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カワサキ新型「Ninja250/400」試乗速報 回せる250とトルクの400、ともに完成度高し!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
KAWASAKI Ninja250

先週、カワサキ2018ニューモデルのメディア向け試乗会が大分県のオートポリスで開催された。来春からの国内発売に先駆けて、新型Ninja250/400の海外仕様に試乗する機会を得た。

さっそく速報でレポートしたい。

震災復興を願いオートポリスで開催

阿蘇山の麓、九州を代表するサーキット、オートポリスにやってきた。全長約4.7km、高低差52mという国際規格のタフなテクニカルコースだ。我々取材チームは東京からなのでアクセスが大変なのだが、カワサキによるとこの地でやる理由については熊本地震の復興支援の意味合いもあるとのこと。

見渡すと、まだ大規模な修繕工事をしている最中の建物が目に入り、震災の爪痕の大きさを実感した。一日も早い復興を祈願しつつ、レザースーツに袖を通した。

エンジン以外、見た目も中身も瓜二つ

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ピットにはカワサキ2018モデルの目玉とも言える最新モデルが集結していた。中でも目立っていたのがKRT(カワサキレーシングチーム)カラーに彩られた2台のマシン、東京モーターショーでも注目された新型ニンジャ250/400だ。

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▲Ninja250

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▲Ninja400

近くでも見分けがつかないほど瓜二つのスタイルとカラーで、違いと言えばサイドカウルに記された排気量を表すデカールとサイレンサーの長さぐらい。

それもそのはずで、250と400はプラットフォームを共有化した兄弟車なのだ。

クラス最強39psに最新スペックの車体

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ZX-10Rを思わせるエッジの効いたボディラインに生まれ変わった新型ニンジャは車体とエンジンなどすべてが新設計となり、250については水冷並列2気筒249ccから最高出力39psを実現。

スチール製トレリスフレームの改良とロングスイングアーム化、前後サスペンションやブレーキなど足まわりを強化しつつ、車重は7kg軽量化されるなど現行クラス最強スペックが与えられている。

そして、共通の車体にボア×ストロークをともに拡大したエンジンを搭載する400は、最高出力45psを発揮するアグレッシブなモデルに仕上げられた。

■高回転パワーとスポーティさに磨きをかけた250

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ニンジャ250は従来型と比べてライポジはやや前傾かつスリム化された。エンジンも新型ではより高回転まで回るようになり、ホームストレートでは最後のひと伸びが上乗せされている感じ。

従来は大柄だった車体も軽量・コンパクト化されたことでハンドリングもより軽快感が出た上に、キャスター角が立てられるなど乗り味もよりスポーティになっている。

400を前提とした高剛性の車体としっかりした足まわりにも支えられ、高速コーナーでも安心してスロットル全開にできるなど、従来モデルのキャラクターを踏襲しつつ全体的にパフォーマンスが底上げされた印象だ。

■6割増しのトルクが生む余裕の加速が魅力の400

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一方のニンジャ400だが、跨っただけでは250と正直区別がつかないのだが、発進直後からエンジンの力強さが違う。

ひと際太い排気音とともにトルクの大きさが伝わってきて、250のように回さなくても十分な加速が得られる。それもそのはずで、パワー的には6psアップだがトルクでは実に1.6倍強も上回っているのだ。

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特にコーナー立ち上がりや登りのセクションでは加速力の差となって表れる。余裕のある車体や足まわりがその上乗せ分をしっかり支えてくれるし、タイヤも250よりワンサイズ太いラジアル仕様のため、コーナリングでの安心感も高かった。

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詳しいインプレッションについて後日、動画とともに掲載する予定なので楽しみにしていただきたい。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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