平成最後の鳴尾浜決戦、1点差を守り切った福永投手の4球《阪神ファーム》

25日、9回に登板した福永投手。3球三振で2死を取って「あと1人」です。

 3月27日以降、ウエスタン・リーグの首位を走り続ける阪神ファーム。23日からは鳴尾浜にソフトバンクを迎えて、平成最後の本拠地ゲームでした。天気予報がよくなかった24日も、きのう25日も無事に試合が行われています。マルテ選手と藤川投手は出場したものの、3試合ともブルペンで投げていた藤浪投手の登板がなく、さてどこで投げるのか?これが取材陣にとっても、ファンの皆様にとっても懸案事項でしょう。

 なおゴールデンウイークに入るため変則日程となり、あす27日(土)から中日3連戦、30日(火)からオリックス3連戦、1日おいて4日(土)から広島3連戦が組まれていて、またビジターゲームが3カード続きます。そして連休明けは7日(火)から鳴尾浜で中日3連戦、10日(金)からオリックス3連戦が鳴尾浜と上富田で行われます。4日からは9連戦なので、投手陣もフル回転ですね。

 さて今節のソフトバンク戦は、まず23日にわずか5安打ながら12四球をもらうなど6対1で勝った阪神ですが、24日は本塁打2本と二塁打4本を含む11安打で5点を取られ、中盤の6回に俊介選手の2点タイムリー二塁打と熊谷選手のタイムリーで3点を返すにとどまりました。1勝1敗で迎えた25日は、9回に1点差まで詰め寄られる事態があったものの逃げ切って勝利!2勝1敗で終えています。

《ウエスタン公式戦》4月25日

阪神-ソフトバンク 9回戦 (鳴尾浜)

 ソフ 000 000 102 = 3

 阪神 002 011 00X = 4

◆バッテリー

【阪神】○望月(3勝1敗)-飯田-尾仲-S福永(1勝1S) / 岡崎‐小宮山(8回~)

【ソフ】●中田(2勝2敗)(5回)-坂東(2回)-松本(1回) / 谷川原‐市川(8回裏)

◆本塁打 神:マルテ1号2ラン(中田) ソ:増田3号2ラン(尾仲)

◆三塁打 神:高山

◆二塁打 神:小幡 ソ:九鬼、市川

◆盗塁 神:熊谷(3)

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]一:荒木  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .246

2]中:島田  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .239

3]指:マルテ (3-1-3 / 1-0 / 0 / 0) .333

4]左:高山  (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .322

5]三:山崎  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .333

6]右:板山  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .175

7]二:熊谷  (2-1-1 / 1-1 / 1 / 0) .226

8]捕:岡崎  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .067

9]遊:小幡  (3-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .193

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ※

望月  7回100球(5-3-3 / 1-1 / 1.73) 153

飯田  1回 13球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 147

尾仲 0.1回 25球 (3-0-0 / 2-2 / 2.84) 148

福永 0.2回 4球 (0-1-0 / 0-0 / 0.00) 148

          ※球団計測の数値

3回2死一塁で先制の1号2ランを放ったマルテ選手!
3回2死一塁で先制の1号2ランを放ったマルテ選手!
ホームインしてベンチの出迎えが見えたのか、この笑顔です。
ホームインしてベンチの出迎えが見えたのか、この笑顔です。

《試合経過》※敬称略

 2回に先頭の高山が右越えの三塁打でチャンスを作るも、得点できなかった阪神打線。しかし3回、1死から荒木が中前打して2死後にマルテがレフトへの2ランを放って先制!この日バースデーの荒木を伴って、マルテはベンチ前で初アーチの祝福を受けました。続く高山が右前打しますが、ここは2点で終了。4回は三者凡退です。

 5回は先頭の小幡が左中間への二塁打、荒木が送って島田の四球で1死一、三塁となり、マルテが今度はセンターへ大きな当たり。これは真砂が追いついて犠飛、小幡が還ります。6回は2人目の坂東から山崎が四球を選び、板山の犠打で1死二塁。次の熊谷は初球を打って中前タイムリー!4点目が入ります。7回と、投手が松本に代わった8回も三者凡退。

