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OBC高島がクラブ選手権準優勝!元阪神・野原祐也監督「選手に感謝しかない」

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
28日の準々決勝を終えたOBC高島の皆さん。野原監督は枠外で微笑んでいます。※

 8月26日から29日まで、メットライフドームで開催されていた『第44回全日本クラブ野球選手権大会』は、西近畿地区代表・マツゲン箕島硬式野球部の優勝で幕を閉じました。昨年の覇者・大和高田クラブも順当に勝ち上がり、3年連続でこの2チームの決勝だろうという予想を覆したのは、10年ぶり3度目の出場で最高成績がベスト4だったOBC高島です。

 元阪神の野原祐也監督(34)が就任して3年目、これまで苦戦を強いられてきた同じ東近畿地区の大和高田クラブに、全国大会で借りを1つ返しました。その対戦は8月29日の準決勝でのことなので、のちほど。前日の28日に行われた準々決勝までは現地で観戦し、話も聞いてきましたのでご紹介します。その前に、同26日の初戦はこちらの記事でご覧ください。→<もと阪神・野原祐也監督が“初陣”で逆転勝利!>

【準々決勝】スクイズで先制!

 8月27日は試合がなく、さいたま市内で練習を行ったOBC高島。そして翌28日の第2試合で松山フェニックス(中国・四国地区代表)との準々決勝に臨みました。先発は1回戦と同じ山下聖也投手(25)。社会人野球の公式戦ではよくある、中1日での登板です。

《8月28日 第2試合 準々決勝》

松山フェニックス-OBC高島

 松山 001 000 001 = 2

 高島 010 000 02X = 3

 

◆バッテリー

【松】江尻(5回)-●松井(2回2/3)-伊藤(1/3回) / 井上和

【高】山下-○永井 / 橋本辰

◆三塁打 高:菅

◆二塁打 高:菅、松浪

◆盗塁 高:松下

※個人成績はOBC高島のみ

◆打撃  (打-安-点/振-球)

1]二:松下  (4-1-0 / 0-0)

2]三:佐竹  (4-1-0 / 1-0)

3]中:寺前  (4-0-0 / 2-0)

4]遊一:松浪 (4-2-0 / 1-0)

5]指:中野  (4-0-0 / 0-0)

6]右:菅   (4-4-0 / 0-0)

7]左:田中  (3-1-2 / 0-0)

8]捕:橋本辰 (3-2-1 / 1-1)

9]一:金安  (2-0-0 / 1-0)

〃打:橋本風 (1-0-0 / 1-0)

〃遊:谷口  (1-0-0 / 1-0)

◆投手 回 (安-振-球/失-自)

山下 7回 (9-10-4 / 1-0)

永井 2回 (3-3-0 / 1-0)

<試合経過>※敬称略

2回無死三塁で田中選手がスクイズ!サインだったそうです。
2回無死三塁で田中選手がスクイズ!サインだったそうです。

 OBC高島は2回、先頭の菅が右中間への三塁打で出ると、続く田中が初球でスクイズ!これで先取点を挙げました。しかし山下は3回、四球と自身の牽制ミスにより1死三塁として、3番の右前タイムリーで追いつかれます。その後は互いにチャンスを作りながら追加点なく、1対1のまま終盤へ。

8回、田中選手の“レフトゴロ”で生還!ガッツポーズをする松浪選手。
8回、田中選手の“レフトゴロ”で生還!ガッツポーズをする松浪選手。

 8回裏に先頭の松浪が左越えの二塁打を放ち、1死後に菅が右前打で一、三塁となって田中は犠飛かと思いきや、レフトが捕球していないという審判のジェスチャーで三塁から松浪が生還!一塁走者はレフトからの送球により二塁でアウトになったあと、相手側のアピール(おそらくタッチアップについて)で流れが止まって、それを見た打者走者の田中は二塁へ行きました。

同じく8回、橋本辰選手がタイムリー!2点差とします。
同じく8回、橋本辰選手がタイムリー!2点差とします。

 ここで再び相手監督が抗議(おそらく進塁について)。しかし審判から「バッターランナーはインプレー中に二塁へ到達したもの」と説明があり、2死二塁でゲーム再開。次の橋本辰が右中間へのタイムリー!大きな2点を加え、3対1とリードします。ところが、8回から登板の永井は9回に先頭から連打されて無死一、二塁。続く遊ゴロで併殺を狙うも送球エラーがあり1死のみ、しかも二塁走者を還してしまいました。打者走者も二塁へ進め、同点のピンチ。でも中飛と三振で後続を断って試合終了。1回戦同様、1点差での逃げ切りです。

“野原野球”の浸透

 野原監督が試合後に「菅はさらっと4本も打ちましたね。大学の後輩なんですよ」と話した菅彰太選手(23)は国士館大から入ったルーキー。右中間三塁打、左翼線二塁打、右前打、右前打の4打数4安打ながら「たまたまです」というコメント。そして「4の4なんて小学校以来!」と笑います。

2回にスクイズで生還した菅選手は、三塁打の後も二塁打と単打2本で4打数4安打!
2回にスクイズで生還した菅選手は、三塁打の後も二塁打と単打2本で4打数4安打!

