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街乗りから冒険まで。ホンダのあのコンセプトモデルが「X-ADV」として量産化決定!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA X-ADV

ホンダの提案する、新たなモーターサイクルライフ

ホンダが「X-ADV(エックス エーディーブイ)」を2017年の発売開始に向けて量産を決定したことを発表した。

昨年のEICMA2015(ミラノショー)に出品した「City Adventure Concept」をベースに開発を進めているニューモデルで、本年11月にイタリアで開催されるEICMA2016にて詳細が発表される見通しだ。

▲City Adventure Concept
▲City Adventure Concept

ホンダのリリースによれば、X-ADVは、アドベンチャースピリットにあふれるスタイリングと装備に加え、都市での快適な走行と利便性を高次元で融合させた、新しいジャンルを目指したモーターサイクルとのこと。アップライトなライディングポジションと衝撃吸収性に優れた前後サスペンションなどによって、未舗装路の走行にも考慮している。

5段階に調節可能なウインドスクリーンや、フルフェイスヘルメットが収納できるラゲッジボックスを装備するなど、都市部での快適な走行と高い利便性も備えているのが特徴だ。

また、トランスミッションにはホンダ独自の2輪車用DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を標準装備し、今までにない新しいコンセプトとともに、新たなモーターサイクルライフを提案していくとしている。

なお、X-ADVのティザー動画「Every road is my road」がYouTubeで公開中なので、ぜひチェックしてみてほしい。

ガチなオフ走りも楽しめる予感

さて、ここからは考察。

Every Road Is My Road(すべての道は自分の道)という過激なタイトルのとおり、映像でもフラットダートを結構なスピードでテールを流しながら疾走する姿はなかなか刺激的である。

一見、スクーターチックなフォルムではあるが、よく見るとワイヤースポーク仕様の大径ホイールにオン・オフタイヤを装備。倒立フォークとリンク式モノショック&極太アルミスイングアームの組み合わせが本格的な走りのポテンシャルを主張している。

街中を流している日常的なシーンの中でも、石畳の凹凸を吸収しながらストロークする長い前後サスペンションと豊富なロードクリアランスが見て取れる。

ちなみに東京モーターサイクルショーでお披露目された「City Adventure Concept」では、フロント120/17、リヤ170/15、とタイヤも一般的なロードスポーツモデルに匹敵するサイズだった。つまり、雰囲気だけのモデルではないということだ。

▲City Adventure Concept
▲City Adventure Concept

ティザー動画には実はそのモデルのコンセプトを伝えるいろいろなメッセージがサブリミナル的に織り込まれているものであり、そこをつぶさに観察してみると面白い。

短いカットでエンジンノイズが聞こえてくるが、排気音からもおそらく並列2気筒で排気量もけっこう大きいはず。公式スペックは未発表だが海外メディアなどによると、NC750系の水冷並列2気筒が使われているとの情報もある。

大雑把に表現するならば、従来の「インテグラ」にオフロードテイストを加えて現代的にアップグレードした感じだろうか。あるいは、アフリカツインのコミューター版か……。

都市型コミューターとアドベンチャーの融合
都市型コミューターとアドベンチャーの融合

「市街地のライディングにアドベンチャーのスピリットを取り入れた」という当初のコンセプトモデルから始まり、蓋を開けてみるとけっこうガチなオフ走りも楽しめる完成車となって市販される予感あり。まずはEICMA2016でのアンベールが楽しみだ。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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