 ついで投手。先発の望月は1回、先頭の真砂に左前打され犠打で二塁へ進めますが、後続を断って無失点。2回は1死から6番の市川に左前打を許しただけ。3回は1死から四球を与えますが岡崎の二盗阻止など3人で片づけます。4回は2死から5番の田城を左前打で、5回は2死から9番の野村を四球で出すも、まったく問題なし。

先発の望月投手は6回まで無失点でした。
先発の望月投手は6回まで無失点でした。
9回1死一塁で登板した福永投手。3球三振を奪ったところです。
9回1死一塁で登板した福永投手。3球三振を奪ったところです。

 6回は3番・九鬼の右越え二塁打で1死二塁としながら後続を断ち、ここまで三塁を踏ませぬ投球でした。しかし7回、先頭の市川に四球を与えると7番・増田の右前打、8番・谷川原の一ゴロで2死三塁として、9番・野村の遊ゴロの間に市川が生還。99球目での初失点です。なおも2死三塁で真砂は遊ゴロ。8回は飯田と小宮山のバッテリーに代わり三者凡退に抑えています。

 4対1とリードして迎えた9回は尾仲が登板。簡単に1死を取ったものの、市川は12球粘られて左越え二塁打を許し、続く増田にカウント1-2からの4球目(146キロ)をライトへ。1点差に迫る2ランホームランを浴びました。次の代打・古沢にも中前打され、ここで降板。代わった福永が野村に対し、真っすぐ3球で見逃し三振!ついで真砂は初球を打たせて三ゴロ。逃げ切りました。

2試合続けて7回1失点の望月投手

 試合後のコメントは、この日のヒーロースピーチも担当した望月投手からご紹介します。ちょっとヒヤヒヤしたけれど1点差を守ってくれて、これで3勝目。防御率1.73はウエスタン・リーグ3位です。

ヒーロースピーチは望月投手でした。
ヒーロースピーチは望月投手でした。
「これからも頑張ります!」と爽やかな笑顔。
「これからも頑張ります!」と爽やかな笑顔。

 どういうテーマで投げたかを聞かれ「試合までの1週間、いろいろ考えながら練習している中で、真っすぐも変化球も低めにしっかり集めていくのが大事だと感じたんです。前回の登板でもそう感じたので、きょうは高さだけは気をつけて投げようと思いました」と望月投手。14個のゴロアウトを見る限り、それはうまくいったということでしょうか。「フォークを投げたあとの外の真っすぐで引っかけることが多かった。そこは次に修正しないといけないですね」

 6回まで無失点を続けていたものの、7回に失点したことは「7回は先頭のフォアボールから失点したので、回が進むごとに先頭のアウトの取り方を意識しなきゃいけない」と反省。さらに「変化球でカウントを悪くすることが何度もあった。フォークのあとの真っすぐはいい軌道で投げていかないと。そこは1週間の中で練習していきます」と締めくくりました。

「フォークのあとの真っすぐ」が次への課題だそうです。
「フォークのあとの真っすぐ」が次への課題だそうです。

 望月投手について平田監督は「この前のナゴヤより、変化球もよかった」と言っています。また前夜、1軍のDeNA戦で今季初勝利を挙げた才木投手のことに触れ「きのうの才木の1勝がファームにとって、いい刺激だよ。チーム力を上げてくれる」との言葉も。ついで香田投手コーチは望月投手に「きょうは制球も、ボールの強さも非常によかった。課題の変化球もフォークで空振りさせたり、スライダーでカウントも取れた。そういうことができるようになってきたという印象」と話しています。

見事な火消し!福永投手

 福永投手は9回、尾仲投手が2ランを浴びて1点差になり、さらにヒットを許した1死一塁の場面で登板。今季初めてとなるイニング途中での登板ではあったけれど、ブルペンで準備はしっかりできていたそうなので、想定の範囲内と言えますね。まず野村選手は144キロ、145キロ、146キロ(球場の数値)のストレートを一度も振らせることなく、3球で見逃し三振を奪いました。3球で決めてやろうと思った?と尋ねたら「狙っていました」と答えてニヤリ。