 あとホームランが出ればサイクル安打ということは?「何も意識はなかったです。ピッチャー陣にはちょっと言われたけど。でも自分としては、チャンスだったので打ってランナーを還すことだけ考えていました」。ところで、スタンドに『菅彰太』と個人名の横断幕がありますね。「はい。最初は緊張しました(笑)」

 次に田中琢也選手(23)。やはりルーキーです。2回の先制スクイズは1ボールからの2球目で敢行。「スライダーです。とりあえず1点を取りにいこうというのはオープン戦から言っていたので。自分ができるのは小技。ランナーを還すことだけ考えました」。加えて8回の勝ち越し点も田中選手。「集中して、ファーストストライクを強く打とうと思っていた」

8回、田中選手は橋本辰選手のタイムリーで還りました。
8回、田中選手は橋本辰選手のタイムリーで還りました。

 二塁へ進んだのも大きかったのでは?「二塁が空いていたし、タイムはかかっていないし。行って戻るのはいいと思ったので。1点差ではしんどいですもんね。あのあと橋本(辰)さんが打ってくれて、そのヒット1本で還れたからよかったです!」。しっかり集中して周りも見ていた結果でしょう。「監督にいつも、次の塁を狙うことを言われています。それが僕にできる役割だと思って」。その野原監督は「田中の2打点、素晴らしかったですね。守備でもいいところがあって救ってくれる」と高評価でしたよ。

 また野手最年長の佐竹誠人選手兼任コーチ(30)も「相手のすきをつくとか細かいところをしっかりやって、周りを見てプレーすることが、ここ2試合できてきたかなと思います。新人が合流して練習を積み重ねて、それをこんないい球場で発揮させてもらっている。若い人はミスを恐れずやってほしい」と、次の準決勝へ向けて話しています。

試合終了の挨拶をするバッテリー。永井投手(左)と橋本辰選手(右)。
試合終了の挨拶をするバッテリー。永井投手(左)と橋本辰選手(右)。

 この日のトリは橋本辰太郎選手(24)です。8回のタイムリーは「チェンジアップ1本に絞って狙いました。前の打席で空振りを取られたのがチェンジアップだったので。真っすぐやフォークもよかったんですけど、両方を待っていたらダメだし、確率の高い方をと思って。僕には変化球かなと」と自己分析。「三振してもいいくらいの気持ちで振ったら、うまいこと引っかかって、いいところへ飛んでくれた(笑)」。でも9回に1点返されたわけで、あれがなかったら…と言ったところ「いや、もうピッチャーのおかげです」と、捕手らしいコメントでした。

【準決勝】天敵相手に逆転勝ち!

 8月28日は、第1試合で東近畿地区代表の大和高田クラブ、第3試合で九州地区代表のビッグ開発ベースボールクラブ、第4試合で西近畿地区代表のマツゲン箕島硬式野球部が勝ち抜け、3つが近畿というベスト4が出揃いました。最終日の翌29日は準決勝2試合に続いて決勝が行われ、第1試合はOBC高島と大和高田クラブの同地区対決です。先発は永井皓介投手(25)で6回まで投げ、山下投手がリリーフで3回を投げています。

《8月29日 第1試合 準決勝》

OBC高島-大和高田クラブ

 高島 000 000 050 = 5

 大和 100 021 000 = 4

 

◆バッテリー

【高】永井-○山下 / 橋本辰

【大】松林(7回2/3)-●金村(0/3回)-本野(1回1/3) / 眞鍋-恩庄

◆本塁打 大:肥田ソロ(永井)

◆盗塁 高:菅 大:肥田、山本、松本、内山2

※個人成績はOBC高島のみ

◆打撃  (打-安-点/振-球)

1]二:松下  (4-1-1 / 1-0)

2]三:佐竹  (4-0-0 / 0-0)

3]右:菅   (3-1-1 / 0-1)

