PCXエレクトリックに初試乗 スペックに表れない「速さ」と「気持ち良さ」 にEVを実感

HONDA PCX ELECTRIC

モバイルパワーパック2個でパワフルな走り

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ホンダが、11月末から企業や個人事業主向けにリース販売を開始した「PCX ELECTRIC(エレクトリック)」の発表試乗会に参加してきた。

PCX ELECTRICは現二スクーターの人気定番モデル「PCX」をベースに、新開発のコンパクトな電動パワーユニットを搭載したEVモデルである。低速トルクに優れる新開発のIPMモーターに48Vの着脱式リチウムイオンバッテリーの「モバイルパワーパック」を2個シート下に設置し直列96Vシステムとして使用。パワフルな走りと一充電あたり約41kmの航続距離を実現している。

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充電は車体に付属しているプラグコードを使用して外部電源に接続する方法と、モバイルパワーパックを車体から取り外して専用充電器でチャージする方法の2タイプを採用し利便性を高めた。フル充電までの時間はそれぞれ約6時間、4時間となっている。なお電源は家庭用などで一般的なAC100V対応だ。

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最高速度60km/h、フル充電で50キロ走行

車体面ではモバイルパワーパックをシート下に収めつつ、後輪の可動スペースも確保するためホイールベースを65mm延長しているが、ハガータイプの専用リヤフェンダーを採用することでPCX同等のコンパクトな全長を実現。

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フレームの基本構造はPCXと共通だがパワーユニットまわりを専用設計とし、見た目の差別化とともにEVならではの上質な乗り心地を追求。ブレーキにはフロントのみが作動するABSを採用。車体色にはEVらしいブルーを強調した専用カラーを採用した。なお回生システムなどは採用していない。

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スペック的には最高速度は60km/h強、一充電での走行距離も前述のとおりと原二スクーターとしてはやや物足りない気もしないではないが、これも投入予定国でのユーザー調査を反映した結果という。

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実際の走行に近いWMTCモードでは約50kmの後続距離を確保できるが、この数値はリサーチ国における8割以上のユーザーの1日当たりの実用距離をカバーできるそうだ。

リース販売から開始、シェアリングやレンタルも

まずは企業や個人事業主に向けてリース販売という形での利用を進める。価格はリース会社によるが約80万円程度になりそうだ。

また、一般ユーザーから意見・要望などの情報収集をするためにモニタリングを実施するほか、首都圏におけるシェアリングや観光地でのレンタルサービスの実証実験を2019年春から開始する予定だ。

スペックでは計れないEVならではの加速と静かさ

さて、短い試乗時間の中で感じたことを率直にお伝えしたい。エレクトリックはガソリン車のPCXと比べると後輪まわりがスッキリしているが、基本デザインは同じなので視覚的なインパクトは大きくない。だがサウンドを聞くと「あれっ」と気付くはず。4輪EVやPHVで聞き覚えのある“キーン”というあのモーター音だ。

そしてエレクトリックを読み解くカギはスペックにある。スペック上では最高出力はガソリン車のPCXの半分しかないため、それだけ見るとガッカリする人もいるかもしれない。だが、注目したいのは最大トルクでPCXのなんと1.5倍もあるのだ。これがエレクトリックの特性を表している。発進からの加速は想像していたより強力でトップスピードにもあっという間に達する。

EVは元々トルクの立ち上がりが素早いだけでなく、通常のスクーターのように遠心クラッチを介していないこともあり反応が非常にリニアなのが特徴だ。

コーナリングについても、いつでもトルクが取り出せるEVならではの特性のおかげで安定している。アクセルと後輪がダイレクトにつながっている感じがして低速ターンでも扱いやすかった。そして何よりも静か。微かなモーター音と風切り音だけが聞こえてくる不思議な感覚が新鮮で気持ちいい。

ハンドリングも軽快で乗り心地も良い

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また、1個10kgのパワーパックを2個積んでいるため車重も144kgとPCXより14kgも重いが、ガソリン車であれば本来はエンジンや駆動系、マフラーなどで占められているパワーユニットまわりがEV化によって軽量化されているため、バネ下が軽くハンドリングも軽快。

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これによりリヤサスペンションの吸収性がよくなり、EVらしいスムーズな動力フィールに加え乗り心地もより一層快適になっているわけだ。

コミューターとしての未来を実感

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前述したように最高速度が60km/hという点は人によっては幾分残念な感じも持つかもしれないが、実走すれば分かるが加速がいいので気にならないし、そもそも高速道路には乗れない現二スクーターでそれ以上の速度はあまり必要ではないはずだ。

あくまでも、手軽で便利なコミューターとしての価値で考えると十分だし、それ以上に今後のEVとしての進化を含め未来を感じさせてくれるモデルと思う。

まだ第一弾だ。さらに改良されていつか一般ユーザー向けに販売される日を楽しみにしたい。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース