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【渋滞緩和策に新料金制度】でもその前に個人ができることも!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

首都圏の渋滞緩和策として先日、国交省から高速道路の料金システム見直しの発表がありました。

3月に全線開通したばかりの中央環状線、そして外環道、圏央道を合わせたいわゆる「3環状道路」が東京オリンピック開催の20年までにほぼ完成することを受けて、大胆な料金制度改革を行うそうです。

現状では首都圏の高速道路は「定額制」と「距離連動性」がミックスした料金設定となっていますが、16年度からは出発と到着の地点が同じであればどのルートを通っても同一料金となるようです。これにより、遠回りしても空いている道を選ぶドライバーが増えて、結果的に渋滞緩和になるという考え方です。これは新東名などと同じですね。さらに20年頃には混雑したルートほど高い料金にして積極的な分散化を促す「ロードプライシング」を導入する予定もあるようです。

国交省の試算によると、渋滞によって日本人1人が1年間に失っている時間は40時間で、移動時間の4割にも上るとそうです。さらに渋滞による経済損失は11兆円に上ると言うから驚きです!

そう聞けば、渋滞対策は国家戦略の最優先課題と言っても過言ではないでしょう。もちろん我々ドライバーにとっても渋滞は不利益でしかありません。ただ、そのような大事業の前に我々一人一人ができることもある気がします。

たとえば、毎週末に必ずといっていいほど目にする事故渋滞。ただ、その多くが事故そのものより“見物渋滞”によって巻き起こされている感があります。たとえば、長い渋滞の末に事故現場まで辿り着くと、すでに事故車両は路側帯に移動しているのにそこで大減速している例をよく見かけます。

事故現場が近づいてきたときに興味本位でブレーキを踏んで、ジッと見るのはやめましょう。ブレーキランプが伝言ゲームのように波紋となって後続に伝わり、最後はなんでもないのにクルマが停止する羽目になってしまいます。

そこに後続が突っ込んでさらに2次災害に。渋滞になればバイクもすり抜けを始めるし、そこでクルマと接触してまた事故に・・・・・・という悪循環。事故を検分する側も現場を素早く何かで覆い隠すなどの工夫があってもよろしいかと。

ともかく、自分のちょっとした行動が渋滞の要因を作っているかもしれない、ということにもっと気を向けていきましょう。

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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