「女の人にPTA改革はムリだよね」は本当? なぜそう見えるのか〈5つの要因〉

(写真:アフロ)

「大改革」を掲げる女性知事が誕生しましたが、筆者は取材中に「女の人にPTA改革はムリだよね」と、気の毒そうに言われたことが何度かあります(もちろん都政とPTAは違うのですが)。

最初の頃は、そう言われると「うーん、そうかもしれないですね」と思っていたのですが、どうも違う。

女性にできない、というわけではありません。ただ、「PTA改革として目にする事例が男性会長のケースばかりだから」、そう思われるのでしょう。

なぜ、女性の事例が見えてこないのか? これには、いくつもの要因が考えられます。

最近も、見落としがちな、ある一つの理由に気付きました。最後(理由5)に書きますので、そこだけ読みたい方は、どうぞ一気にスクロールしてください。

*理由1 女性会長の絶対数が少ないから

先日の記事で書いたとおり、そもそも女性会長は絶対数が多くありません。当然、改革に成功する例も少ないわけです。つまらない理由ですが、これがまず最大でしょう。

*理由2 女性は対立しそうな事柄を避けるから

大まかな傾向として、女の人は「和」を優先し、対立構造や、それにつながりそうな話題を避けるところがあります(日本人全体の傾向ともいえますが、女性は特に)。

そのため「PTA改革」という“火種”の取り扱いには消極的になりやすい、という要因も考えられます。

*理由3 男性は頼まれてやる人が多いから

PTA改革をやった人に話を聞くと、「頼まれて、やむなく会長になった」という男性が多いことに気付きます。最初は断ったけれど仕方なく引き受けた、という場合、自ずとその人の発言力は強くなりますから、そのために改革を進めやすくなったことが考えられます。

これに対し、女性が会長になるのは「男性で会長を引き受けてくれる人がどうしても見つからなかったから」などのケースが多く、男性が「頼まれて、やむなく会長になる」のとは、少々背景が異なります。

ある女性会長は、このように指摘しています。

男の会長さんは、一本釣りで『お願いします!』と請われてなることが多いんですよね。一方、女性会長はヒラの委員からの叩き上げです(笑)。だから男性会長のほうが、新しい提案をしたとき、みんなが『ついていきます!』という流れになりやすいんじゃないでしょうか」(東京都公立中学校PTA会長・てぃーこさん)

*要因4 PTAが女性ばかりだから

ご存知のとおり、PTAを構成するのは、女性が圧倒的多数です。

PTAに限りませんが、同じような属性の人間が多く集まると同調圧力が働きやすいため、新しいことを始める場合、多数派とは異なる属性を持つ人のほうがやりやすいことがあります。

たとえば、ある自治体ではずっと公務員出身の市長が続いていましたが、戦後初めて民間出身の市長が入り、それまでのやり方を大きく変えることに成功したといいます。

これと同様に、PTAも現状は女性ばかりだから、“異物”である男性のほうが変えやすい、という可能性も考えられるでしょう。

*要因5 女性はあまり自分で言わないから

最近気付いたのが、この要因です。女性は改革をしても、「自分がやった」というふうにあまりアピールしない傾向があること。これも、意外と大きい気がします。

実際のところ、どんなPTA改革も会長ひとりでできるものではありません。もちろん会長に依る部分は大きいのですが、それでもやはり、副会長などほかの役員さんたち、先生方と息が合って、ようやく可能になるものです。

そういったとき、女性会長は「自分がやりました」というふうに言わず、「みんなでやりました」という言い方をしやすい。そのために、女性会長のPTA改革事例が、目に付きづらいところもあるかもしれません。

つい最近も、ある女性と久しぶりにランチをしていた際、以前保育園の保護者会長としてスゴ腕をふるった話を聞き、仰天してしまいました。もし今回たまたま話をしなければ、そのことは知らずじまいだったと思います。

ほか、わたしがこれまで耳にした女性の改革事例も、たまたま知ったものが多いです。

これはある意味、女性の改革事例を見つけてこられなかった筆者の力不足ともいえます。もしかすると、わたしのなかにも「女性にはPTA改革はムリ」というバイアスがあったため、改革事例を見落としてきてしまった可能性もあるでしょう。(反省しています)

以上5点が、女性のPTA改革事例がなかなか見えてこない要因として考えられる主なものです。

PTA改革を経験したお母さんや、事例をご存知の方は、今後取材をお願いしたいので、お知らせいただけると幸いです。