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「ブラックアイスバーン」が危ない!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト

最近、寒い日が続きますね。先週はアメリカ全土を記録的な大寒波が襲うなど、地球規模の異常気象と思えるような空恐ろしさを感じます。

さておき、朝方は都市部でも氷点下になる今日この頃。この時期、通勤やツーリングにバイクで出かける際に注意したいことがあります。皆さん、よくご存じの「路面凍結」です。気温がゼロ℃以下になると路面上にある水分が凍りつく現象のことで、日本では「アイスバーン」という言い方もされています。

凍結した路面が滑りやすいのは誰でも知っていますが、問題はその見分け方。雪や氷で白くなっていればすぐに分かります。たとえば、雪国でよく見られる「圧雪路」。雪が固く踏みしめられているため意外と滑りません。2輪でも車体垂直で足をバタバタ着きながらアイドリングでゆっくり走れば、なんとか通過できるかも。一方、路面に氷が張った状態の「氷盤路面」は物凄く滑るので、2輪ではABS付きでもまず走れません。

ただ、これらは見た目で危険と判断できるので、まだいいのです。一番タチが悪いのは「ブラックアイスバーン」。路面が薄い氷の膜で覆われる現象ですが、下が透けて見えるため一見、ウェット路面と勘違いしやすいのです。濡れた路面と同じように黒々として見えるため、そう呼ばれているそうです。特に夜間はヘッドライトに反射するため、ほとんど判別不可能です。

「ブラックアイスバーン」は昼に解けた氷が夜間に再び凍ったり、雨天後のウェット路面がそのまま凍ってなることが多いようです。したがって、山だけでなく都市部でも起こりえます。また、ビルの日陰や橋、高架道路なども凍結しやすい場所です。

可能であれば、危なそうな場所、時間帯は避けるのが最良でしょうが、そうもいかない場合は「疑ってかかる」ことが大事でしょう。場合によっては、一度バイクから降りて確かめることも。それ以前に潔くあきらめて、電車やバスで行く勇気も必要かもしれませんね(笑)。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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