「PTAでの加入意思確認」=「違法をやめる」のに “話し合い” など要らない

まずトップが決断を。話し合いが必要になるのは次の段階です(ペイレスイメージズ/アフロ)

 ご存知の通り、加入意思を聞かれないまま会員にされ、且つ会費を徴収される任意加入団体は、PTA以外にそうそうありません。

 なぜそれが可能かといえば、学校がもつ保護者の個人情報を、会員確保や会費徴収などに利用しているからです。このとき個人情報は保護者に無断で流用されることが多いのですが、これは違法なやり方です。

 「法律、法律ってうるさいな」と思われるかもしれませんが、逆です。法律はトラブルが起きないようにつくられています。つまり、PTAで役員決め等さまざまなトラブルが生じるのは、法律に違反しているからだともいえます。

 法律に反するのは、個人情報の扱いだけではありません。意思確認のない団体加入は、そもそも日本国憲法第21条で保障された「結社の自由」にも反します。

 PTA界隈では、加入意思確認を行うことを「改革」と呼ぶことがありますが、冷静に考えれば、改革でもなんでもありません。単に「違法をやめるだけ」の話です。

 違法をやめることに、話し合いは必要か? 不要でしょう。校長・会長が「やめる」と決めて、早くやめるのが一番です。実際、加入意思確認をしなかったPTAで訴訟も起きています。このままいけばやはり訴訟は増えていくでしょうから、早いほうがいいと思います。

 ここで必要なのは話し合いではなく、正しい理解を広めることでしょう。

 近年、PTAを退会する保護者が全国的に増えるなか、退会者の子どもがPTAのサービスから排除されるトラブルがときどき起きています。これまでPTAはずっと全員自動加入を続けてきたため、「会員家庭の子どものためのサービスを行う団体」という誤解が根付いてしまっているからです。

 ですが本来PTAは、保護者の加入状況にかかわらず、子どもみんなのための活動をする団体です。このことは、前回紹介した各地の教育委員会の通知にも書かれていますし、文科省に問い合わせても、同様の回答が返ってきます。

 保護者のなかで、こういった知識を理解・共有していくことが重要でしょう。

話し合いが必要なのは、その先

 ただしその先の場面では、話し合いが必要なことは、徐々にいろいろ出てくると思います。

 たとえば、活動内容の見直しについて。全員自動加入をやめた先、そのままだと加入者はだんだん減っていくでしょうから、消滅させたくなければ、ニーズの少ない活動を減らしたり、あるいは魅力ある活動に置き換えたりする必要が出てきます。

 それから、クラス役員(委員)の決め方について。「各クラスから必ず何名(以上)」という縛りがある限り、じゃんけんやクジ引きでやりたくない人が仕事を押し付けられる可能性があり、PTAが敬遠される要因となります。

 会員数をある程度キープしたければ、各クラスの役員数の縛りをなくす(0人でもOKにする)、あるいは委員会制をやめて活動ごとに人を募る形にするなど、制度変更も必要となるでしょう。

 強制に頼らず活動を継続したければ、話し合うべきことはほかにもいろいろ出てくるはずです。ただしそれは、PTA以外の団体なら、皆ふつうにやっていることです。

 ともあれ、まずはトップが「保護者の加入意思を確認すること」を決断し、みんなで「子どもは全員同様に扱う」という理解を共有すること。

 話し合い以前に、まずはここからスタートする必要があると思います。