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球宴明けの勝率は9割!球団史上最多の貯金31で終えた公式戦《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
26日に今季の公式戦をすべて終えた阪神ファーム。阪神甲子園で開催は大好評でした。

 24日に3年ぶり17度目のウエスタン・リーグ優勝を決め、26日のオリックス戦で今季の全日程を終了した阪神ファーム。どんよりした空から霧雨が落ちてくる、少し肌寒いくらいの天候にもかかわらず、最後まで拍手を送ってくださったお客様は2157人でした。俊介選手、桑原謙太朗投手の引退試合となった25日には2782人で、3連戦の合計が6155人となっています。

 今月中旬に鳴尾浜から甲子園へと変更された、このオリックス3連戦。昨年に続いて鳴尾浜での試合はすべて無観客開催だったこともあり、最後に甲子園で選手たちを見ることができたと皆さんはとても喜んでおられました。私も取材はできなかったけれど、3試合ともスタンドで観戦できてよかったです!

 25日の2戦目は先制しながら追いつかれて引き分けたものの、優勝を決めた24日の1戦目も、26日の最終戦も逆転での勝利!まさに今季の戦いぶりを集約したような展開でした。たとえ序盤に2点や3点を先取されても、きっとひっくり返してくれる。それが強みだったと言えますよね。

後半34試合の勝率は9割超!

 最終成績は106試合を戦って65勝34敗7分け、勝率.657。貯金が31もあります。2005年にはシーズン途中で貯金31だったものの、終了時点では28。前回優勝の2018年も最多は30、終了時は28なので、31の貯金を持って終えたのは初。そしてファームとしては球団史上最多です。

 特筆すべきは、やはり球団記録だけでなく、ウエスタン・リーグ、さらにはファーム全体での記録を大幅に更新した18連勝と、それによるシーズン後半の成績でしょう。7月のオールスター明け以降に34試合を行っているのですが、負けたのは3試合のみ!28勝3敗3分けで.903という驚異の勝率でした。

 ちなみに、シーズン途中ながら31の最多貯金を記録した2005年は最終成績が(88試合)55勝27敗6分けの.671。この年は開幕してから一度も首位の座を譲ることなく優勝を決めました。ことし1軍が優勝すれば、この時以来の親子Vということになります。

 各チームとの対戦成績は、ソフトバンクとは13勝13敗2分けの五分で、中日戦は12勝7敗2分け、オリックス戦は18勝6敗3分けと。そして広島戦は21勝6敗と大きく勝ち越しました。

最後も、“らしい”逆転勝ち

 では、今季最後の公式戦となったオリックスとの試合を振り返りましょう。お互いに少しミスもありましたが、中盤に得点を重ねた阪神の逆転勝ち。何といっても8回途中に登板した尾仲祐哉投手と、9回を3奪三振で締めたエドワーズ投手が素晴らしいかったですね!

《ウエスタン公式戦》9月26日

 阪神-オリックス 最終27回戦 (甲子園)

  オリ 010 100 020 = 4

  阪神 000 112 30X = 7

◆バッテリー

 【オ】本田(4回)-鈴木(1回)-●阿部(1勝1敗)(1回)-漆原(2/3回)-神戸(1/3回)-中川颯(1回) / 松井-釣(5回~)-中川拓(8回裏)

 【神】西純-小野-○佐藤蓮(3勝1敗)-石井将-尾仲-Sエドワーズ(1敗5S) / 藤田 

◆二塁打 オ:来田 神:板山、山本

◆盗塁 オ:佐野如(5) 神:片山(3)

◆打撃    (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

 1]左:江越  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .251

 2]遊:遠藤  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .235

 3]三:板山  (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .265

 4]右:ロハス (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .267

 〃走中:奥山 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .263

 5]二:山本  (2-1-4 / 0-1 / 0 / 0) .300

 6]中右:高山 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .202 

 7]指:長坂  (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .212

 8]一:片山  (4-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .217

 9]捕:藤田  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .143

◆投手    (安-振-球/失-自/防御率) 最速

 西純  3回 39球 (5-0-1 /1-0/ 4.11) 150

 小野  2回 35球 (1-0-2 /1-0/ 1.38) 152

 佐藤蓮 2回 31球 (0-1-1 /0-0/ 5.71) 152

 石井将 0回 24球 (1-0-4 /2-2/ 3.48) 139

 尾仲  1回 10球 (0-2-0 /0-0/ 1.37) 150

 エドワ 1回 11球 (0-3-0 /0-0/ 2.91) 150

      ※“球”は四球と死球の合計

《試合経過》※敬称略

 1回は三者凡退で立ち上がった西純ですが、2回に4番・来田の二塁打と大下への四球(藤田が捕逸)で無死一、三塁とし、6番・佐野如に中前タイムリーを浴びて1点を先取されます。

