「9月入学にPTAが慎重検討要望」は誰の要望? 保護者全体を見渡したものなのか

要望書は文部科学省に提出されたということです(写真:西村尚己/アフロ)

 9月入学が本格的に検討されることが報じられた矢先、「PTAが慎重検討要望」というニュースが飛び込んできました。

* 「9月入学 子どもたちに不安与える」PTAが慎重検討要望 | NHKニュース

 内容は「全国の保護者などでつくる日本PTA全国協議会」が、文部科学省に対し「9月入学を慎重に検討するよう求める要望書を提出した」というものです。

 「PTAが」と見出しにあるので、まるで全国の保護者が9月入学の慎重検討を望んでいるかのように見えますが、これは正確でしょうか。少なくとも筆者の周囲には、9月入学を望む人、反対の人、どちらも複数います。

 そもそも日本PTA全国協議会(以下、日P)は、PTA会員に意見をたずねたことがあるのでしょうか。各都道府県や政令市のPTA連合会の会長の一部に、ではありません。一般の保護者、PTA会員、みんなにです。まだまだ意見が割れている話ですから、もしある程度意見を聞いていたら、このような要望は出せなかったのではないかと思います。

 日Pに加盟しているPTAの会員の人たちは、ほとんどの場合会費を自動徴収されているので(児童生徒1人当たり10円)、自分も日Pの会費を負担していることを知りませんし、その手前で、日Pの存在すら知らない人も大勢います。

 そのような団体が、日本の保護者を代表する体で、割れている意見の一方について要望書を出すことは、横暴なように感じられます。

*PTAやP連の要望で起きがちな問題

 じつはこの記事を書く直前、ちょうど逆の話を書いていました。関西のある地区のPTA会長さんたちが教育長あてに出した要望書が、さまざまな子どもや家庭、保護者全体に目配りした良い内容だったため、好例として紹介しようとしていたのです(ICTを活用した授業の推進に関するものでした)。

 ただ、これはたまたまいい例でしたが、真似してほしくない例も見かけます。会長やその近辺の人たちだけの意見が、PTA(またはP連)全体の要望として出されてしまい、後で問題になるケースもそう珍しくありません。ですから、そうならないように気を付けてね、ということを書いていたのですが、そこに今回のニュースです。

 がっくりきてしまいました。

 なぜ日Pはこのタイミングで、割れている意見の一方を要望書として出したのかも、疑問です。

参考)親を悩ます「PTA問題」 前川喜平さんに聞いた - 前川喜平|論座 - 朝日新聞社の言論サイト