名古屋めしスナック菓子の最新コラボ、あんかけスパ+ベビースターの実力は?

ヨコイ&おやつカンパニー、地元企業同士のコラボが強力な新商品を生んだ!

活況な名古屋めしスナックシーンでもハードルが高かったあんかけスパ味

昨年、当サイトの記事の中でも特に好評だった『あなたの知らない「名古屋めしスナック菓子」の世界』。手羽先味や小倉トースト味など、名古屋めしテイストのお菓子がキヨスクだけでも20種類以上あり、人気飲食店+菓子メーカーのコラボ商品も増えていることをレポートしました。

他にも味噌カツ味や赤味噌風味、コメダ珈琲店の名物スイーツ・シロノワール味などバラエティ豊かなテイストがありましたが、意外や見つからなかったのがあんかけスパゲッティ味。地元ではコアな人気があり、パンチもあるのでスナック向きな反面、ピリ辛で濃い口という特徴が手羽先とかぶることが商品化の壁になっていると推察されます。過去には数例、商品化されていますが、残念ながら定番化にはいたっていません。

東海地方の老舗同士の親近感から商品開発へ発展

「ベビースタードデカイラーメン ヨコイあんかけスパゲッティ味」。3月中旬より全国のコンビニ、スーパーなどで販売。5月末頃までの期間限定。ヨコイ店舗でも1袋130円で販売中
「ベビースタードデカイラーメン ヨコイあんかけスパゲッティ味」。3月中旬より全国のコンビニ、スーパーなどで販売。5月末頃までの期間限定。ヨコイ店舗でも1袋130円で販売中

しかし、この未開拓だったジャンルに果敢にチャレンジした商品が登場しました。その名も「ベビースタードデカイラーメン ヨコイあんかけスパゲッティ味」です。

「スパゲッティハウスヨコイ」はあんかけスパゲッティの元祖として知られる昭和38年創業の老舗。ベビースターラーメンのおやつカンパニーは、昭和23年に三重県津市で創業し、昭和34年にベビーラーメン(昭和48年にベビースターラーメンに改称)を商品化してロングセラーに。名古屋の人にとってはそれぞれなじみの深い地元ブランド同士がタッグを組んだコラボ商品なのです。

この商品、どんな経緯で生まれたのでしょう?

「ヨコイのあんかけスパゲッティをより広い層にアピールするために、スナック菓子をつくりたいという思いはかねてから抱いていました。そこにおやつカンパニーさんからお声がけいただき、願ってもない話だとふたつ返事でOKしました」とスパゲッティハウスヨコイの3代目・横井慎也さん。一方、「ベビースタードデカイラーメンは年に4種類以上のコラボ商品を売り出していて、今回は東名阪のご当地グルメを取り上げたいと考えていました。ベビースターはラーメンのスナックのためめん類と親和性が高いので、あんかけスパゲッティ味に挑戦したいと考えてヨコイさんにお声がけしました」とはおやつカンパニー・マーケティング本部の諸岡亜由美さん。

「あんかけスパの特徴であるパンチ、酸味、コクをどう表現するかを重視しました」(ヨコイ横井慎也さん)「コラボ先と当社のこだわりの相乗効果でおいしい商品を開発できれば」(おやつカンパニー諸岡亜由美さん)
「あんかけスパの特徴であるパンチ、酸味、コクをどう表現するかを重視しました」(ヨコイ横井慎也さん)「コラボ先と当社のこだわりの相乗効果でおいしい商品を開発できれば」(おやつカンパニー諸岡亜由美さん)

「地元企業同士、お互い親近感を抱いていた」とスタート時点から友好的なムードで、開発は順調に進んだといいます。

「初顔合わせの時に早くもサンプルを持ってきてくださり、その時点で既に大枠でうちの味になっていた。特に表面にフレーバーをつけるだけでなく、生地からもヨコイのソースの味がするのに感心しました。スタッフの中には“この味で売り出すんだ”と思った者もいたほどです」(横井さん)「ヨコイのレトルトソースを取り寄せたり、開発担当者がお店に食べに行ったりして味の再現に取り組みました。ヨコイのソースをイメージしてうまみとコクのある生地に仕上げ、表面のみぞにトマトの酸味やピリッとした風味をつけました」(諸岡さん)

サンプル試作→チェックのキャッチボールを5~6回くり返し、お互いに納得のいく味が完成。3月中旬に発売の運びとなりました。

こうしたコラボ商品は、話題性があるのと同時に、既存のファン以外の層にアプローチできるのも魅力です。

「うちのスパゲッティは小さなお子様では辛くて食べられないかもしれませんが、スナック菓子ならお子様にも食べてもらえる。それをきっかけに、早くホンモノのあんかけスパを食べてみたい!と思ってもらえれば」(横井さん) 「スナック菓子は基本的にお子様向けの商品ですが、あんかけスパのようなパンチのある味なら大人にもおつまみとして食べていただける。また、一般的にスナック菓子は女性の購入者が多いのですが、ベビースターもあんかけスパも男性ファンが多いので、男性層からの支持も期待しています」(諸岡さん)

