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北朝鮮のラッキーナンバー「9」に要注意!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

北朝鮮は社会主義国でありながら、韓国同様に儒教や封建的な要素がまだ色濃く残っている国である。信仰深くはないのにどういう訳か縁起は担ぐ。故金正日総書記がゲンを担いでいたことは一般には知られてない。ちなみに金総書記にとってのラッキーナンバーは「」という数字だ。

金総書記がギャンブル好きだったことは公然たる事実だ。金総書記のお抱え料理人として知られる寿司職人の藤本健二さんの話では、金総書記はしばしば側近をマカオに派遣し、カジノで賭けを楽しんでいたそうだ。側近らはその都度、国際電話で直接指示を仰ぎ、金総書記に代わって金を賭けていたそうだが、金総書記は「9」にこだわっていたそうだ。

金総書記が「9」をラッキーナンバーとみなすのは自身の誕生日が「2月16日」であることと関係している。誕生日の数字を全部足すと「9」になるからだ。また、北朝鮮の建国記念日が「9月9日」と「9」並びであることも無縁ではない。従って、北朝鮮がこれまで何か重大なことを行う場合、ほぼ「9」に照準を合わせていることが多い。例えば金総書記の場合;

元帥推戴日は「4月23日」で、数字を合計すると末尾は「9」になる。国防委員長就任日は「4月9日」とこれまた「9日」の日を選んでいる。総書記就任日も「10月8日」で「9」だ。さらに最高司令官就任日も「12月24日」と、全部足すとやはり「9」になる。ちなみに金総書記の選挙区は「第333選挙区」となっていた。極めつけは、死ぬ一か月前に家族や側近らに遺訓(遺言)を残していたが、その日は驚いたことに「10月8日」であった。これ以外にも例を挙げれば幾つもある。

人工衛星1号(テポドン1号)を発射したのは1998年8月31日で、数字を全部足すと「9」になる。2006年の核実験は「10月9日」と「9日」に決行していた。2009年のテポドン2号は「4月5日」に発射されていた。

さらに2012年のテポドン3号発射は「12年12月12日」で、2013年の3度目の核実験も「13年2月12日」とこれまた合計で末尾は「9」となる。

面白いことに、後継者の金正恩第一書記もこのラッキーナンバーをそのまま継承しているようだ。それもそのはずで、金正恩氏の誕生日もまた「1月8日」と父親同様に足して「9」となるからだ。

例えば、金正恩氏が後継者として表舞台に登場した2010年の第3回党代表者会の開催日は「9月28日」であった。また、金正恩体制を盤石にするため2年後に開かれた第4回党代表者会の開催日も「12年4月11日」で、足すと、末尾は「9」となる。

父親の「10.8遺訓」に従い、後継者の金正恩氏は「11年12月31日」に最高司令官に就任している。また、党第一書記就任したのも「12年4月11日」である。いずれも合計すれば、末尾は「9」だ。偶然とは思えない。

さらに付け足すならば、2012年に人工衛星「銀河3号」(テポドン3号)を打ち上げた北朝鮮は次に「9号」を打ち上げると公言していることだ。前回発射した衛星が「3号」ならば、本来ならば、次は「4号」であるはずなのに北朝鮮は一気に「9号」を打ち上げると大々的に宣伝している。

決定的なのは、北朝鮮が今年1月に行った水爆実験を金第一書記が昨年の「12月15日に決断した」と伝えていることだ。これまた末尾は「9」だ。

北朝鮮は今年、党大会を開催すると予告している。本来ならば、党創建70周年の節目の年であった昨年に開催してもおかしくはなかった。それをわざわざ今年2016年に、それも36年ぶりに開催するとしたのも、「9」に掛けて、縁起を担いでいるのかもしれない。

代議員に選出された2014年3月9日の最高人民会議代議員選挙での金正恩第一書記の選挙区が「111」だったことを含め幾つか例外はあるが、こうした前例を参照にすると北朝鮮が今後、事を起こす場合の「Xデー」をある程度予測できるかもしれない。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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