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まさにガンダム的世界観!HUDヘルメット時代がやってくる

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
▲「Man-sours」YouTube動画のスクリーンショット

今年になってHUD(ヘッドアップディスプレイ)やAIを搭載した高機能型バイク用ヘルメットが相次いで発表されている。かつてSF映画やアニメで見たような、マシンと一体化して人間の知覚を拡張していくAR(拡張現実)の世界がいよいよ現実化しようとしているのだ。

音声で360度視界や危険予測も

まずご紹介するのは台湾のスタートアップ、JARVISH社が開発したAI/HUD搭載ヘルメット「JARVISH」(ジャービッシュ)。クラウドファンディングにより目標額の5万ドルを1日で突破し製品化が決定、現在は35万ドルを集めるなどユーザーからの期待の大きさが表れている。

▲JARVISH
▲JARVISH

JARVISHは音声認識を活用し、ライダーの気を散らすことなく安全性を高める機能を搭載したスマートヘルメットだ。音声コマンドによりHUDに表示される情報をコントロール可能で、方向指示や交通、気象状況の把握、行く先の危険の警告、通話などが可能である。

上級モデルにはフロント/リアカメラが装備され、走行中に360度の視界を得ることもでき、記録した映像を楽しむだけでなくアクシデント検証にも有効。また、GPSナビゲーションを使用すれば、道に迷うことなくライディングに集中できるし、もちろん電話したり音楽を楽しむこともできる。

素材はカーボンファイバー製で、上級版でも1.7kgと軽量かつ防水仕様。アプリを通じて、道路スリップ警告や危険セクション警告、渋滞通知なども可能という。PV動画では、ブラインドコーナーの向こうにいる対向車の危険をアイコンで表示するシーンが出てくるが、それはまるで敵の襲来を知らせるモビルスーツのコックピットのようだ。

JARVISH SmartHelmet

販売についてはクラウドファンディングの募集終了となる1月12日まで早割特価で、基本モデルのXは75,800円(税込)、上級モデルのX-ARは155,800円(税込)。それ以降もそれぞれ120,800円、234,800円の通常価格で販売されるとのこと。けっして安くはないが、付加価値を考えれば法外とも言えないだろう。

SHOEIも新型スマへルを共同開発

もうひとつは自動車計器メーカーのNSウエストがつい先頃、米国の家電見本市「CES2019」で発表したAR対応のスマートヘルメット「IT-HL」(仮称)だ。これはSHOEIとの共同開発によるもので、帽体は既存モデルをベースにモディファイを加えているようだ。実績のある世界的な大手ヘルメットメーカーとの協業により、安全性や空力性能、快適性などを含めたトータルでの信頼性を担保していることが大きなメリットと言える。

▲IT-HL
▲IT-HL

HUDについては、現状ではヘルメット内の右目の前方に設置された小型のハーフミラーに情報を投影する仕組みのようだ。スマホと連動して音声と映像によるナビゲーションなども可能となっている。

画像

クルマの自動運転化が進み、人と道路と自動車が情報の受発信を行うことで交通事故や渋滞などを解決することを目指すITS(高度道路交通システム)が普及する未来においては、2輪にもスマートヘルメットが必須アイテムとも考えられる。情報過多がライディングに及ぼす影響も無視できないが、それも含めて安全で快適なバイクライフをサポートしてくれるギヤとなることを期待したい。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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