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194センチ、98キロ 藤谷洸介選手が野手デビュー《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
野手・藤谷洸介として迎える初打席。顔が真剣そのものです。

 9月に入って4勝1敗と好調な阪神タイガースの1軍。5日、6日のマツダスタジアムでは打ちまくりましたね!一方、8年ぶりのウエスタン・リーグ優勝に近づいているファームの方は、1日の広島戦(由宇)が雨天中止、2日(尾道)は負け。その間に2位のソフトバンクは2勝1分けで、現在2.5ゲーム差です。今週末に直接対決があり、8日(高知)は秋山拓巳投手、9日(安芸)が藤浪慎太郎投手の先発予定。しかし…予報が悪すぎますね。

 前回の記事で、阪神に優勝へのマジックナンバーが最短で点灯するのは早くて9日(M6)、最短の優勝決定日は13日と書きました。それからまた少し変動があり、7日の時点で最短のマジック点灯は12日(M4)、最短の胴上げは16日となっています。なおソフトバンクの方は、最短で11日にマジックナンバー点灯(M11)の可能性があり、そして最短の優勝決定日は20日。そう、鳴尾浜です。しかも阪神にとって今季の本拠地最終カード…。ま、そこまでに阪神が決めるでしょう。

 さて6日は、ことし7月の都市対抗で初優勝した大阪ガスを迎えての交流試合でした。4日もパナソニックと試合が組まれていたのですが、台風21号接近のため前日に中止決定。そして4日の午後、神戸市付近に再上陸した台風の影響をもろに受けたタイガーデンも、停電と断水で…6日の試合は無理かと思われたところ、5日午後3時頃にようやく復旧して無事に行われた次第です。

 電気がないとスコアボードが作動しないとか、場内放送もできないとか、そういうことをまず考えてしまったのですが、その前に防球ネットですよ!台風に備えて下げてあったネットを上げるには電気がないと無理だし、まず防球ネットを上げない限り試合はできません。以前、一か所だけ上がりきらなかったため試合開始を遅らせたこともありましたからね。

もう少しあとに代打で出るかな?と思っていた藤谷選手は5回に、しかも守備からの出場でした。
もう少しあとに代打で出るかな?と思っていた藤谷選手は5回に、しかも守備からの出場でした。

 とにかく無事に通電して、ネットもスコアボードも場内放送もいつも通り、という中で行われた大阪ガスとの一戦。その試合結果と、この日“野手デビュー”を果たした藤谷洸介選手の話を書かせていただきます。

《プロアマ交流試合》

阪神-大阪ガス (鳴尾浜)

 ガス 000 100 010 = 2

 阪神 200 001 00X = 3

  

◆バッテリー

【阪神】馬場-高橋聡-石井-歳内 / 岡崎‐小宮山(4回~)-長坂(7回~)

【ガス】温水(4回)-猿渡(2回)-阪本(2回) / 浅田-松谷(4回~)

◆本塁打 ガ:土井ソロ(石井)

◆三塁打 ガ:小深田

◆盗塁 神:荒木、森越、藤谷

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]二:荒木   (2-1-0 / 0-0 / 1 / 0)

〃遊:熊谷   (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

2]指:山崎   (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃打指一:西田 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

3]中:高山   (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)

4]一指:ロサリ (3-2-1 / 1-0 / 0 / 0)

〃打指:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

5]左:中谷   (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)

6]右:緒方   (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃右:島田   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 1)

7]三:今成   (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃三:藤谷   (1-1-1 / 0-0 / 1 / 0)

8]捕:岡崎   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃捕:小宮山  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃打捕:長坂  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]遊二:森越  (3-0-0 / 0-0 / 1 / 0)

 ※ロサリ=ロサリオ

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

馬場  2回 31球 (1-2-1 / 0-0) 145

高橋聡 1回 19球 (1-3-0 / 0-0) 136

石井  5回 78球 (2-2-1 / 2-1) 144

歳内  1回 9球 (0-0-0 / 0-0) 149

 

