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「8.15演説」で文在寅大統領は何を語ったのか?注目の「対日」「対北」発言

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
韓国の文在寅大統領(青瓦台HPから)

 光復節(解放記念日)75周年を迎えた今日、文在寅大統領は日本の植民地統治時代に訓練都監と訓練院の場所であった東門デザイン広場で記念演説を行った。

 

 注目の日本に関しては徴用工問題だけに言及していたが、日本について批判めいた発言は一切なかった。また、北朝鮮に対しては南北協力の重要性を呼びかけることに終始していた。以下は、日本に関する言及と、南北関係に関する発言内容である。

 ▲日本関連(元徴用工問題)

 「自らの尊厳を証明しようとする個人の努力に対して国家は必ず応え、解決方法について共に知恵を合わさなくてはならない。2005年に4人の強制徴用被害者らが日本の徴用企業を相手に法院(裁判所)に損害賠償の訴訟を起こし、2018年に大法院(最高裁)から勝訴確定判決を受けた」

 「大法院は1965年の韓日請求権協定の有効性を認定しながらも個人の『不法行為賠償請求権』は消滅していないと判断した。大法院の判決は大韓民国の領土内では最高の法的権威と執行力を持っている。政府は司法部の判決を尊重し、被害者らが同意できる円満な解決案を日本政府と協議してきたし、今も協議の門を開いている。(この問題で)我が政府はいつでも日本政府と対座する準備ができている」

 「一緒に訴訟した(4人のうち)3人はすでに故人となっており、一人残された李チュンシクさんは昨年、日本の輸出規制が始まるや『私のために大韓民国が損害を被るかもしれない』と述べていた。我々は一個人の尊厳を守ることが決して国家の損害にはならない事実を確認することになるだろう。同時に3権分立に基づく民主主義、人類の普遍的価値と国際法の原則を守っていくため日本と共に努力するだろう。一個人の人権を尊重する日本と韓国の共同努力が両国の国民間の友好と未来協力の橋になることを信じている」

 ▲南北・北朝鮮関連

 「真の光復は平和で安全な統一韓半島(朝鮮半島)で一人、一人の夢と生活が保障されることだ。我々が平和を追求し、南と北の協力を推進するのも南北の国民が安全に暮らすようにすることにある」

 「我々は家畜天然病(豚コレラ)とコロナに対応し、気象異変による類例のない集中豪雨を経験し、個人の健康と安全が互いに緊密に連結していることを自覚し、南北が生命と安全の共同体であることを確認した。韓半島で暮している全ての人の生命と安全を保障するのが我々の時代の安保であり、平和である」

 「防疫協力と共有河川の共同管理で南北の国民が平和の恵沢を実質的に体験できるよう願っている。保健医療と山林協力、農業技術と品種開発に関する共同研究などコロナの時代の新たな安保状況に一層緊密に協力し、平和共同体、経済共同体、そして生命共同体をつくるため相生と平和の糸口になるのを願っている」

 「国民の生命と安全のための人道的協力と同時に死ぬ前に一目会いたがっている人々(離散家族)を会わせ、行きたいところに行かせてあげるよう協力するのが実質的な南北協力である。南北協力こそが南北すべてにとって核や軍事力の依存から抜け出すことのできる最高の安保政策である。南北間の協力が強固であればあるほど南北のそれぞれの安保がそれだけ強固となり、そのことが直に国際社会との協力の下、繁栄へ向かう力となるだろう」

 「『板門店宣言』で合意したどおり、戦争の脅威を恒久的に解消し、先烈らが夢見た真の光復の土台を作る。南北が共同調査と着工式まで行った鉄道の連結は南北協力を大陸にまで拡張する核心動力である。南北がすでに合意した事項を一つ一つ点検し、実践しながら『平和と共同繁栄の韓半島』に向かっていく」

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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テレビ、ラジオ、新聞、雑誌ではなかなか語ることのできない日本を取り巻く国際情勢、特に日中、日露、日韓、日朝関係を軸とするアジア情勢、さらには朝鮮半島の動向に関する知られざる情報を提供し、かつ日本の安全、平和の観点から論じます。

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