韓国の文在寅大統領は10日の国民向け特別演説で「ワクチン接種が加速化し、今や集団免疫の獲得が近い」ことを挙げ、「コロナ禍との戦いにもようやく終わりが見えてきた」との見通しを述べていた。

(参考資料:韓国はコロナ禍の戦いに終わりが見えてきたのか? 韓国のワクチン接種現況)

 文大統領の発言から10日経ったが、韓国のワクチン接種の現状(19日現在)を韓国予防接種対応推進団の発表に基づいて整理すると、以下のようになる。

▲9900万人分のワクチン確保

 韓国は人口(約5134万人)の約2倍にあたる分量のワクチン(アストラゼネカ、ファイザー、モデルナなど)を確保している。現在はアストラゼネカとファイザーの2種類が使用されている。

 接種は全国の病院、医療機関、委託医療機関など1万2千か所で行われている。予約はオンライン、コールセンタ、医療機関で受け付けている。居住地と関係なく、希望する病院を選択できる。

▲接種対象者(約947万9千人)接種予約率50.1%

 ※5月6日に予約が始まった70~74歳(約213万人)の予約率は62.6%、10日に予約が始まった65~69歳(約300万人)は55.1%、13日に予約が始まった60~64歳(約400万人)は39.7%、13日に予約が始まった幼稚園教諭・保育士及び小学1~2年生を受け持つ30歳以上の先生(約360万人)は65.5%となっている。予約は6月3日まで可能で、政府、地方自治体、医療機関で接種の重要性をアピールしているので予約は増加傾向にある。

 ※75歳以上(約349万人)はすでに4月1日から接種が行われている。

▲接種件数503万4150回(5月19日現在)

 ※18日の新規接種者は1万1822人で、およそ1週間前の12日の6029人の約2倍となった。

▲1回目接種者376万940人(全人口の7.3%)

 ワクチンの内訳はアストラゼネカが205万Ⅰ750人、ファイザーが170万9190人。アストラゼネカは接種対象者(約265万)の77.2%、ファイザーは対象者(約372万人)の45.8%が1回目の接種を終えている。

 ※65~74歳は5月27日から、60~64歳は6月7日からアストラゼネカを接種することになっている。

▲2回目接種者127万3210人(全人口の2.5%)

 ファイザーが121万2284人(32.5%)、アストラゼネカが6万926人(2.3%)。アストラゼネカは11~12週、ファイザーは3週間間隔で2回目の接種を受ける。

▲副反応申告は2万3124件

 接種が開始された2月26日以来、副反応があったと申告された件数は2万3124件。アストラゼネカが1万8176件(0.68%)、ファイザーが4948件(0.13%)。なお、因果関係は不明とされているが、接種後の死亡者は140人(ファイザー81人、アストラゼネカ59人)

▲副反応は1回目で80.1%、2回目で89.1%

 ソウル峨山病院のペ・ソンマン感染内科教授チームがこの病院のファイザー2回接種者(265人)を分析した結果、異常反応は1回目で80.1%、2回目で89.1%という調査結果が出た。女性(95.3%)のほうが男性(77.9%)よりも副反応が多い。

 ※265人のうち212人(80%)が腫れと痛み。筋肉痛や発熱などは1回目よりも2回目のほうが多いが、時間が経つに連れ治まる。

▲感染者の現状(5月19日現在)

 ・全国の感染者は累積で13万4117人、死亡者1916人

 (19日の一日感染者は646人、死亡者4人)

 ・ソウルの感染者は累計で4万1901人、死亡者474人

 (19日の一日の感染者は242人、死亡者1人)

▲防疫対策「社会的距離の確保」は現状維持

 感染が急拡散はしておらず、医療対応力量も十分(病床は全体の74.6%が空いている)であることから規制の緩和も検討されたが、直近の1週間の全国感染者が747人→681人→610人→619人→528人→654人→646人(一日平均640人)と推移し、依然として警戒レベルの「2.5段階(500人以上)」の範疇にあること、旅行など人の移動などが増えるにつれて、家庭や職場、学校、飲食店で散発的にクラスタが起きていること、また変異ウイルスが広まっていることなどの不安材料もあって現行の「社会的距離の確保」基準(首都圏2段階、非首都圏1.5段階)及び5人以上の私的な集まりの禁止措置をさらに3週間延長することにしている。