最後の打者となった、真砂選手への1球を投げるところ!
最後の打者となった、真砂選手への1球を投げるところ!
そしてフィニッシュ!結果はサードゴロでした。
そしてフィニッシュ!結果はサードゴロでした。

 続く真砂選手には変化球を打たせてサードゴロ、お見事です!「よかったですね。内容もよかった。アウトロー、アウトロー、アウトロー、そのあとが低めのスライダー」。137キロの変化球はスライダーでしたか。「球場のガンで137キロ出ていたなら十分かな。カットボールみたいなスライダーです。スラッターというか。巷で流行りの(笑)」。ほほ~トレンドを取り入れた?「僕のは、たまたまです」

 そのあたりを聞いてみましょう。「もともとスライダーには自信があったんですけど、中継ぎになって腕を低めに振るようにしたら、スライダーのスピードが上がった。前は130キロから135キロくらいだったのが140キロ前後まで」。なるほど、先発の時と違って短いイニングゆえ思い切って、しかも低めに腕を振ることによって“スラッター”のような効果が出たというわけですね。

 しかも今季は公式戦でまだ失点していません。ここまで9試合に登板して、先発がないのでイニングは12回2/3と少なめながら無失点。防御率0.00を継続中です。その要因の1つに「フォアボールを出さなくなったのが大きい」と福永投手。そうなんですよ。前回登板だった4月20日のファーム交流試合・巨人戦(ジャイアンツ球場)で、3イニング目の先頭・宇佐見選手に与えたのが今季初四球でした。その1つだけです。

自己最速の155キロが出た巨人戦

ラストバッターを打ち取って、小宮山選手を迎える福永投手(左)。
ラストバッターを打ち取って、小宮山選手を迎える福永投手(左)。

 同じ20日の巨人戦で、実は福永投手自身の最速記録、155キロが出ました!球場のスピードガンで154キロと表示された時、少しスタンドがどよめいたそうで。試合後に聞いたところ、トラックマンではさらに1キロ速い155キロを表示していたとか。いずれにしても2017年8月6日の中日戦(姫路)で出した福永投手の自己最速、153キロを上回る記録であることは間違いありません。見た目は力んでいないけど、しっかり腕が振れているからでしょうか。

 話を聞いている時、通りかかった俊介選手に「お、さすがの火消しやねえ!」と声をかけられた福永投手。照れながら「いえいえ、消したのは初めてです(笑)」と返しています。昨年8月にプロ初セーブがあり、それ以来となる今季初セーブでした。ただし昨年は、10対2で迎えた9回に味方のエラーが絡んで5点(自責1)を取られ、それでついたセーブなので…。今回はまさに完璧な火消しっぷりだったと言えますね。

バッティングでも見せました!

試合終了で勝利のハイタッチ。一番右はこの日バースデーの荒木選手。攻守にグッジョブでしたね!
試合終了で勝利のハイタッチ。一番右はこの日バースデーの荒木選手。攻守にグッジョブでしたね!

 もう1つ、福永投手は先日、プロ初安打も記録しています。4月5日のソフトバンク戦(鳴尾浜)でのこと。6回1死一塁で迎えた今季初打席での初球、バントの構えからバットを引いて打つと全力疾走!結果はショートへの内野安打で、これがプロ初ヒットとなっています。「バントのサインだったけど、サードとファーストが前に出てきたので打っちゃいました。めっちゃボテボテですけど(笑)」。それが逆によかったかも?「間違いないです」

 さらに4月20日のファーム交流試合・巨人戦(G球場)でも、7回1死一、二塁で「バントのサインですけど(内野が)猛チャージだったんで、打ってやりました」と、これまた初球を打って結果は二ゴロながらキッチリ走者を進めています。テレビで実況アナウンサーが驚いていましたが、昨年2月の安芸キャンプから自身のバットケースを持っているくらいですし、なんたって右投げ左打ちってところで打撃好きはわかります。いつか1軍で披露したいですねえ、バスター。

    <掲載写真は筆者撮影>