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イタリア版“白バイ”がむちゃカッコいい! 「ムルティストラーダ1200」が国家治安警察隊に採用 !

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

先週、ドゥカティの「ムルティストラーダ1200 S」および「ムルティストラーダ1200エンデューロ」が、イタリアのカラビニエリ(国家治安警察隊)に正式採用されたというニュースが伝えられました。

5月26日~27日にかけてシチリア島のタオルミーナで開催されたG7サミットでデビューしたとのことで、日本から出席していた安倍総理やトランプ大統領の警護を務めたことになります。

世界の首脳が一堂に会する重要イベントでの活躍となり、ドゥカティにとっても大変鼻が高いことでしょう。ちなみにカラビニエリとは軍警察とも訳され、一般の警察とは別組織となる精鋭部隊です。

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エリート部隊に相応しい特別仕様

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今回カラビニエリに採用されたムルティストラーダは今後、ローマやミラノをはじめとするイタリアの大都市に配備され、緊急対応および治安維持サービスの強化に努めることになるそうです。

これらのムルティストラーダには専用装備が搭載され、カラーおよびロゴもカラビニエリ仕様に変更。スピーカーやサイレン、灯火類、車両無線の他、銃器も装着できるようにモディファイされているのだとか。

黒塗りの車体にブルーの警告灯、特製フレームガード、そして「CARABINIERI」のロゴなど、エリート部隊に相応しい装備とデザインで、写真を見るだけでもワクワクしてくる精悍なカッコ良さが伝わってきます。

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ベースは究極の万能マシン

ムルティストラーダ1200Sは”4 bikes in 1”(4種類のバイクの性能が1台に集約されている意)をコンセプトに、「アーバン」「ツーリング」「スポーツ」「エンデューロ」の4つのライディングモードを搭載した究極のマルチパーパスマシンです。

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スーパーバイク由来の高性能水冷V型2気筒エンジンは、連続可変バルブタイミング機構(テスタストレッチDVT)の採用により、最高出力160馬力のパワーとワイドレンジの大トルクを発生。

最新のボッシュ製慣性プラットフォームを搭載し、コーナリングABSやトラクションコントロールの他、通称“スカイフック“と呼ばれるセミアクティブサスペンションを装備することで、あらゆるシチュエーションで安全・快適かつパワフルな走りと抜群の走破性を発揮します。

大型スクリーンやハンドガード、パニアケースも装備され、快適性や積載性が高いこともポイントでしょう。

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ムルティストラーダは世界的なトレンドでもあるアドベンチャーモデルの代表格のひとつですが、特に「ムルティストラーダ1200エンデューロ」はフロント19インチのスポークホイールとロングストロークサスペンションを装備した本格的なオフロード仕様で、さらに過酷な状況でも走破する性能が与えられています。

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公道レースでも実力を発揮

つまり、スーパースポーツ並みの動力性能とエンデューロモデル並みのオフロード性能を兼ね備えたマシンということです。ちなみに米国・コロラド州で毎年開催されている伝統的なヒルクライムレース(ワインディングを駆け上る公道タイムトライアル)である「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」において、ムルティストラーダ1200Sは4連覇の快挙を成し遂げるなど、ストリートファィトにおける実力も証明済みです。

日本では交通機動隊の”白バイ”と似た役割を担う警察車両ですが、こうして見るとまさに要人警護や緊急対応などの任務に最適な資質を生まれ持ったモデルと言えそうですね。

今回の導入により、少しでも犯罪やテロの抑止力につながればと願いたいところです。イタリア市民の守り神となったムルティストラーダ・カラビニエリの活躍に期待しましょう。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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