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「No Japan! No Korea!」 新型コロナ感染拡大で入国と渡航規制対象国へ! 

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
大韓航空機(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国に続いて感染者を出している韓国と日本に対する国際社会の警戒心が高まりつつある。すでに日韓両国からの渡航者の入国を禁止したり、入国後の行動を制限したりする国や地域が続出している。

 新型コロナウイルス感染者の数は27日午後1時現在、日本は前日よりも22人増え186人。クルーズ船感染者も4人増え、705人に達した。

 一方の韓国は集団感染による影響で前日よりも334人も増え、1595人と、国内感染者の数は日本の8.5倍に達した。4日前の23日の基準では4.5倍(日本=133人、韓国=602人)だったことから韓国の急増が際立っている。

 韓国の死亡者の数は前日よりも1人増え、13人だが、新規感染者334人のうち307人は集団感染を引き起こしている大邱に集中。これにより大邱の感染者は一気に四桁の1017人に膨れ上がった。同じく集団感染を引き起こしている清道テナム病院がある慶尚北道も新たに4人の感染者を出し、321人に増えた。

 日韓両国とも総力を挙げて、感染拡大阻止に乗り出しているにもかかわらず新型コロナウイルス感染が拡大一途を辿っていることから国際社会では中国と並んで韓国と日本をも警戒し、両国からの渡航者の入国規制もしくは禁止、あるいは自国民の日韓への渡航禁止措置を取る国が相次いでいる。

 ◇日本

 日本に対して入国制限措置を取っている国は26日現在、ミクロネシア連邦、キリバス、サモア、ツバル、ソロモン諸島、コモロ、イスラエル、イラクの8カ国と地域。

 南太平洋のミクロネシア連邦やキリバスなどでは感染してない国や地域で14日間、過ごしてからでなければ入国が認められない。

 イラクはこれまでは中国、イランからの入国禁止措置だけだったが、保健当局が25日から日本に対しても入国を一時的に禁止する措置を講じた。また、イスラエルも過去14日間に日本に滞在した外国人の入国を禁止する。

 また、入国後の観察措置が行われている国はイスラエル、カザフスタン、リベリア、インド・ケララ州、オマーン、英領のジブラルタルの6か国、そして入国時の医療検査措置が行われている国はトルクメニスタンとキルギスの2か国である。

 南太平洋のミクロネシア連邦やキリバスなどでは、感染者が出ている国から渡航する場合、感染者が確認されていない国や地域で少なくとも14日間、過ごしてからでなければ入国を認めないとしています。

 ◇韓国

 韓国の感染者がうなぎ上りとなっていることから韓国からの渡航者を禁止もくしは制限する国が26日現在、43か国に増えた。およそ日本の6倍である。

 入国禁止措置を取っている国は22か国で、アジア・太平洋地域ではベトナム、シンガポール、香港、モンゴル、フィリピン、日本、ナウル、ミクロネシア、サモア、ソロモン諸島、キリバス、ツバル、フィジーの13カ国と、中東地域のイスラエル、バーレーン、ヨルダン、イラク、クウェートの5か国、それに米国領のサモア、アフリカのモーリシャス、セーシェルなどである。

 ベトナムは25日から大邱・慶尚北道の居住者とこの地域を14日以内に訪問した外国人の入国を禁止すると発表。ベトナムではすでに2月24日に大邱発でダナンに入ったKAL便の韓国人乗客20数人中18人が一旦隔離され、翌日の帰国便で帰国させる措置が取られた。ホーチミン市でも今も3人が隔離されている。モーリシャスでも韓国人新婚夫婦が入国と同時に隔離されてしまった。

 香港は韓国を出発もしくは韓国を訪問したことのある外国人全員が対象で、シンガポールは最近14日以内に集団感染の大邱と慶尚北道の清道を訪れた者の入国を禁止するが、在留シンガポール人は隔離を条件に入国が許可されている。

 日本も大邱と清道郡に滞在歴のある外国人に限定して入国を拒否することを26日に韓国側に通知している。

 韓国からの入国者に対する検疫強化や隔離措置など入国手続きを強化した国も21カ国に達している。

 アジアはタイ、インド、マカオ、台湾、ブルネイ、カザフスタン、トルキスタンの7か国が、欧州はベラルーシ、英国を含む6か国が、アフリカはモザンビーク、エチオピア、ウガンダの3か国が、中東はオマーン、カタールの2か国が、中南米はコロンビアやブラジルなどが韓国からの入国者に対する検疫を強化している。

 台湾は韓国から入国する外国人は全員2週間隔離し、検疫を受けさせる。例外だが、中国の遼寧省の大連空港や瀋陽空港などでも検閲を強化し、隔離を行っている。

 なお、韓国への渡航自粛を要請している国はオランダ、マカオ、オーストリアを含め22カ国に上る。

 ニュージーランド、ラオス、モンゴル、チェコ、クウェートの5か国は韓国との直行路線を中断している。モンゴルも韓国発の航空便の運航を中断し、3月2日まで韓国人の入国を遮断する。ベトナム空港は3月29日まで韓国の航空便の乗り入れを全面的に中断する。

 米国は韓国への旅行警報を第2段階の「警戒」から最高レベルの「警告」に引き上げ、自国民に渡航自制を勧告したが、韓国からの入国規制措置には至ってない。

 日本もまた、大邱市と慶尚北道の一部の地域を対象に感染症危険情報のレベルを不要不急の渡航をやめるよう促す「レベル2」に引き上げた。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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