「配車アプリ+バイタク」が世の中を変える!? バイクタクシー日本での可能性は・・・
東南アジアで急速に浸透しつつある「バイクタクシー+配車アプリ」
最近の新聞記事でも取り上げられていましたが、東南アジアでバイクタクシーが大流行りだとか。世界中で急速に浸透しつつある「配車アプリ」の普及がその後押しをしているようです。
元になったビジネスモデルは米国・ウーバーテクノロジーズ(Uber)が展開する、携帯アプリを使ったハイヤーの配車サービス。仕組みとしては、スマホから事前に無料アプリをダウンロードして、ユーザー登録を済ませておけば、いつでもどこでも呼びたいときにアプリを通じて場所と時間を指定するだけで、そこまでハイヤーが迎えに来てくれる、というものです。
Uberwではタクシーやハイヤーの配車だけではなく、個人の自家用車を使用したサービスも展開していて、実はそこが注目すべき点。 “仕事”を始めるのにライセンスは必要なく、料金のやりとりはクレジットガートを利用するため金銭トラブルの心配もありません。運転者と利用者が相互で「評価」される仕組みを取り入れているため、利用者はレビューを見て安心できるドライバーを自分で選べることもメリットです。また、クルマを所有する個人が空き時間に手軽に「収入」を得られることも魅力となり、こうしたサービスが世界中で広がりを見せているのです。
Uberで広がるバイクタクシーのネットワーク
交通インフラが未発達であるがために慢性的な交通渋滞に陥り、これが社会問題となっているインドネシアやベトナムの都市部。その中で、バイクの機動力とITテクノロジーを組み合わせた新たな交通手段が、人々のニーズと完全に合致し、「庶民の足として急速に発展している」という興味深い内容でした。
タイ・バンコクではすでに今年の初めから「UberMOTO」がバイク配車サービスを展開していますが、こうしたビジネスモデルに商機を見出した現地企業による同様のサービスが、近隣のアジア都市部で急速に発展しているというものです。
私も数年前にベトナムに出張したことがありますが、ホーチミン市などの都市部近郊での渋滞は凄まじいものでした。
信号のない交差点へ我先にと突っ込んで身動きができないクルマ。その隙間を縫って、小型バイクやスクーターがニョロニョロと進んでいくのです。
2人乗りも多く、綺麗な服装をしてヨコ乗りするOL風の女性を後ろに乗せた、おそらくバイクタクシーだろう、と思われる風景もちょくちょく目にしました。ライダーもパッセンジャーもちゃんとヘルメットを被り、きちんと法規を守った安全運転をしている姿が印象的でした。
まだ配車アプリなど存在していなかった当時でさえその勢いですから、今ではさぞかしバイクタクシーも繁盛しているのだと想像がつきます。 記事によると、今や”バイタク”のドライバーは若者にも人気の職種だとか。これを商機ととらえた日本のバイクメーカーも、バイタク専用車両を開発したり、と新たなマーケットの創造にもつながっているようです。
広がる「バイタク」サービス。日本での可能性は
日本の現状を見てみると、東南アジアとはまた違った視点でのビジネスチャンスがあるようにも思えました。
たとえば、自分の足で出かけることが不自由になったお年寄り向けに、日帰り介護施設に送迎したり、代わりに買い物をして届けるようなサービスもありかもしれません。
バスで一軒ずつ巡回する時間的なロスや、お年寄りの負担、タクシーに一人で乗る場合のコストやエネルギー効率を考えると、”バイタク”はずっと便利で効率的かもしれません。
さらには、近所へ出掛けるための手軽な交通手段として、また、もっと積極的にレジャーを楽しむための足として、バイタクを指名することもあるかもしれません。配車にはスマホが必要ですが、これからの超高齢化社会ではスマホを使いこなす老人が増えてきても不思議ではありません。
また、ビジネス需要としても、タクシーがなかなか捕まらないエリアで仕事をしている人や、時間に追われる忙しいビジネスマンなどにも、低コストで小回りの利くプライベートタクシーとして案外ウケるかもしれません。
もちろん、実現するには専用アプリの開発の他、安全装備と快適性を強化した”バイタク”専用車両(見てみたい!)と、サービスを提供する側のドライバー教育をきっちり行うことは必須になるでしょうけれど。
「配車アプリ+バイタク」ビジネスの展望
現状では日本を含め、世界中でこうした配車アプリを活用したサービスと、既存のタクシー事業者などとの軋轢が生まれています。
日本では違法行為となる「白タク」と見なされるため、国もこうしたサービスに規制をかけざるを得ないなど、暗中模索している段階のようです。ただ、最終的には顧客が本当に望む商品・サービスだけが生き残る、というのが世の常です。
それを考えると、いずれは「配車アプリ+バイタク」が、街中を忙しく行き交う光景が見られる日も来るかもしれませんね。
※原文より筆者自身が加筆修正しています。