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【ヤマハ新型3気筒多目的モデル】ヤマハから新型マルチスポーツモデル「MT-09 トレーサー」が発売

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
「YAMAHA MT-09 TRACER ABS」

ヤマハは「MT-09」をベースに開発した新型モデル「MT-09 TRACER ABS(トレーサー)」を2月10日より発売する。

「MT-09 TRACER ABS(トレーサー)」は“クロスプレーンコンセプト"にもとづく846cm3の直列3気筒エンジンを搭載し、昨年センセーショナルなデビューを飾った「MT-09」のエンジンと車体を共有する派生モデルである。

これはヤマハが2013年から進めている中期経営計画の新たな取り組みとして“基本プラットフォームをベースにしたバリエーション展開の拡大"の一環であり、それを国内モデルに初めて展開したのが今回の「MT-09 TRACER ABS」ということになる。

「MT-09 TRACER ABS」の開発コンセプトは、“Sport Multi Tool Bike"。市街地走行からツーリングまで多用途でスポーティかつ快適な走りを実現しているのが特徴である。

ベースとなった「MT-09」との主な違いは、TCS(トラクションコントロールシステム)の導入とABSの標準装備化の他、レイヤー構造を取り入れたフロントカウルやハンドルカバー等によるツーリング時の快適性向上、高さ調整可能なハンドル・セパレートタイプシート・フロントスクリーン、視認性の高い多機能メーターパネル、フルLEDヘッドライトなどを装備。容量を4リッター増やした18リッター燃料タンク、12VDCアウトレットなども専用装備となっている。

スペック的には最高出力81kW(110PS)/9,000r/min・最大トルク88N・m(9.0kgf・m)/8,500r/minとも「MT-09」と変わらないが、元来のエキサイティングな乗り味は残しつつ出力特性はより扱いやすくツーリングにも適した特性に仕上げられているとのこと。また、車重が210kgとベースモデルに比べて19kg増加したことも踏まえ、前後サスペンションもより快適性を高めた専用セッティングが施されている。なお1次・2次減速比や6速ミッションの変速比などは「MT-09」と共通である。100万円を切る本体価格(税込104万7600円)も魅力だろう。

「MT-09」の持つ軽快な運動性能とダイナミックな走りを受け継ぎつつ、より安全性と快適性を高めることで守備範囲を広げたのがトレーサーと言えるだろう。高速ツーリングもこなせるマルチスポーツモデルとして期待できそうだ。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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