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年末年始には、ぜひ、わが子へ言葉の贈り物を贈ろう

親野智可等教育評論家
(写真:アフロ)

世間はすっかり年末年始モードですね。

大人の多くはもう慣れてしまって、この時期にもそれほど特別な感情を抱かなくなっているかもしれません。

でも、子どもにとっては、一年が終わり新しい年に切り替わる節目であるこの時期は、独特の雰囲気と高揚感がある時期です。

みなさんも、子どものころを思い出してみれば心当たりがあると思います。

そこで、ぜひ、親から子どもに心を込めた言葉の贈り物をしてあげてほしいと思います。

例えば、年末には次のような言葉です。

「今年一年、家族みんな事故もなく過ごせてよかった。ありがたいことだね」

「今年も○○君と一緒に楽しく過ごせてよかった。笑顔をたくさん見られてよかった。来年もよろしくね」

「○○ちゃんの笑顔に元気をもらえた一年だった」

「○○ちゃんがいてくれたから今年もがんばれた。ありがとうね」

そして、年始には次のような言葉を、ぜひ。

「今年も一緒に新年を迎えられてうれしい。大好きだよ」

「○○はパパとママの宝物。あなたを見てると元気が出るよ」

「あなたがいるだけで幸せ。うまれてくれてありがとう」

「初日の出のとき、今年も○○君の明るい笑顔をたくさん見られますようにと、お願いしたよ」

これらの言葉は、その子の存在自体を無条件に丸ごと肯定する言葉です。

このような言葉を贈ってもらえると、子どもはとても喜びます。

そして、「自分は存在していいんだ。自分は大切にされている。愛されている」という実感を持つことができます。

これによって自己肯定感が高まりますし、親子関係もよくなります。

すると、他者に対しても優しくなれますし、がんばるエネルギーもわいてきます。

ところが、日本人はこういう言葉を口に出すのが苦手です。

夫婦間でも「愛してる」「大好き」がなかなか言えません。

それと同様に、親子間でもこういう言葉が言えません。

日本の青少年の自己肯定感は、各種の国際比較調査でいつも最下位なのですが、その原因の一端はこういうところにあるのではないでしょうか?

欧米では、日頃から夫婦でも親子でもこういう言葉をたくさん口に出して、自分の気持ちを相手に伝えています。

以前、某洋画で「お父さんは○○のことを誇りに思うよ」と言われた子どもが、非常にうれしそうににっこりする場面を見たことがあります。

ということで、ぜひ、こうした言葉を子どもたちに贈ってあげてください。

口で言うのが難しいなら、書き言葉で伝えるのもよいと思います。

手紙やちょっとしたミニ手紙でもいいでしょう。

メールやLINEも書き言葉の一種なので、それもいいと思います。

「言わなくても伝わる」という言い訳をしないで、大切な相手に心を込めた言葉でしっかり愛情を伝えましょう。

教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。Instagram、Threads、Twitter、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」などで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、オンライン講演、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メルマガ、講演のお問い合わせなどについては「親力」で検索してHPから。

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