<試合経過>※敬称略

5回、代打で中前打した西田選手。
5回、代打で中前打した西田選手。
1回は併殺(1点)でしたが、6回に左前打の中谷選手。
1回は併殺(1点)でしたが、6回に左前打の中谷選手。
高山選手、8回に先頭で左前打を放ったところです。
高山選手、8回に先頭で左前打を放ったところです。

 打線は1回、大阪ガスの先発・温水の初球を中前打した荒木が二盗を決め、山崎の右前打と高山の四球で無死満塁。ロサリオの右前タイムリーでまず1点!なおも無死満塁で中谷は遊ゴロ併殺打に倒れますが、その間に山崎が還って、この回2点を先取します。しかし2回は今成の中前打、4回は中谷の四球と先頭を出すも追加点がありません。

 2人目の猿渡に対しても、5回は2死から代打・西田の中前打のみでしたが、6回はロサリオと中谷が連打。島田の遊ゴロ併殺打で2死三塁となって、5回の守備から出場した藤谷が打席に。まず初球(137キロ)を窮屈なスイングでファウル、2球目(136キロ)も振り遅れながらバットに当て、そのバットが粉砕されました。多少は守備にも影響したのか、サードが捕って一塁へ送るもセーフ!タイムリー内野安打となって3点目が入ります。

 さらに代打・長坂への2球目で藤谷が盗塁成功!ここは1点どまりで、7回は3人目の坂本の前に三者凡退。8回は先頭の高山が左前打したものの併殺打など、3人で攻撃を終えました。

大阪ガスは4回、先頭の土井選手がホームラン。
大阪ガスは4回、先頭の土井選手がホームラン。

 今度は投手陣です。4日に先発予定だった馬場が1回、見逃し三振で1死を取ってから2番・小深田に右翼線への三塁打を浴びますが、岡崎の盗塁阻止もあって3人で片付けています。2回は2死から四球を与えただけ。2イニングで交代し、3回は高橋聡が登板。連続三振で2死としたあと振り逃げ、小深田の右前打で2死一、二塁とするも無失点。

4回から5イニングを投げた石井投手。2安打ながら2失点(自責1)です。
4回から5イニングを投げた石井投手。2安打ながら2失点(自責1)です。
最後は歳内投手が最速149キロの真っすぐなどでビシッと三者凡退で締めました!
最後は歳内投手が最速149キロの真っすぐなどでビシッと三者凡退で締めました!

 ついで石井と小宮山のバッテリーが4回、先頭の4番・土井にいきなりホームラン。そのあと四球を与えますが、味方の好守にも助けられて後続を断ち、5回はヒットを許した代打・小畑の代走・室屋の二盗を小宮山が刺すなど3人で終わらせています。6回と7回は三者凡退。8回は先頭の代打・峰下が右飛…と思ったら島田が捕れず。このエラーで三塁まで進め、1死後に小深田の左犠飛で2点目を失いました。

 ここまで散発4安打ながら3対2と1点差に詰め寄られた阪神。9回は歳内が登板して、先頭を初球で投直に仕留めたあとは内野ゴロ2つ、わずか9球で三者凡退に切って取り試合終了です。

エラーに反省しきり、島田選手

 藤谷選手の話をご紹介する前に、8回のエラーを猛省していた島田海吏選手のコメントを書かせていただきます。打球と島田選手の動きを見て、スコアブックに9と書きかけたら両軍ベンチから大きな声が上がってビックリ。「打球を判断したら正対するクセがあるんで…。きょうはそれが早すぎました」。正面を向いたら打球が思ったより伸びてきた?「はい」。グラブには?「当たりました」。なるほど。

 「ああいうのがヒットと記録されること多いんですよ。」。練習試合なので公式記録ではありませんが、間違いなく「E」のランプが点灯しましたよ。それも素早く!「そうなんですね。よかった」とホッとした様子。失点につながったので、ヒットならピッチャーの自責点になりますもんね。「よかったです。ヒットがついたら申し訳ない」と繰り返す島田選手です。

いや~こんな写真でごめんなさい。島田選手、6回の併殺打。「あーしまった!」という顔をしていますね。
いや~こんな写真でごめんなさい。島田選手、6回の併殺打。「あーしまった!」という顔をしていますね。

 ところで8月30日に未遂で終わった、チーム盗塁数のシーズン新記録、再チャレンジしたいですね。「あのあと走れていないんですよ。でも頑張ります」。熊谷選手には「無理です」って言われたけど。誰が走るかなあ。そんな会話をしていたら尾中祐哉投手が何かつぶやいて横を通過。それに島田選手が「何言ってるんですか、このイケメン!」と突っ込みます。え、どんな返し?尾中投手も笑っていました。

8月30日に野手転向発表

 では、投手から野手に転向して初めて試合に臨んだ藤谷選手の話題に参りましょう。まず8月30日に行われた囲み取材の内容からご覧ください。こういう事例で監督と本人が取材対応をするというのは、なかなか珍しいことですね。

 矢野燿大監督が先に「藤谷、バッターに挑戦しようかなと思って」とコメント。「もともとポテンシャル、体の能力はすごくあるし。ロングティーなんかやっても、もしかしたらチームの中で一番飛ばせる可能性もあるくらいのパワーを持っている。去年、俺が就任してから最後にここ(鳴尾浜)で、どんなものかなと試しに一度バッティング練習をやらせたんだけどね。足も、肉離れとかあるけど普通に走れば速いし」

これが“ラストマウンド”だったんですね。8月22日の広島戦(鳴尾浜)で9回に登板した藤谷選手。
これが“ラストマウンド”だったんですね。8月22日の広島戦(鳴尾浜)で9回に登板した藤谷選手。

 続けて「俺も頭のどこかで、ピッチャーで頑張って、まずはピッチャーで成功していく方法を探していたんだけど、なかなかゲームに投げさせるチャンスもなく、そうもいかなかった。本人もいろいろ考えたみたいで」と矢野監督。

 「ピッチャーには悪いけど、野手はピッチャーの二倍も三倍も練習はしんどいから、まず練習に耐えられるか?と話の中で俺もプレッシャーはかけた。『ほんまにやるねんな?しんどいねんぞ』って。そういう覚悟もあるみたい。野手をやることで、また違う何かが見えてくることもあるから。一番は、あいつが1軍に上がるためのものが何かを探している中で、野手に挑戦してみたいということ。それで人より上回っているところが誰でも持っている能力じゃないので、挑戦してみようということです」

9月6日の野手デビュー、守備機会をこなしてホッとした顔で戻ってきます。
9月6日の野手デビュー、守備機会をこなしてホッとした顔で戻ってきます。

 内野、外野のどちらをやるかと聞かれた矢野監督は「どこでもいいんちゃう?」と笑って「まずは体力というか、野手の練習をやって。俺は内野も外野もやればいいと思う。どれだけ、がむしゃらになってやれるか。みんな何年もやって1軍に上がれなくて苦しんでいるのに、今からやろうってヤツが追いつこうと思ったら、どこでもやる!何でもやる!っていうぐらいでないと」と話しています。

可能性があるなら挑戦してみたい

 そのあと取材に応じた藤谷選手は「矢野監督にもお話をいただいて、自分に少しでも可能性があるなら、その可能性に挑戦したいと思ったので、打者転向を志願しました」と表明。決意したのはいつ頃?「8月です」。監督からの打診はそれよりもっと前だそうです。決め手になったのは?「今までずっとピッチャーをやってきてピッチャーでプロの世界に入ったので、続けることも考えたんですけど。でも(打者に転向して)成功した方もあまりいらっしゃらないので、そこに挑戦してみたいと思いました。可能性があるならと」

