昨日(10月1日)、「日本はベルリンの慰安婦像を撤去できるか?」との見出しの記事を載せたが、日本政府は早速、慰安婦像の撤去に向けて動き出したようだ。

 欧州歴訪中の茂木敏充外相自らが直接ドイツの外相に対して先月25日に首都ベルリン市内に設置された慰安婦像が撤去されるよう協力を要請したようだ。

 滞在先のフランスで昨日、ハイコ・マース・ドイツ外相とテレビ会談を行った茂木外相は拉致問題への協力と共にベルリンの中心部にドイツ在住の韓国人団体「コリア協議会」が建てた慰安婦像について日本政府の立場を説明し、ドイツ政府に撤去への協力を求めたとのことだ。

 ベルリンの慰安婦像は今年初めにベルリン都市空間文化委員会など関係当局の審査を通過し、7月に最終的に許可され、ブランデンブルク門やベルリン中央駅などがあるミッテ区に設置され、9月28日に現地の政治家や学者、市民らが出席する中で除幕式が行われていた。

 ポルトガルを経由してフランスを訪れている茂木外相は当初はこの後、ドイツを訪れる予定だったが、外相の警護員がPCR検査の結果、陽性反応が出たためハイコ・マース外相が自宅隔離を余儀なくされたため訪独を取り消し、この日の電話会談となったようだ。

 一方、文在寅大統領は昨日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相との電話会談で世界貿易機関(WTO)の事務局長選挙に韓国から立候補している兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部部長への支持を要請している。

 韓国大統領府の発表によると、文大統領は電話で「兪本部長はWTOを発展させ、信頼を回復させられる最適任者」だと強調し、これに対してメルケル首相は「兪候補は能力と専門性を備えた適任者である」と回答したとのことである。文大統領は兪氏支持を要請する書簡を9月末にドイツに送っていた。

 WTO事務局長選挙には8か国から8人が立候補していたが、第1ラウンドでメキシコ、エジプト、モルドバの候補者が脱落し、韓国をはじめナイジェリア、ケニア、サウジアラビア、英国の5カ国の候補者が第2ラウンドに進んでいる。

 第2ラウンドの選挙戦は9月24日から10月6日にかけて行われ、5人のうち、3人が脱落し、2人に絞られる。選挙は第3ラウンドまで行われ、結果は遅くとも11月上旬には判明する。

 兪明希候補は欧米諸国をはじめ140カ国・地域の閣僚級や大使級の高官と接触して支持を要請しており、日本にも支援を求めているが、日本はアフリカ勢を支持していると韓国では報道されている。

 日韓間にはこの他に韓国のWTO提訴、日本の輸出厳格化措置、ソウル大使館と釜山領事館前の慰安婦像の設置、「安倍総理謝罪像」の設置、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録取り消しの動き、日本企業の資産売却(現金化)問題などの懸案が山積しているが、日韓の対立はどうやら外交戦の模様を呈してきた。