Yahoo!ニュース

“毎日乗っても使いやすくカッコいい” !スズキから新型150スポーツ「ジクサー」登場

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
SUZUKI GIXXER

スズキのニューモデル、「ジクサー」の発表会が都内で行われた。「ジクサー」は150ccクラスの軽量ロードスポーツモデルである。

2014年にインドで生産・販売を開始し、アジアや中南米向けを中心に輸出しているが、インド本国では13の部門でバイクオブザイヤーを受賞するなど非常に高い評価を受けている。

その現地生産モデルをベースにFI化や品質確保のための各部改良を施し、日本向けに仕上げたモデルということだ。

「毎日乗っても使いやすくカッコいい」をコンセプトに、走行性能はもちろん、スポーツバイクとしての佇まいや細部まで造形処理をこだわったという。

▲発表された「ジクサー150」
▲発表された「ジクサー150」

専用設計エンジンを日本向けにFI化

エンジンは専用設計の空冷4ストSOHC単気筒154ccで徹底的にフリクション低減や燃焼効率の向上が図られた「SEP」(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンを採用。

これを軽量高剛性のスチールフレームに搭載することで、力強い加速と優れた燃費性能を実現している。

画像

ちなみに最高出力は10kW/8,000rpm、最大トルク14Nm/6,000rpmを実現。

FI仕様とし、国内新排出ガス規制にも対応するなど日本向けに対応している。

コンパクトなエンジンと軽量なスチールクレードルフレームの採用により、装備重量135kgと原付2種並みのライトウエイトを実現。

また、GSX-S1000などスズキの大排気量スポーツモデルと共通イメージのボリューム感のある流麗なラインを持った、スポーティなスタイリングが特徴となっている。

ワンランク上の装備とクオリティを実現

画像

足回りも大径φ41mm正立フロントフォークと7段階調整式のシングルショック、前後ブレーキに大径ディスク、後輪に140サイズのラジアルタイヤを採用。

タンク容量も12Lということで低燃費と合わせて長距離ライディングを実現する。

さらに、メーターにはRPMインジケーターやギヤポジションインジケーターを装備した豪華なフルデジタル表示の液晶多機能メーターが奢られるなど、ワンランク上の充実した装備でまとめられている。

画像

また、カウルと一体化したグラブバーやLEDテールランプによるシャープでコンパクトなリヤまわり、ショートタイプのサイレンサーに2つの排気口を設けたデュアルタイプマフラーなど上級モデル並みの洗練されたデザインも魅力だ。

画像

日本向けに改良された部分としては、FI化の他にタイヤの銘柄を現地ブランドからダンロップ製とし、リヤブレーキをドラムからディスク化するなど、国内交通環境に合わせて走行性能を確保。

冬場のある日本の気候に合わせてスタータークラッチを強化するなどの対応が施されている。

こうした仕様変更も含めて、価格も31万6,440円と原2並みということで、コスパ的にも非常に魅力的なモデルと言えよう。

150ccスポーツの開拓者になれるか!?

画像

実際に跨ってみた印象としては、250cc並みの余裕のある車格でありながら、スリムで足着きも良く、アップライトなハンドルバーと厚みのあるシートなど快適なライポジである。

画像

各部の作りも概ね洗練されていて、一部にコストカットも見られるものの全体的にはクラスを越えたクオリティに仕上がっていると思える。

150ccということで、これまで国内ではあまり馴染みのなかったクラスだが、世界的にみると今や主流になりつつある排気量帯。日本でも高速道路を走行できるなど、日常使いとファンライドを兼ね備えたクラスと言える。

ジクサーがミッション付き150スポーツのジャンルをどう切り開いていくのか期待したい。

画像

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

佐川健太郎の最近の記事