「朴槿恵―崔順実スキャンダル」 注目すべき今週の三つの焦点

国民に謝罪しても辞任せず法廷で争う朴槿恵大統領

韓国を揺るがす「朴槿恵―崔順実スキャンダル」は今週(19-24日)一つの山場を迎えることになる。

注目の初公判

まずは19日午後2時から事件の主犯である崔順実(チェ・スンシル)被告、共犯のアン・ジョンボム被告(前政策調整首席秘書官)、チョン・ホソン被告(前青瓦台付属秘書官)らの初公判の準備に入る。午後3時からは上記3人に続き、崔順実のパートナーである「文化界の皇太子」ことチャ・ウンテク(映像音楽プロデューサー)被告ら5人に対しても公判に向けた手続きが始まる。

この日は、正式な審理の前に裁判の争点と立証計画が整理されるが、検察側は被告人らの控訴事実と今後の立証計画を説明する必要がある。容疑立証に必要な証人らの申請も行われる。また被告側からは控訴事実の認定可否と検察の証拠への同意可否を明かし、今後の弁護計画を説明しなければならない。

検察側が裁判所に提出した証拠目録には崔順実被告の持ち物と結論付けられたダブレットPCとアン・ジョンボン被告の業務用ポケット手帳(17冊)、そしてチョン・ホソン被告の携帯電話録音ファイル(236件)などが含まれている模様。法廷は準備手続きが終わり次第、正式裁判の日取りを決めることにしている。

裁判が始まれば、朴大統領が実質的責任者であり、崔順実被告が背後で操ったとされる「ミル文化財団」と「Kスポーツ財団」の性格、これら財団に大企業が出金した経緯に強制性があったかどうかが焦点となる。崔被告とアン被告との共犯関係や検察が「彼らと共謀した」と名指しした朴大統領との関係をめぐって熾烈な攻防が予想される。また、チョン被告の公務上の大統領関連文書の秘密漏えいをめぐっては流出過程で大統領の指示があったかどうか、この文書が秘密として保護価値あるかどうかが争点となりそうだ。

検察側はアン被告が朴大統領の指示を受け、大企業らに強制的に金を出させたと判断している。しかし、朴大統領側はこれら二つの財団は「財界主導で設立され、企業は善意から自発的に献金した」と主張していることから、崔被告もアン被告も裁判ではこうした論陣を張るものと予想される。崔被告の弁護人は検察の控訴事実は「法律的事実ではなく、小説に過ぎない」として容疑事実を全面的に否認する構えだ。法廷で公開された内容と裁判の結果は特別検察官の捜査や憲法裁判所の弾劾審判にも影響を及ぼすだけに正式裁判が始まれば、検察と弁護団の間で激しいやりとりが予想される。

最後の国会聴聞会

また、22日には国会国政調査特別委員会による5度目の聴聞会が開かれる。最後の聴聞会となる22日には事件の核心人物が全員証人として「喚問」されている。仮に証人が一人残らず全員出席すれば、「崔順実聴聞会」の最大の見せ場となる。

現在までのところ、崔被告のほかアン・ジョンボン被告、それに「ドアノブ3人組」と称されている・チョン・ホソン被告とイ・ジェマン前青瓦台総務秘書官、アン・ボングン前青瓦台国政広報秘書官の両人、さらには朴大統領と崔順実との連絡役だったユン・ジョンチュ、イ・ヨンソン前青瓦台行政官らも証人として呼ばれている。さらには「セウォル号空白の7時間」絡みで前青瓦台看護将校だったチョ・ヨンオク大尉も出席を求められている。

中でも、この日、注目されているのがウ・ビョンウ元青瓦台民政首席秘書官の出席である。ウ元首席秘書官は一連のスキャンダルに関与しただけでなく、もみ消し工作にも関わっていたとの疑惑が持たれている。

なお、崔、アン、チョンの3人の被告は、前回(二回目の公聴会)は「拘束中」との理由で出席しなかった。仮に、今回も欠席ならば、国政特別委員会は23日に拘置所を訪れ、崔被告らに面会を求め、尋ねることにしている。

強制調査に入る特別検察

特別検察官チームは19~20日に開所式を行い、内外に捜査突入を公式に宣布することにしている。

パク・ヨンス特別検察官は11月30日に朴大統領から任命され、今月1日に黄教安(ファン・ギョアン)総理から任命書を受理している。20日間の準備期間が終了し、今後70日間の間に捜査対象とした朴大統領にまつわる14の疑惑を解明する。特別検察官の捜査の期限は2月28日である。

主な捜査対象は▲「ミル文化財団」と「Kスポーツ財団」の強制募金及び朴大統領と崔順実被告、大企業との間の第三者賄賂授受疑惑▲朴大統領の崔被告による各種利権関与への支援疑惑▲サムソングループの崔被告の娘・チョン・ユラ氏の乗馬関連支援など崔一家支援疑惑▲キム・ヨンジェ整形外科医師とキム・サンマン大統領諮問医師らの「秘線診療」をめぐる「セウォル号空白の7時間」疑惑▲キム・ギチュン前青瓦台秘書室長とウ・ビョンウ前青瓦台民政首席秘書官らの「崔順実庇護疑惑」及び権力乱用疑惑等である。

捜査対象人物を全員出国禁止措置にしており、今週中にも家宅捜査し、検察に出頭させ、取り調べを行う。また、一回目の国会聴聞会に呼ばれた9人の財界のオーナーのうち、朴大統領の第三者収賄容疑関連でサムソンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長、ロッテ・グループの辛東彬(シン・ドンビン)会長らに対しても出国禁止措置が取られているが、財閥に対しても本格的な調査が始まる。

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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