今度あらためて調べるとして、時間のあるときに自分の身体の使い方について一度じっくり検証してみてはいかがでしょうか。ライディング上達への何かのヒントになるかもしれませんよ。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース