世界最強を誇る米国にとって最も脅威に感じている国は巷間言われている大国の中国やロシアではなく、アジアの小国・北朝鮮であるとは意外だった。

 英国の時事誌「エコノミスト」とデーター分析会社「ユゴブ」が11月27日から30日にかけて米国の有権者1500人を対象に行った世論調査によると、回答者のうち58%が米国の最大の敵国として「北朝鮮」を挙げていた。北朝鮮の次が国交のないイランで44%の2位。冷戦中にある中国と駐留軍を撤収させたアフガニスタンがそれぞれ33%で同列の3位となっていた。

 特に今回の調査では大卒の白人男性のうち82%が最大の敵国として北朝鮮をトップに挙げていた。年齢別でみると、65歳以上の72%が北朝鮮を敵視しており、また18歳から29歳までの若年層の45%が北朝鮮に対して敵愾心を抱いていることもわかった。

 また、この調査ではバイデン政権が発足(1月20日)してからの米朝関係の進展状況についても質しているが、「(北朝鮮との)関係が悪化した」との回答が42%と最も多く、「変わらない」(28%)、「改善された」(15%)を大きく上回っていた。(「わからない」15%)

 北朝鮮が米国にとって最大の脅威となっている理由は明らかにされていないが、金正恩総書記が予測不能の指導者であること、また6度の核実験による核爆弾の保有、グアムを狙った中距離弾道ミサイル「火星12型」、ハワイに照準を定めた準ICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星14型」、米本土に到達可能なICBM「火星15型」、さらには極超音速巡航ミサイル「火星8型」など一連のミサイル発射が影響しているようだ。

 ちなみに北朝鮮もまた、今年1月初旬に開催した第8回労働党大会で米国を最大の敵と規定していた。

 金総書記は党大会での演説で「米国は朝鮮革命の最も大きな障害物であり、最大の敵であるので米国を打倒することに全力を挙げるべきである。米国は誰が政権を取っても我々に対する敵視政策は決して変わることはない」と強調していた。

 北朝鮮を1位とした今回の調査が意外だったのは、ドナルド・レーガン研究所が10月25日から11月7日にかけて米国の成人男女約2500人を対象に行った「米国にとって最も脅威の国」に関する世論調査では中国が断トツでトップだったからである。

 この時の調査では回答者の52%、即ち半数以上が中国をトップに挙げ、続いてロシアで14%、北朝鮮は12%の3位だった。中国は3年前(2018年)の調査では21%と2番目で、ロシア(30%)が1位だった。

 中国を1番の脅威とした理由は「貿易と経済」が最も多く20%、続いて「軍事拡張」(19%)、「人権侵害」(17%)だった。

 なお、「米国の最高の同盟国はどの国か?」との設問では1位が英国で、以下カナダ、EU,イスラエル、ドイツ、日本、豪州の順となっている。韓国については回答者の42%が同盟国とみなしていたが、好感度は回答者の3分の1以下の31%しかなかった。