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イタリアの古豪モトグッツィが放つ本格派アドベンチャー「Concept V85」に期待!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
MOTOGUZZI Concept V85

未来に向けて始動した新世代モデル

EICMA2017でモトグッツィが意表を突いて発表したのは現在開発中のアドベンチャーツアラー「Concept V85」である。

モトグッツィでは2021年の100周年に合わせて、今後ラインナップを充実させていく計画らしい。その中でConcept V85はモトグッツィの未来に向けて始動した新世代のモデルで、位置づけとしてはかつてのアドベンチャーツアラー「Stelvio」の後継と見なされている。

現行のV7&V9シリーズとカリフォルニア1400カスタムの間を埋めるミドルクラスのモデルになると考えられる。

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唯一無二の縦置きVツインエンジン

Concept V85のために新設計されたエンジンは80 HPの最大出力を持つ伝統の縦置き空冷90度V型2気筒850ccで、低速域での味わい深いパルス感と高速域でのパワーを両立している。

現行モデルにおいて唯一無二とも言える縦置きVツインのレイアウトは威風堂々とした見た目の美しさとともに、現代的に洗練されたパフォーマンスも期待できそうだ。

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Concept V85はイタリア・マンデーロの本社工場で製造され、新開発のエンジンはパワーと信頼性の大幅な向上によって、日常域からロングツーリングまで乗り心地と走る楽しみを実現するという。

クラシックなスタイリングとオフロードの世界を融合

あまり知られていないが、モトグッツィはかつて1939年にオーストリアで開催された6デイズエンデューロで4個の金メダルを獲得。1985年にはV65 Bajaで、翌年にはV75 Bajaでパリダカールに参戦するなど、かつてはオフロードレースにも積極的に参加し、スタンダードモデルでのタフな性能と信頼性を証明してきた歴史がある。

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特徴的なLEDツインヘッドライトや巨大な燃料タンクは、そのパリダカマシンを彷彿させるデザインで、1996年のNTX 650と1989年のQuota 1000にも採用されていたハイフロントマッドガードを装備するなど、クラシックなスタイリングとオフロードの世界を融合させているのが特徴だ。

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パリダカ譲りのオフロード性能と一般道での快適性を両立

フレームは完全新設計の鋼管トラス構造で、エンジンを強度メンバーとするデザインとし、オフロード走行を想定した堅牢さとフィードバックを持たせているという。美しい非対称のアルミニウム製スイングアームは左側に湾曲した形状とすることで、エキゾーストシステムのコンパクトな取り回しにも貢献している。

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また、スイングアームの右腕には新設計シャフトドライブのトランスミッションを装備。別体式リザーバータンクを持つオーリンズ製のカンチレバー式モノショックを車体右サイドにレイアウトする独特の構造となっている。これにより、油圧プリロードと減衰力の調整が容易になっていることもポイントだ。

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また、フロントサスペンションは倒立式で、エンジンとのクリアランスを大きくとることで、一般道での快適性とオフロードにおける余裕のホイールトラベルを実現。ブレンボ製のラジアルマウントキャリパーがダブルディスクとともに装着されるなど、足まわりも充実している。

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ロードスター、スポーツモデルも登場か

情報筋によるとConcept V85の発売は2019年で、他にも同エンジンを搭載したロードスターモデルやスポーツモデルが控えているらしい。続報に期待したい。

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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