Twitterから生まれた商品が連日行列&完売!

名古屋銘菓・カエルまんじゅうの進化版「ケロトッツォ」が連日完売の大ヒットとなっています。名古屋名物・ういろうで知られる老舗、青柳総本家が7月下旬に売り出すと、店頭に毎日行列ができ、1~3時間で売り切れてしまうほど。1カ月で販売数1万個を突破し、ういろうと並ぶ同社の看板商品に躍り出ました。

当サイトでもお届けした通り(「カエルまんじゅう『ケロトッツォ』。名古屋銘菓の進化版が大ヒット、その秘密とは?」/2021年8月6日)、ケロトッツォはTwitterから生まれた商品。巷でブームになっているイタリアのお菓子・マリトッツォを参考にカエルまんじゅうをアレンジした試作品を公式Twitterで6月に投稿。するとたちまち「かわいい!」「食べてみたい!!」と商品化を望む声が殺到しました。それを受けて急ピッチで商品開発を進め、デビューとなったのです。

「スピーディーに開発してトレンドに乗れたことでヒットにつながりました。しかし、何より本当においしく仕上がったことが支持を得られた一番の要因だと思います」と同社広報の木下美幸さん。

販売延長のためのミッションはさらにおいしい新バージョンの開発

商品開発室の山口碧さん。「ケロトッツォは生クリームとクリームチーズにこだわり、今回はさらに大人のぜい沢を感じられる味を目指しました」
商品開発室の山口碧さん。「ケロトッツォは生クリームとクリームチーズにこだわり、今回はさらに大人のぜい沢を感じられる味を目指しました」

「コロナ禍の中、明るい話題を提供したい」という思いからの企画だったため、当初は9月末までの期間限定商品という計画でした。しかし、あまりの人気ぶりに販売延長することに。とはいえこの決断は“人気があるからもっとたくさん売ろう”という単純なものでは決してなく、大きな覚悟が必要だったといいます。

「既存のカエルまんじゅうをカットしてクリームを加えるなど作業が多いため、毎日売り切れてしまってもなかなか増産できず、生産体制を大きく見直す必要がありました。また、販売延長するなら、今後も長く愛される定番商品に育てていかなければならない。そこで、もうひとつ自信をもってお届けできる新しい味をつくることができたら、生産体制を再構築することにし、ケロトッツォのさらなる進化版の開発に取り組んだのです」(木下さん)

この重大なミッションを受けて“新・ケロトッツォ”の開発に取り組むことになったのが商品開発室の山口碧さん。実はただ1人の開発専任スタッフで、ケロトッツォはもとより、今春に復活発売したういろうの珈琲&ゆず味や、初音ミクとのコラボで話題になったういろうのねぎ&ピスタチオ味など、一連の意欲的な商品も彼女がつくり上げたものでした。

ケロトッツォの新バージョンの試作品の数々。クリームに着色したものなど様々なアイデアが生まれては消えたという(写真/青柳総本家提供)
ケロトッツォの新バージョンの試作品の数々。クリームに着色したものなど様々なアイデアが生まれては消えたという(写真/青柳総本家提供)

「ケロトッツォはクリームにこだわって満足いく味にできたので、それを超えなきゃ、というプレッシャーがありました。秋に売り出すので栗や芋を使うという意見もあったのですが、定番にするためには季節感はあえて出さない方がいいと考えました。たくさん試作してたくさんボツになる中で、味も食感も新しいラムレーズン&くるみの組み合わせを思いついたんです」と山口さん。

方向性が決まった後も、ラム酒の量やレーズンとくるみのバランスに苦心したそう。試行錯誤をくり返した結果、レーズンはしっかりラム酒に漬け込み、レーズン:くるみの比率は4:3にすることで、「よりぜい沢な味わいを楽しめる仕上がりに。ブランデーなどお酒にも合う大人のスイーツになりました」(山口さん)といいます。

筆者もひと足先に試食しましたが、クリームの爽やかさとこしあんの甘みの中でラムレーズンがしっかり存在感を示し、くるみの食感もほどよいアクセントに。ラム酒の香りが余韻を残し、甘みが口に残らず後味のキレもよし。お茶うけとしてはもちろん、確かにワインやスピリッツ系のお酒と合わせてもおいしく食べられました。

生クリーム+クリームチーズ+レモン果汁のクリームとこしあんが絶妙なマリアージュ。さらにラムレーズンとくるみが味わいをよりリッチにしている。ノーマルのケロトッツォが350円に対しこちらは360円
生クリーム+クリームチーズ+レモン果汁のクリームとこしあんが絶妙なマリアージュ。さらにラムレーズンとくるみが味わいをよりリッチにしている。ノーマルのケロトッツォが350円に対しこちらは360円

大須本店でも販売。客層、購入法の拡大に期待

販売延長&新バージョンの発売に合わせて、大須本店(名古屋市中区)で取り扱いが始まるのも話題のひとつ。これまでケロトッツォはKITTE名古屋店(名古屋駅)と守山直営店(名古屋市守山区)のみでの販売でしたが、これで3店舗体制に。創業の地であるフラッグシップ店での販売はかねてよりの念願で、生産体制を整備したことで、晴れて実現することとなりました。

青柳総本家大須本店。名古屋随一の人気エリア・大須商店街のシンボル、大須観音のすぐ近く。奥には喫茶スペースがあり喫茶の利用客はケロトッツォも合わせてその場で食べることができる(3店舗とも水曜は販売なし)
青柳総本家大須本店。名古屋随一の人気エリア・大須商店街のシンボル、大須観音のすぐ近く。奥には喫茶スペースがあり喫茶の利用客はケロトッツォも合わせてその場で食べることができる(3店舗とも水曜は販売なし)

「郊外の守山直営店では3個詰めの箱入りを購入される方がほとんどで、KITTE名古屋店では1個、2個と自分用に買われるリピーターが多い。立地によって世代や購入の仕方も異なり、大須は観光客が多いエリアなので若い方にもご購入いただきやすく、また喫茶をご利用いただければその場で召し上がってもいただけます」と広報・木下さん。

新作の発売、そして販売チャンネルの拡大で、より幅広い需要や世代にケロトッツォの人気が広まることが期待できます。SNSから生まれた老舗の新銘菓がいっそう高くジャンプしそうです。

(写真撮影/筆者 ※ケロトッツォの試作品は青柳総本家提供)