4]遊一:松浪 (3-0-0 / 1-1)

5]指:橋本風 (4-1-1 / 0-0)

6]左:田中  (4-2-0 / 2-0)

7]一:金安  (2-0-0 / 1-0)

〃打:那須  (1-1-0 / 0-0)

〃走遊:谷口 (1-0-0 / 1-0)

8]捕:橋本辰 (4-0-0 / 2-0)

9]中:寺前  (2-0-0 / 1-0)

〃打中:中野 (2-1-1 / 0-0)

◆投手 回 (安-振-球/失-自)

永井 6回 (10-1-3 / 4-4)

山下 3回 (1-4-2 / 0-0)

<試合経過>※敬称略

準決勝は永井投手が先発。写真は28日の準々決勝です。
準決勝は永井投手が先発。写真は28日の準々決勝です。

 前半は大和高田クラブのペース。永井は1回に肥田の先頭打者ホームランを浴び1点。5回はヒットと四球などで1死一、二塁として3番・山本のタイムリー、さらにヒットと盗塁で1死満塁となり、5番・比屋根(もとヤクルト)の中犠飛でこの回2点。6回にも2死三塁で肥田のタイムリーで、計4点を失いました。一方のOBC高島は、なんと7回まで1安打のみ。走者自体がエラーと四球で1人ずつ、そして5回に左前打を放った田中、この3人だけです。

 永井に代わって登板した山下が7回裏、3番からを三者凡退に切って取った直後の8回。先頭の田中は内野安打、代打・那須が右前打で無死一、三塁として、1死後に代打・中野が中前タイムリー!松下はセーフティスクイズを敢行し、これをサードが二塁へ悪送球(記録は内野安打とエラー)。三塁走者に続き、一塁から中野も還って3点返しました。ベンチの野原監督が控えめに、でも珍しくガッツポーズ!

山下投手は7回から登板。3回1安打無失点でした。写真は28日の準々決勝。
山下投手は7回から登板。3回1安打無失点でした。写真は28日の準々決勝。

 二塁まで行った松下が佐竹の遊ゴロで三塁へ進み、菅の右前打で生還!これで同点です。さらに菅が二盗、松浪は申告敬遠で2死一、二塁になって橋本風が左前タイムリー!なんと打者10人で6安打、一挙5点を取って逆転成功です。

 その裏の山下は先頭を内野安打で出すも、バント失敗や守備妨害などで0点に抑え、9回の攻撃は三者凡退で1点差は変わりません。その裏、山下は先頭に死球を与え、暴投と犠打で1死三塁。2死後に四球で2死一、三塁となったものの最後は比屋根を三ゴロに打ち取って試合終了。チーム初の決勝進出を決めました。

【決勝】1安打でコールド負け…

 準決勝2試合目は、マツゲン箕島硬式野球部がビッグ開発ベースボールクラブを6対2で下して、3年連続の決勝へ。3年続けて東西近畿対決となった決勝ですけど、ことしはOBC高島が割って入りました。決勝進出も、大和高田を破ったことも、快挙と言っていいでしょう。テレビ画面からも大興奮の様子が伝わってきたくらいです。

《8月29日 第3試合 決勝》

OBC高島-マツゲン箕島硬式野球部

 高島 000 000 0 = 0

 マツ 202 010 2x = 7

  ※7回コールド

 

◆バッテリー

【高】●吉井-山下 / 橋本辰

【マ】○和田(7回) / 水田

◆三塁打 マ:渡部、夏見

◆盗塁 マ:池島

※個人成績はOBC高島のみ

◆打撃  (打-安-点/振-球)

1]二:松下  (3-0-0 / 0-0)

2]三:佐竹  (3-0-0 / 1-0)

3]右:菅   (3-0-0 / 3-0)

4]遊:松浪  (3-0-0 / 1-0)

5]指:橋本風 (2-1-0 / 1-0)

6]左:田中  (2-0-0 / 0-0)

7]一:金安  (2-0-0 / 0-0)

8]捕:橋本辰 (2-0-0 / 1-0)

9]中:寺前  (2-0-0 / 0-0)

◆投手 回 (安-振-球/失-自)

吉井 2.1回 (2-2-4 / 4-4)

山下  4回 (4-3-2 / 3-1)

<試合経過>※継承略

 優勝候補を破って初の決勝進出という“快挙”を背負って、大会初登板となる吉井が先発。1回に2四球と三塁打で2点、2回は三者凡退でしたが、3回にまた2四球と三塁打で2点を失って降板しています。打線は4回まで完ぺきに抑えられ、5回にようやく橋本風が初ヒットの左前打を放ち、田中は相手エラーを誘って1死一、二塁とするも併殺で無得点。6回、7回も三者凡退でした。

