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【進化するツーリング】バイク用品の進化で最近はツーリングがますます楽しい!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

仕事のロケで中国・四国エリアにきています。絶景ポイントをめぐるバイク旅がテーマなのですが、あらためてバイクツーリングの楽しさを再発見しているところです。

バイクの進化 ー 最新技術で疲れにくい

ひとつはバイクの進化。最近では国産モデルでも大排気量化が進み、昔なら一部の輸入車か逆車でしか成しえなかった連続高速クルーズがいとも簡単にできるようになりました。

空力解析から生まれた優れたウインドプロテクション性能やオートクルーズ、ABS、トラクションコントロールなどの電子デバイスのおかげで、安全・快適にいくらでも距離を伸ばすことができます。

大馬力の高性能モデルは、かつてはそれを制御する人間のほうが大変でしたが、こうした電子デバイスや路面状況に応じてフレキシブルに設定を変えられるサスペンション、そして全方位的にグリップ性能が向上したタイヤのおかげで、荒れた道でも雨天でもそれほど苦もなく普通に走れますし、気持ちに余裕が生まれるので長距離を走っても肉体的・精神的にも疲れにくくなりました。

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ウエアの進化 - 体力と根性はもう要らない!?

ウエアの進化も大きいですね。防水・防風・防寒でしかも通気性があり、ライディングの自由度を高める伸縮性と万が一のプロテクション性能も求められるなど、現代のバイク用ウエアはまるで宇宙服、、、とまではいかずとも、安全・快適を目指す究極のウエアと言えなくもありません。最近では、万が一のアクシデントに備えたエアバッグ内装タイプまであります。

かつてはロングツーリングというと、体力と根性で走り続けるイメージもありましたが、高機能ウエアを身に着けていれば天候をあまり気にすることなく、街乗りからワインディング、高速クルーズまでいつでもどこでも快適です。

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パッキングツールの進化 - 2~3泊分の荷物もスマートに

パッキングも楽になりました。純正ツーリングバッグを積載することを前提に設計されたモデルも多くなり、リヤキャリアも機能的ですし、スポーツモデルにもフィットする社外品のバッグや完全防水のコンテナなど、今どきはさまざまな便利なアイテムが充実しています。

バッグの素材も耐久性が高くフレキシブルに容量も変えられるナイロン製や、軽量で空力デザインにも優れた樹脂製、頑丈で質感の高いアルミ製などいろいろ。用途に応じて容量・サイズも豊富に選べるようになりました。

昔のように、リヤシートにズタ袋を積んでゴム紐でぐるぐる巻きにしなくても、2~3泊分の荷物ぐらいなら美しくスマートにパッキングできてしまいます。

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コミュニケーションツールの進化 - 効率的で安全。仲間と楽しい!

コミュニケーションツールの進化も旅の楽しさを引き立ててくれます。特にマスツーリングに「インカム」は欠かせないものですね。インカムとはマイクとスピーカーが一体となったヘッドセット型の通話装置で、最近ではBruetooth搭載のワイヤレスタイプが主流になっています。携帯音楽プレーヤーやスマホとつないで好きな音楽を聞いたり、走りながら携帯電話の通話もできますし、グループ全員で同時に会話することもできます。

たとえば、目の前に広がる絶景の感動をその場でメンバーと分かち合うことができますし、道順などのナビ情報なども共有することで目的地への効率的で安全なアクセスが可能になります。

暗い夜道や雨などで心が折れそうなときでも、仲間とジョークで笑い飛ばして元気百倍です。

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記録媒体の進化 - 臨場感たっぷり!

ここ数年で凄い進化を見せているのがウエラブルカメラ。コンパクト化と高解像度化が一気に進み、臨場感たっぷりの迫力の映像を誰でも簡単に撮れるようになってきました。

バイク車載用にも便利なアタッチメントが豊富に出ていますし、編集アプリも充実。中にはカメラ本体に編集機能を搭載しているタイプまで登場するなど、日進月歩のウエラブルカメラの動向にも目が離せません。

旅の感動を写真や動画で残せて、それを仲間で簡単に共有できる時代になりました。万が一のアクシデントに備えて、ドライブレコーダーとして活用するライダーも増えているようです。

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夏に向けて快適なバイク旅を!

というように、人類の英知によって(といっては大げさかもしれませんが)、バイク旅はかくも楽しく快適なものになりました。もちろん、いろいろな困難を知恵と工夫で乗り切るのもツーリングの醍醐味ですし、昔ながらのアナログチックな旅も味わい深いものと思います。

夏に向けて、ぜひロングツーリングなど計画してみてはいかがでしょうか。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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