いよいよ改正法施行 個人情報の取扱いでPTAや同窓会が気をつけるべき4つの注意点

過剰反応は不要です(ペイレスイメージズ/アフロ)

2017年5月30日、今日から改正個人情報保護法が施行され、PTAや同窓会、自治会等も、個人情報取扱事業者としての義務を負います。

今後PTAは、どんな点に気をつければよいのか? 過剰反応は不要です。さしあたって注意が必要な4つのポイントをお伝えします。

1 本人から申し出があったら、すぐ個人情報を削除する

個人情報保護法のもとでは、PTAは、学校から保護者の同意を得ずに提供される個人情報を受け取れなくなります。もし、本人同意をとったか確認せずに情報を受け取った場合、あるいは同意を得ていないことを知りながら情報を受け取った場合には、PTAにも義務違反が生じます。(*1)

すでに保有する個人情報が、本人同意を得ず提供されたものであっても、ただちに情報を廃棄する必要はありません。

ただし、もし本人から「個人情報を削除してほしい」という申し出があった場合は、PTAはすぐその人の情報を削除しなければなりませんので、ご注意ください。

2 提供の同意があっても、入会意思確認がなければ訴訟リスクは残る

改正法の施行後も、学校が保護者に同意をとった上で個人情報を提供するなら、受け取るPTAの側にも義務違反は生じません。個人情報保護法上の問題は、クリアされます。

ただし「学校がPTAに個人情報を提供することに同意する」のと、「PTAに加入意思を表明する」のは、本来別のことです。

ですから、一番いいのはやはり、PTAが加入届を配って、加入意思がある人から個人情報を直接もらうというやり方です。もしPTAが学校から個人情報の提供を受ける場合は、別途加入届を配って、加入意思の確認をとったほうがよいでしょう。

では、学校が保護者に配布するPTAへの個人情報提供同意書に、“この同意書の提出をもってPTAへの加入に同意したとみなす”と添えてある場合はどうでしょうか?

説明が十分であればセーフかもしれませんが、もしも説明が不十分で、学校とPTAが別団体であるとわからないような記載の場合には、あとで問題となる可能性もあります。

たとえば、保護者が「PTAが学校とは別の任意加入団体である」ということを後から知って、「知らないで加入していた!」と訴訟を起こした場合、PTAは負けるかもしれません。

実際に、熊本で起きたPTA裁判で、被告となったPTA側は、勝てる見込みがないという判断をしました(2審で和解)。

ですからやはり、PTAは加入届を配って、入会意思の確認と同時に個人情報の取得も行うというのが、最も安全で効率的でしょう。お忙しい先生がたの手も煩わせずに済みます。

3 本人同意があれば、名簿作成や写真掲載は可能

PTAに限らず学校や園でも以前から見られる現象ですが、個人情報の過剰反応で、名簿を一切つくらないとか、広報紙などの配布物に子どもの顔写真を一切入れない、というケースもあるようです。

たしかに個人情報は守られますが、それくらい本人同意をとってはどうでしょうか。同意をとれば、名簿作成も顔写真掲載も、問題はないのです。確認の手間を惜しんで、名簿も顔写真も一切やめるというのは、行きすぎな気もします。

写真に関しては、むしろ「載せてくれ」という保護者も多いと思うのです。筆者は長年編集の仕事をしてきましたが、子どもの顔写真がどこかに掲載されることを喜ぶ親は多いという印象を受けています。

もちろん、掲載されたくない保護者やお子さんもいますから、その場合は当然掲載してはいけませんが、確認せずに「最初から全部やめる」というのはもったいない気がします。年度初めのうちに、確認をとっておいてはどうでしょうか。

4 個人情報保護委員会の指導には従う

今後、PTA等において個人情報の不適切な取扱があった場合、個人情報保護委員会から指導が入る可能性があります(「個人情報保護法相談ダイヤル」などに保護者等から相談があった場合)。(*2)

万一従わない場合には罰則(罰金・懲役)もありえますので、指導には従うのがよいかと思います。

  • *1 学校は以前から、自治体の個人情報保護条例等によって、本人の同意なく個人情報をPTA等の第三者に渡すことを禁じられています
  • *2 公立の小中学校は個人情報保護法の対象でなく、各自治体の個人情報条例の対象です。個人情報保護法相談ダイヤルに、学校における個人情報の取扱について相談しても受け付けてもらえませんので、ご注意ください