 3回は9番・廣澤の中前打、田城の左前打、中川圭のバントヒット(ファースト片山が三塁線を越えて捕球するも足を滑らせ投げられず)の3連打で無死満塁としながら、3番・西野は一ゴロ併殺(3-2-3)、来田は遊ゴロで0点に抑えた西純。予定の3イニングを投げ、規定投球回クリアとなって交代です。

 4回は小野が登板。1死後に四球で出た佐野如を、盗塁と藤田の捕逸で三塁まで進め、続く勝俣に右前タイムリー。2対0とリードを許しました。

 しかし阪神打線は4回、板山がライトフェンス直撃の二塁打を放ち、ロハスの右飛で1死三塁となって山本が左犠飛!さらに5回、長坂の四球と藤田の中前打などで2死一、二塁として遠藤が中前タイムリー!これで同点。

 まだ続きます。6回は板山が内野安打、ロハスは右前打で無死一、三塁。山本の三ゴロで板山はホームタッチアウトとなりますが、なおも1死二、三塁で、次の高山のゴロをセカンド西野が後逸!2人とも還って4対2と勝ち越しに成功しました。

 さらに7回、江越の左前打と連続四球などで2死満塁とし、山本が走者一掃の左中間タイムリー二塁打!7対2と大きくリードを広げます。

 一方の投手陣。小野の2イニング目となる5回は1四球のみで、藤田の盗塁阻止もあり3人で終了。ついで登板した佐藤蓮が6回に死球を1つ与えたものの後続を断ち、7回はフライ3つで三者凡退!

 ところが8回、前日に連続四死球から2打たれて2対2のタイスコアにしてしまった石井将が、志願の登板だったようなんですが…今度は3連続四球で無死満塁として大下に左前タイムリー。続けて暴投、そして四球。この日も2点を失い、ここで降板します。

 なおも無死満塁で登板した尾仲は、まず勝俣を3球で見逃し三振に仕留め、代打・中川拓も3球で見逃し三振!最後はワンバウンドしたボールを後逸した藤田ですが、すぐに捕ってホームのベースカバーに入った尾仲へ送球してアウト!見事な火消しでしたねえ。

 9回はエドワーズが、これまた圧巻の3者連続三振で試合終了です。

意識高く最後まで戦ったことを評価

 では平田勝男監督の談話をご紹介しましょう。今季の総括ではなく、この日の最終戦についての話です。

 Q、今季を象徴する試合だったのでは?

 「ほんと、選手たちの粘りというか、そういうところを最後まで集中力を切らさずにやってくれたと思うわね。意識を高く持って最後までやってくれたというのは、褒めてあげていいんじゃないかな」

 Q、西純矢投手は2年目で初めて規定投球回に到達しました。

 「規定投球回にね。中4日やったけど、2回1/3で達成するということで、投げさせたけどな。まあ、まだまだやな。3回で5安打か?中4日とはいえ、しっかり捉えられとる。このへんは課題ができてよかったんじゃない?やっぱりランナーが出たり、セットポジションになると、細かいコントロールだとか球威も含めて、ちょっと精度が落ちるよね。ちょっとずつこれからまた克服していけばいい」

 Q、遠藤成選手が2番で出場。打席では粘っていたように見えます。

 「ここのところずっとね。きょうはショート守らせたり、2番を打たせたりというところで、(カウント)3-2からもしっかり粘ったりもしていたし、ヒットも出ているしね。それは成長してきていると思うよ」

 Q、山本泰寛選手は走者一掃の二塁打!