 なお3回途中から山下が、中2時間ほどで登板。5回は振り逃げからタイムリーを許して5点目。7回はヒットとエラーに四死球が続き、押し出しで1点。なおも1死満塁でまたエラーがあり1点。これで7対0となって、コールドゲーム。試合終了です。マツゲンの攻撃詳細は次の記事で書かせていただきます。

「コツコツ積み重ねていけば全国でも勝てる」

4試合すべてに登板した山下投手。今大会の敢闘賞に選ばれました。
4試合すべてに登板した山下投手。今大会の敢闘賞に選ばれました。

 試合後の表彰式で、準優勝のカップと盾、野原監督をはじめコーチ、選手全員が準優勝メダルを授与されました。そして個人賞の敢闘賞を、OBC高島の山下投手が受賞。今大会4試合すべてに登板し、しかも計20イニングを投げて2勝0敗、防御率1.35は素晴らしいですね。野原監督は「山下と永井がよく投げてくれた」と言い、佐竹選手も「山下さまさま!」とねぎらっています。

 決勝を終えた野原監督からは「選手が本当によく頑張ってくれました!また高島へ戻って、応援してくださった皆様に感謝の気持ちを持ちながら頑張りたいと思います!」というメールが届きました。埼玉の実家に顔を出してから帰るのかと思いきや、挨拶回りが忙しくて実家には寄れないとか。滋賀県高島市へ戻ってからも同じでしょうね。

試合後に整列して挨拶。スタンド側へ振り返ると、野原監督はいつも穏やかな笑顔です。
試合後に整列して挨拶。スタンド側へ振り返ると、野原監督はいつも穏やかな笑顔です。

 今大会を振り返って「すごいと思います。オープン戦や練習試合であまり勝てない時期があったんですけど、コツコツ積み重ねていけば全国で勝てるということを、みんな肌で感じてくれたと思います」と野原監督。選手を集めてのミーティングでは「正直ここまで来られると思わなかった」という言葉もあったとか。「いや~ほんと、いい勉強をさせてもらっていますよ。感謝しかないですね」

 3年前に寮と室内練習場へお邪魔した時から、今も変わらず前向きな選手だそうです。「僕の言うことを、みんな素直に聞いてくれる。ノートに書き留めてやってくれるんです。普段の練習中でも書く。こっちから言ったわけじゃないのに。そういう姿勢ですね」。何かを吸収しようという熱意が伝わってきました。

 それと、野原監督は「OBが来てくれるのが嬉しいですねえ!仕事もあるのに、わざわざ応援に来てくれた」とニコニコ。それだけでなく「普段から、ちょこちょこLINEもくるんですよ。頑張ってください!って」と笑います。

チアダンス部に合わせて踊るOBの那珂さん(手前)と小田さん(奥)。
チアダンス部に合わせて踊るOBの那珂さん(手前)と小田さん(奥)。

 28日は、昨年まで所属していた那珂大心さん小田悠斗さん(ともに投手)が、仕事の休みを利用して名古屋から駆けつけました。スタンドから名指しで大きな声援を送り、気づいた選手はものすごく嬉しそうな笑顔を返してきます。またチアの真似をして一緒に踊り、今度はスタンド観戦の親御さん方を盛り上げて。最強の応援団ですね。

チームも選手も成長した4日間

 準優勝は大健闘だと思います。でも、てっぺんに手が届くところまで行ったからこそ、今までにない悔しさを味わったかも。テレビで解説の方も「出たら決勝へ行ける力を持ちながら、出るのが10年ぶりのOBC高島。近畿のレベルの高さが裏付けられた大会だった」と評していました。いつかOBC高島が優勝して、次年の東近畿地区代表枠を2つに増やせるようにしたいですね。

28日、スタンドの那珂さんらに名前を呼ばれ、笑顔で答える佐竹選手。
28日、スタンドの那珂さんらに名前を呼ばれ、笑顔で答える佐竹選手。

 佐竹選手は「東近畿予選で大和高田クラブに0対1で敗れて、第2代表という形で出させてもらった全国大会。ここで大和高田に勝とうという目標を持ってきました。ことしの都市対抗予選でもやられていたし、決勝じゃなかったけど、それはクリアできたと思います」と振り返り、そのあと「でも決勝という大舞台で…」と言葉を止めました。

