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来日した韓日議連一行の「反日歴」 日韓の主張は水と油で妥協は困難!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
竹島(独島)に上陸した金振杓・韓日議連会長(左から4人目)(韓国国会取材団)

 韓国から日本との友好を促進する韓日議員連盟に所属している議員7人が来日し、日本側の額賀福志郎日韓議連会長を含め与野党の実力者らと精力的に接触している。昨年は安倍晋三総理(当時)との面談が叶わなかったが、今回は菅義偉総理との面会も実現したようだ。

 直前に議員出身の朴智元・国家情報院長が訪日した際、菅総理との面会が実現したこともあって政権交代によって日本の雰囲気は少し変わりつつあると韓国側では評価しているようだが、韓国側からのミッション来日によって最悪の関係にある日韓関係が改善されるかどうかは未知数だ。

(参考資料:韓国情報機関トップの訪日は成功? 注目すべきは北朝鮮の反応!

 日韓の間には様々な懸案があるが、喫緊の課題が元徴用工問題の扱いであることは日韓両政府共に認めているところだ。大法院(最高裁)の判決に従って日本企業に元徴用工に補償金を払ってもらいたい韓国側と元徴用工問題はすでに日韓条約で解決済なので支払う必要がないとする日本側の主張は水と油でいつまでも溶け合わない。外相及び外務省局長レベルの交渉を何度やっても水掛け論で終わっている。そこで、政治決着を目指し、議連の登場ということだが、この問題はどちらかが一方的に譲らない限り、政治決着は難しいだろう。よく言われる、ウィン・ウィンの解決などはあり得そうにもない。

 韓日議員連盟というと、一般的には日本に友好的で、知日的な議員から成っているとみられがちだが、それは錯覚というもの。今回来日した韓国側の7人の顔ぶれをみれば、そのことは一目瞭然だ。

 会長の金振杓議員(73歳、与党)は5回(2004年、08年、12年、16年、20年)連続当選の重鎮で、政府与党内にあっては非主流、保守派とみられているが、現総理の鄭世均氏が与党代表だった2008年7月には鄭代表と共に日本の竹島領有権主張に抗議し、竹島を訪問した経歴の持ち主である。

 4回連続当選を果たし、党の事務総長にもなった同じく与党の尹昊重議員(58歳)は昨年8月に安倍総理(当時)が広島の被爆74周忌平和記念式典後の記者会見で韓国の最高裁(大法院)の判決を批判したことにフェイスブックを通じて「まさに不適切な日に、不適切な場所で言い放った不適切な妄言である」と批判していたことはあまり知られていない。

 「広島の朝鮮人原爆被害者は不法に動員され、惨劇に見舞われた被害者である。安倍総理は彼らの霊前で強制徴用者らに慰謝料の支払いを命じた韓国大法院の判決は国際法違反であると強弁したわけだ。容認できない。安倍総理はこれ以上無理な論理で国際法とか、国際条約について語るべきではない」と厳しく糾弾していた。

 与党所属の2回生である金漢正議員(57歳)は日本が輸出厳格化措置を取ったことについて韓国のメディアとのインタビューで「自由貿易に反し、経済問題を政治的報復手段として使っている」と痛烈に批判し、「日本は強制徴用問題を隠蔽し、嘘をついている」と安倍政権を叩いていた。

 また、金議員はインタビューで「我々はこの問題では道徳的にも名分においても優位に立っている。我々が団結し、国際世論を喚起し、日本に言うべきは言い、交渉すべきは交渉すべきである」と主張していた。

 紅一点の与党所属の全恵淑議員(60歳)は国家行政安全委員会委員長だった昨年10月、政府の24の公共機関のWebサイトに東海が日本海と呼称されていたことや「独島」をリアンクール暗礁(Liancourt Rocks)と表記されていたことを問題視し、是正を求めたばかりだ。

 今回の訪日団には最大野党の保守の「国民の力」からも5回生の李採益議員(65才)と2回生の金碩基議員(66歳)同じく2回生の成一鍾議員(57歳)の3人が加わっているが、李議員は「独島を愛する運動本部」の顧問職にあり、議連の幹事長兼副会長となった金議員は慶尚北道警察署長当時の2006年2月、独島治安責任者として独島警備隊を創設し、「地球上には竹島はない。あるのは我が領土、独島だけだ」の文言が書かれた独島訪問記念カードを制作し、県民の関心を高めていた。また、成議員は2016年8月、2018年年11月と日本政府の抗議を無視し、2度も竹島に上陸していた。

(参考資料:日本に段々と擦り寄る韓国の「徴用工解決策」 保守系野党議員が「屈辱的外交惨事」と批判!

 特に、金碩基議員は与野含めて国会議員の中では数少ない「知日派」として知られているが、日本が韓国に輸出規制措置を取った時は「今は日本との戦いは勝たなくてはならない。負けてはならない。そのためにはすべての国民が力を合わせなければならない。そこには与党も野党もない」と日本に対して挙国一致して立ち向かうよう国民に呼びかけていた。

 現在、来日している韓日議員連盟の面々はいずれも一筋縄ではいかない「強硬派」である。来日中に耳当たりの良い発言があったとしても、それが本心によるものかはわからない。帰国してからの発言が全てだ。

 議員外交であっても、政治家が主導しても、事はそう簡単ではない。韓国が譲歩するか、日本が譲歩するか、綱引きではないが、決着を付けるほかないだろう。

(参考資料:3件だけではない「元徴用工裁判」 最高裁で9件、地裁で20数件が係争中 原告人は約1千人!)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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