 「(山本)ヤスはずっと、何番を打たせても問題ないね。どこを守らせてもレベルが違うからね。打順でも、チャンスメイク、送る、還す、すべて兼ね備えているんで、ありがたい選手や」

 Q、山本選手など、成績を残している選手は1軍の力になれますか?

 「上が勝っているから、それは難しいところだよね。1軍が決めることなんで、今はどういう選手が必要か、それはなんとも言えない。1軍に上がっていくのは小野寺とか、首位打者を取っている、そういう選手なんで。それは自然と出てくること」

 Q、尾仲投手はピンチを救いました。

 「石井(将希)がフォアボールで。きょうは安藤コーチが、もう一度投げさせてくださいって言うからね。ちょっと石井将は残念だな。尾仲はあれくらい投げられる。不思議でもなんでもない」

 以上が平田監督のコメントです。

個人タイトルの行方は?

 阪神は公式戦を終えましたが、ウエスタン・リーグは28日からソフトバンク-中日3連戦(タマスタ)、オリックス-広島3連戦(オセアン)があり、今月末で全日程終了となります。よって個人タイトルはまだ確定していません。

 投手陣では、西純矢投手が26日に3イニングを投げ、あと2回1/3だけ足りなかった規定投球回数をクリア。防御率を少し上げてシーズンを終えました。ルーキーイヤーの昨年は届かなかった規定投球回数に達したということは、それだけコンスタントに投げられた証と言えますね。

 19日の登板で一足先に規定投球回をクリアした村上頌樹投手は10勝、勝率.909でリーグトップ。2.23という防御率ももちろんトップで、2位が広島・中村祐太投手の2.85。勝利数、勝率ともソフトバンク・大竹耕太郎投手が2位にいますが、村上投手の3冠は問題ないでしょう。

 最多セーブは現時点で阪神の浜地真澄投手とソフトバンクの椎野新投手が8で並んでいます。このまま2人で分け合ってもらえたら、村上投手と浜地投手で投手のタイトル4つを獲得できるな、なんて勝手なことを考えてみました。これはまだわかりません。

 打者のほうでは、小野寺暖選手が打率と出塁率でトップをキープしていて、おそらく最後までいけるんじゃないかと思います。

 打点は、ケガで欠場していても抜かれていない井上広大選手の50が今もまだトップ。ついでソフトバンクのリチャード選手が49ですが、1軍にいるので差は変わっていません。残り3試合、どこかで出て来なければ…ということで。

 ホームランはリチャード選手(12本)か、広島の正隨優弥選手(11本)か。2人とも1軍ですけど、阪神の井上選手は9本で届きませんでしたね。残念です。

怪しくなってきた最多盗塁…

 盗塁も阪神の島田海吏選手が早くに21個という数字を出して、そのあと1軍で活躍中。結構な差がついていたし、なかなか追い上げてこなかったから安心していたんですけど…来ましたよ。17個で2位につけていた広島の羽月隆太郎選手と14個で3位だった中日の岡林勇希選手が…。

 その動向をご紹介しますと、23日の広島-阪神戦(由宇)で、阪神の榮枝裕貴選手が羽月選手の盗塁を1つ阻止しました。これで23日の試合が終わった時点で2位・17個、3位・14個と変わっていません。

 しかし、翌24日から広島と中日の直接対決が始まり、まず中日の岡林選手がなんと1試合3盗塁を決め、羽月選手と並んで17個に!25日は羽月選手が1つ成功させて18個、岡林選手は1つ失敗で17個のまま。

 そして26日、今度は羽月選手が2つ成功!これで20個に到達。トップの島田選手とは1つしか差がなくなりました。岡林選手は17個ですが、これもまだわかりませんよねえ。なんせ最多盗塁のタイトルに関しては2017年の植田海選手と2018年の島田選手が、最後の最後に抜かれて1差で逃したことがあるだけに。

 あす28日から30日まで、阪神はソフトバンク3軍との練習試合です。公式戦は終わったけれど10月9日のファーム日本選手権に向けて、“負けない、諦めない”今季の戦いをしっかり維持してほしいですね。あとは、公式戦残り3試合での羽月選手と岡林選手の盗塁にも注目したいと思います!

  《掲載写真は筆者撮影》

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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