東京五輪をボイコットすべきか、それとも参加すべきか、文在寅大統領はハムレットの心境のようだ。

 韓国政府は文大統領自らが東京五輪への支持を表明していただけに参加の意向だ。昨日(8日)も、韓国外交部は報道官談話を通じて東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の公式ホームページの日本地図に竹島(韓国名:独島)が表示されている問題に関連し、「東京五輪への不参加までは検討していない」との立場を明らかにしていた。

 しかし、与党では李洛淵(イ・ナギョン)元首相、丁世均(チョン・セギュン)前首相、野党では黄教安(ファン・ギョアン)元代表や羅卿元(ナ・ウンギョン)元院内代表らを筆頭に与野党問わず竹島表記が削除されなければ、東京五輪をボイコットすべきとの主張が日増しに強まり、ボイコットの動きは地方政界にまで拡散している。

(参考資料:進歩・保守問わず韓国の3人の元総理までが「竹島問題」で「東京五輪ボイコット」の声を上げた!)

 竹島を管轄している慶尚北道の道議会が3日に日本を非難する決議を採択したのに続き、首都・ソウルよりも人口の多い京畿道の議会でも昨日、「東京五輪地図独島(竹島)表記糾弾決議大会」が開かれ、「竹島表記」削除を求める決議が採択されていた。決議には「政府は東京五輪ボイコットまで覚悟し、強力に対処すべきである」との文言があった。

(参考資料:保守の牙城・慶尚北道の知事も東京五輪地図の「竹島表示」でIOCに抗議)

 京畿道の知事は与党の次期大統領最有力候補である李在明(イ・ジェミョン)氏であるが、李知事も1日に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長宛てに「すでに韓国国内で五輪ボイコットを要求する世論が高まっているという点を深刻に受け止めてIOCが五輪精神に反する竹島表記を削除するよう直ちに介入することを求める」内容の書簡を送っていた。

(参考資料:韓国は与党も野党も菅政権の対応次第では五輪ボイコットへ!与党次期大統領最有力候補がIOC会長に直訴!)

 参加方針には変わりない文大統領にとって唯一気がかりなのは、世論の動向である。世論を敵に回してまでの決断は一歩対応を誤れば、レームダックを加速化される恐れがあるからだ。

 その世論の動向だが、韓国社会世論研究所(KSOI)が韓国の放送局「TBS」から委託され、5日から6日の両日、全国の成人男女約1千人を対象に行った世論調査によると、ボイコットに「賛成」は67.6%、「反対」は21.9%との結果が出た。「賛成」のうち50.6%が「絶対賛成」と回答していた。

 また、保守系インターネット新聞「デイリアン」が6月第1週に行った全国成人男女約1千人を対象に実施した世論調査でも71.9%(「絶対賛成」53.7%)が「ボイコットすべき」と回答していた。(「反対」は18.3%)

 同調査によると、ボイコット賛成派は世代別では40代が最も多く79.5%。続いて30代(78.1%)で、最も若い20代でも69.2%に達していた。

 地域別では全国すべてでボイコット賛成派が反対派を上回っており、政府与党「共に民主党」の地盤である全羅道(光州)では75.9%が、保守野党「国民の力」の牙城である慶尚北道(大邱)でも71.9%がボイコットを支持していた。首都ソウルでも69.5%と、ほぼ10人中7人がボイコットに賛成していた。

 東京五輪ボイコットの声は日本の福島原発処理水の海洋放出計画が表面化した2019年にも沸き起こったが、この時も世論調査会社「リアルメータ」が行った調査(2019年8月2日)では68.9%が東京五輪不参加を支持していた。