 「まあ4日間で4試合(後半は2日間で3試合)をやるというスケジュールを経験したことがなくて疲れもあったかも。それは言い訳ですけどね。試合が始まったら関係なかったので」。確かに決勝で対戦したマツゲン箕島硬式野球部は、一昨年と昨年で決勝を経験している選手がほとんどですからね。

冒頭の集合写真の前に、ちょっとポーズを取ってもらいました。28日の試合後です。※
冒頭の集合写真の前に、ちょっとポーズを取ってもらいました。28日の試合後です。※

 「でも、この4試合でチームが成長したと思います。試合をこなしていく中で、成長していく姿を見られました。またツイッターで『挨拶をしっかりしてくれて気持ちいい』と書いてくださった方もあったんです。嬉しかったですね。そういうところをキッチリやった上で、泥くさい野球をしよう!といつも言っているので」と佐竹選手。

 「野原監督のおかげです。やっとチームとして、いい方向に進んでいけていると思います」と力を込めました。

恩師が動員してくれた応援団!

 最後に、前回の記事で少し触れましたが、OBC高島の“応援団”について。都市対抗などで社会人野球の華やかな応援をご覧になった方はいらっしゃるでしょう。企業チームは地区予選でも鳴り物とかチアリーディングの応援があったりしますけど、クラブチームにはないところも多いですね。もちろん選手のご家族や勤め先の方々、OB、友人といった皆さんがスティックバルーンを叩きながら、企業チームに負けない大きな声援を送ります。

28日のOBC高島の応援席。そこそこ関西弁が飛び交います。
28日のOBC高島の応援席。そこそこ関西弁が飛び交います。

 ところが今回、26日と28日の2試合にはOBC高島に臨時応援団が来てくれました。さいたま市にある県立大宮武蔵野高校のチアダンス部、吹奏楽部、野球部の皆さんです。埼玉県出身の野原監督が大宮東高校時代、野球部の監督をされていた坂本道長先生が、今は大宮武蔵野高校野球部の顧問。本大会出場が決まった時に、野原監督から「応援がいない」と聞いて動員をかけてくださったわけです。

大宮武蔵野高校チアダンス部の皆さん。これは26日の様子です。
大宮武蔵野高校チアダンス部の皆さん。これは26日の様子です。
こちらは28日。チアと吹奏楽、そして青いバルーンを持つ野球部の男子。
こちらは28日。チアと吹奏楽、そして青いバルーンを持つ野球部の男子。

 チアダンス部“アローズ”は、大阪で行われていた全国大会から戻ってきたばかりで、9月には文化祭や秋の大会もあるとのこと。そんな中、26日は約40人が参加してくれました。生演奏で盛り上げてくれた吹奏楽部は10人、そして野球部が7人(今は部員数が少なくて合同チームなんだそうです)。28日には3つの部を合わせて28人と減ったものの、26日に負けない元気な応援!チアの女子たちに囲まれて、野球部男子も頑張っていましたよ。

 応援はこの2試合だけだったけれど、相手チームからも「どこの応援ですか?」と聞かれるほど注目度抜群。それぞれ決まった曲を演奏され、チアの子たちに「かっとばせー○○」と名前を連呼してもらって、選手たちは最初少し戸惑ったみたいです。初々しく(笑)。でもベスト4進出の大きなパワーになったことは間違いないでしょう。

高校時代の野原選手は?

 せっかく坂本先生にお会いできたので、高校時代の野原監督について聞いてみたら「足と肩はズバ抜けていた」という言葉。あら、打撃はどうだったんですか?「バッティングは当たれば、という感じで。守備は…」。ここ、あえて坂本先生の言われたまま書きます。「守備は下手くそでした。ゴロが捕れない。だから卒業する時に、ゴロを捕れるようになれとグラブをあげたんですよ」

26日、教え子の応援に来られた大宮武蔵野高校野球部顧問・坂本先生。※
26日、教え子の応援に来られた大宮武蔵野高校野球部顧問・坂本先生。※

 野原監督に伝えると「あはは!」と笑います。そこからプロでは守備固めに使われるところまで行ったんですからね。猛練習の賜物です。

 坂本先生は阪神時代の試合を見たことがなかったそうです。もちろんOBC高島の“監督”となってからも初観戦で「初めての本大会、私の方が嬉しいですよ!」と優しい笑顔です。野球部の監督や各部担当の先生方と一緒に、グラウンドの教え子をご覧になっていました。来年またメットライフドームで会えますように。

    <掲載写真の※印は筆者撮影、他はチーム提供>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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