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ヤマハが誇る大陸横断スポーツツアラー「FJR1300AS/A」 が6速化しデザインを一新!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
YAMAHA FJR1300AS

ヤマハは長距離ツアラー性能とスポーツ性を兼ね備えたスポーツツアラー「FJR1300AS」および「FJR1300A」の新型を2016年7月25日より発売する。

6速ミッションとコーナリングライトを新たに搭載

新型ではツーリングを楽しむベテランライダーが、「よりダイナミックに走りを楽しむためのパートナーとしての熟成」をテーマに開発。5速だったトランスミッションをヤマハ初となる「セパレートドッグ構造」の6速へ変更し、ミッション自体の軽量化も実現。

外観もヘッドランプやテールランプまわりのデザインを一新し、ヘッドライトをLED化。フェイスもよりシャープなデザインへと進化、メーターも新デザインのマルチファンクションタイプとした。また、アシスト&スリッパークラッチをFJR1300Aに採用した。

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エンジンは108kW(147PS)/8,000rpm/minを発生する、水冷4スト直列4気筒DOHC4バルブ1297ccユニットを搭載。軽量鍛造ピストン、優れた放熱性を誇る直メッキシリンダーと低張力ピストンリング、またコンパクト設計に貢献するサイドカムチェーンや快適性をもたらす2軸バランサーなどを装備。

セパレートドッグ構造のコンパクトな6速トランスミッションは、現行サイズを維持したまま6速化を実現しつつ、約400gの軽量化も達成。全域で繋がりのよいギアレシオとした。また、ライダーの微妙な感覚に反応し、優れたドライバビリティを実現した電子制御スロットルを採用。

オン/オフ切り替え式のトラクション・コントロール・システムを備え、ツーリングに適した「Tモード」とスポーティな走りに対応した「Sモード」の2種類の走行を設定するなど、先進の電子制御テクノロジーもふんだんに盛り込まれている。

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また、ブレーキの油圧系を最適に制御してホイールロックを抑制するリニア制御ABSに加え、ライダーのブレーキ操作をサポート、優れたブレーキフィーリングとマシンの挙動安定化に貢献する、前後連動タイプのユニファイドブレーキシステムを装備。

外装面でも電動スクリーンやフロントカウル(アッパー&アンダー)、高速走行時の快適性に貢献するセンターエアダクトを装備するなど穏やかな居住空間を創出。タンデムツーリングにおいても優れた快適性を実現した。

その他にも、設定速度に戻して定速走行できるレジューム機能搭載のクルーズコントロールシステムを装備。ライダーの好みに応じて3段階・前後30mmの範囲で調整可能なハンドル、2ポジションで調整可能なメインシート、さらに12VDC電源内蔵の電磁ロックアクセサリーボックスや盗難抑止イモビライザーも装備するなど充実した旅の装備が特徴となっている。

電子制御シフト&サスペンション付きのASはコーナリングランプを新装備

一方、「ヤマハ電子制御シフト」を装備する上級モデルのFJR1300ASには、新機構としてバンク角に応じて照射エリアを広げるコーナリングランプを採用。ちなみに「YCC-S」と呼ばれる変速機構は、左足のシフトペダルと左スイッチボックスにあるシフトレバーで行い、クラッチ操作を省くことで快適性を追求しているのが特徴となっている。

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さらにFJR1300ASには電動調整サスペンションが搭載され、「1人乗り」「1人乗り+荷物」「2人乗り」「2人乗り+荷物」の4パターンで、フロント減衰力とリアのプリロードおよび減衰力を統合的にバランスさせる自動調整機構を採用。それぞれに「ソフト」「スタンダード」「ハード」から減衰力を選択するなど、トータルで84通りという幅広い調整が可能となっている。またフロントサスペンションは左右独立減衰力機構を備える倒立タイプが採用される。

欧州で鍛えられた本物の高速ロングツアラー

2001年から欧州向けに発売されている初代FJR1300は、その計画当初から”ヨーロッパ横断ツアラー”をコンセプトに開発が進められた高速スポーツツアラーである。巡航速度が高く移動距離の長い欧州では、タンデムで高速道路やワインディングを含めて1日数百キロペースで数週間かけて走破するツーリングスタイルも一般的だ。

その中で、長距離をハイペースで快適に移動するための高速巡航性能と、タンデムでもスポーツライディングを楽しめる盤石の安定性と俊敏な運動性能を高次元で併せ持つモデルとして、欧州でも非常に高い評価を受けているのがFJR1300である。

日本ではオーバースペックが故に比較的マイナーな存在ではあるが、欧州ではメディアが選ぶベストバイクなどで上位に食い込む常連でもある。

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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