さて、筆者も実食。レギュラーのドデカイラーメンはチキン風味ですが、あんかけスパ味は袋を開けた瞬間、スパイシーで濃厚な香りが広がります。口に運ぶと最初はコショウのピリッとした辛みが、続いてみぞからトマトの酸味が伝わり、さらに2つ3つ口に入れてポリポリとかじっているうちに肉のうまみがじわりと広がってきます。確かに、あんかけスパゲッティの特徴がベビースターラーメンの中に表現されています。

ちょっと味が濃いかな、と感じる人も多いかもしれませんが、名古屋人にとってはこれくらいがちょうどよいのでは。うまみ重視の名古屋めしは最初は抵抗があっても慣れるとクセになる、という魔力をもっているので、他地方の人も何度か食べているうちにハマるんじゃないでしょうか。

スパゲッティハウス ヨコイでは、市内3店舗でそれぞれベビースタードデカイラーメンあんかけスパゲッティ味を盛り込んだオリジナルメニューを販売。エビフライの衣やハンバーグの生地にスナックを練り込んである
スパゲッティハウス ヨコイでは、市内3店舗でそれぞれベビースタードデカイラーメンあんかけスパゲッティ味を盛り込んだオリジナルメニューを販売。エビフライの衣やハンバーグの生地にスナックを練り込んである

これって何の味? 名古屋人100人が実食テスト!

さて、その再現度はどれくらい一般の消費者に伝わるのか? 名古屋人を対象に実食テストしてみました。

【名古屋めしスナック 実食テスト】

〇方法/『ベビースタードデカイラーメン ヨコイあんかけスパゲッティ味』を別の袋に移して実食。何の名古屋めしの味かを当ててもらう

〇対象/名古屋在住・在勤・在学の男女100名(男性33名・女性67名)

結果は…正解は100名中44名!

ブラインドテストでこの正解率はかなり高いと言えるんじゃないでしょうか。また、男性に限ると正解は33名中19名と58%までアップします。ヨコイのあんかけスパゲッティは男性ファンの方が多い料理ですから、男性の被験者が多ければ正解率はさらに上がったかもしれません。

回答の多かったものは以下の通り。

1位 あんかけスパゲッティ…44名(うち「ヨコイ」3名)

2位 手羽先…22名

3位 味噌カツ…6名

4位 台湾ラーメン…3名

主なコメントは下記の通り。

「スパイシーでお酒にピッタリ」(20代男性・あんかけスパは年に数回食べる)「最初は鉄板ナポリタンかと思ったけど後味が違う。酸味があるからこれは…あんかけスパ!」(30代女性・あんかけスパは年に数回食べる)「甘酸っぱ辛くてボリュームがあって好き。ビールに合いますね」(40代男性・あんかけスパはこれまでに数回食べたことがある)「うまい。めちゃめちゃ好き!(でも回答は「手羽先」)」(40代男性・あんかけスパは月に数回食べる)「う~ん、ちょっと分かりづらいかも(でも回答は「あんかけスパ」で正解)」(40代男性・あんかけスパはこれまでに数回食べたことがある)「味噌の風味がして味噌カツかと思った。酸っぱい気がした」(50代女性・あんかけスパは年に1回くらい食べる)

名古屋めしは総じて「味(=うまみ)が濃い」という特徴があるため、あんかけスパゲッティ以外の料理と間違える回答も多く見られました。それでも「ピリ辛」「味が濃い」という特徴がかぶる「手羽先」と比べても「あんかけスパ」の正解数がちょうど2倍も。これはトマトの酸味などあんかけスパゲッティならではのエッセンスがちゃんと感じられた結果ではないかと思われます。

バラエティ豊かな名古屋めしスナック菓子。あれこれ買い込んで、「何の名古屋めしテイストか?」を当てるテストを友人同士でやってみるのも楽しそう
バラエティ豊かな名古屋めしスナック菓子。あれこれ買い込んで、「何の名古屋めしテイストか?」を当てるテストを友人同士でやってみるのも楽しそう

「あんかけスパゲッティ」「手羽先」「味噌カツ」「小倉トースト」など、スナックでもバラエティ豊かな味わいを楽しめる名古屋めし。いろんな味の商品を買いそろえて、どの名古屋めしの味かを当てるテストをしてみるのも楽しいんじゃないでしょうか。

(写真撮影/すべて筆者)