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【東京モーターショー2017】デカくなった新型「モンキー125」が目指すものとは!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA MONKEY 125

つい先日、生誕50周年記念モデルをもって生産終了となったモンキーは記憶に新しいところ。モンキーが買えなくなる、ということで焦ったファンによる問い合わせも多数寄せられたようだ。

そういった経緯もあり、今回の東京モーターショー2017で初お目見えした新型「モンキー125」には複雑な思いを持ったファンも多いことと思う。

レジャーバイクの先駆けだった初代モンキー

自分はモンキーのコアなファンではないが、知り合いの中には途方もない情熱とお金をかけてカスタムしている人もいた。歴史も長いだけに、カスタムパーツも豊富にあってエンジンを含めて丸ごと一台作れてしまうほどだ。

モンキーは元々、子供用の遊具として開発されたもので、小さなタイヤが付いた超コンパクトな車体に50ccエンジンを積んだ可愛らしいデザインが多くのライダーの心を鷲づかみにした。手でノブを回せばハンドルが折り畳めてクルマのトランクに積み込めるという発想も画期的で、レジャーバイクの先駆けとなったことも有名だ。

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▲1961年発売の初代モンキー

その後、サスペンションなど足まわりの変更やFI化などの改良を受けつつ、ゴリラをはじめとする派生モデルを生み出しながら今日までデビュー当時の姿のまま生き永らえてきたが、一連の排ガス規制の影響を受けて終了となったことは周知のとおりだ。

イメージそのまま大柄でスタイリッシュに

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デカい!ホンダブースのけっこう目立つところに鎮座していた「モンキー125」を見た第一印象だ。従来に比べるとおおよそ1.5倍ぐらいのサイズ感で、昔の面影を残したまま子供から少年に成長したような感じだ。

エンジンはグロム系の空冷4スト横型単気筒OHC125ccで、ということはおそらく4速ミッションと考えられる。

細かいところを見ていくと、前後ホイールが鉄製の8インチからアルミキャスト製の12インチに拡大され、前後ブレーキもドラムからABS装備のディスクタイプへ、フロントフォークも倒立タイプとなり、メーターもフル液晶に、ヘッドライトなどの灯火類もLEDタイプへとグレードアップされている。

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どこから見てもモンキーなのだが、すべてがカッコ良くリファインされているところがググッとくる。今流行りのヘリテイジというワードで語るなら、元祖モンキーを現代的に解釈したモデルとも言えそうだ。

移動手段としても便利で楽しめるものへ

開発者を捕まえて話を聞いてみたが、従来のモンキーはTOYバイク(玩具バイク)的な位置付けだったが、新型ではデザインイメージはそのままに移動手段としても普通に使えるファンバイクに仕上げたという。

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自分でも実際に跨ってみたが、ほとんど車格もグロムと同程度の感じで、よりアップライトなハンドルとフカフカのシートが快適な走りを予感させてくれる。

従来モデルは50ccで前後8インチの小径タイヤにドラムブレーキ、簡易的なグリース式フォークということで、混合交通の中で流れに乗るのはちょっと厳しい感じもあったが、新型では安全性も向上していることがうかがえる。爽快な走りも含めてモンキーの世界観を楽しめるモデルを目指したと言えそうだ。

市販化は反響次第か!?

半世紀の歴史を持つ偉大な名車がまたひとつカタログから消えたことは寂しいが、ともあれ、そのスピリットを受け継ぐ新たなモデルとして「モンキー125」が復活したことは素直に喜びたい。

否、正確に言うとコンセプトモデルなので、まだ発売されると決まったわけではないが、この完成度を見る限り市販化はほぼ間違いないかと。

ユーザーからの反響次第で最終的に決まるらしいので、欲しい人は声を大にしてホンダにそう伝えてみてはいかがだろう。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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