 練習を始めるのは?「あす(8月31日)からです」。練習量の多さも不安はない?「ないです。大丈夫です」。同じく投手から野手に転向した糸井嘉男選手に話を聞きたいか、という質問に「いや…まあ…聞けないので…」と藤谷選手。正直な回答に一同爆笑でした。残留練習でロングティーをやっても、飛距離はダントツ。自信ある?「ティーが飛ぶのは飛びますけど、ピッチャーの球だと変わってくるので自信は…」

 経験したポジションは?「一応、全部あります。高校で全部やりました」。キャッチャーも?「キャッチャーは1か月だけですけど」。ピッチャーの経験が生きる?「そうですね。生きてくるとは思うんですが、最初は多分そこまで考える余裕もないと思うので」。最後に「がむしゃらに頑張るだけです」と締めたあと、楽しみ?と聞いたら「楽しみです!楽しみしかないです」と、いい笑顔で答えてくれました。

9月6日 野手として初実戦

矢野監督いわく「挙動不審な、すごく違和感のある(笑)」初守備。
矢野監督いわく「挙動不審な、すごく違和感のある(笑)」初守備。

 そして、思ったより早く実現した野手デビューは6日の大阪ガス戦。矢野監督は「チャンスがあったら出してやりたいなとは思っていたけど、ヒットとかはね、結果どうこうではない。新たな挑戦をするって決めたんだから、やるしかないし。まずは2軍で出る力をつけないと。毎日やることいっぱいある。内野も外野もやって、打つこともね。こうやって一歩ずつ自分でつかみ取っていくしかないから、あとはコーチとか俺とかみんなで支えてやっていく」と言います。

 初安打、初打点、初盗塁といっぺんに経験しましたね。守備機会も。「まあ、あいつには悪いけど結果は期待してないんで。初球から全部振れよと言ったし、エラーしてもいいからと。エラーすると思うしね。ことしチームのスローガンにしてるけど、消極的にプレーしたって何もいいものは生まれないと思っているから。そういうところで」

 最後も矢野監督らしく「一回こういう経験ができたっていうのはね。やっぱり経験していないことは不安だろうし、サードの守備位置にあいつが立っている姿を見ても、なんか挙動不審な、すごく違和感のある絵づらに見えたけど(笑)。あいつ自身も多分そういう景色をみたことないと思うし。まあそれは経験していくしかないから」という表現での激励?でしょう。

「ガチガチから、いい緊張感に変わった」初捕球

 お待たせしました。藤谷選手のコメントです。4回の攻撃中、ベンチ前で島田選手とキャッチボールを始めた藤谷選手でしたが、守備に就く島田選手の相手だろうと思っていたのです。ところがサードの守備位置に!代打のみ、もしくは代打から守備もあるかな~と予想していたので驚きました。

守備についた5回、微妙な位置に上がった内野フライを追った藤谷選手(手前)ですが、ロサリオ選手(奥)の「アイガーリ!」で待機。
守備についた5回、微妙な位置に上がった内野フライを追った藤谷選手(手前)ですが、ロサリオ選手(奥)の「アイガーリ!」で待機。
無事に捕球したあとロサリオ選手(奥)が笑いながら藤谷選手(手前)を指差して「ユーボール!」
無事に捕球したあとロサリオ選手(奥)が笑いながら藤谷選手(手前)を指差して「ユーボール!」

 出場することは前もって聞いていた?「はい。試合前に言われていました。ナリ(今成)さんが2打席立ったあと行くって」。しかも守備から。「サードは高校の時に何度か守ったことがありますが、5~6年経っているから。雰囲気だったり、バッターの威圧感というのは初めての経験で、すごく緊張しました」。グラブは?「ナリさんが使っていいよと言ってくれて、ずっと使っているグラブです。自分のは頼んで、まだ来ていないので。来ても、柔らかくしてからになります」

 打球が飛んできた時の心境を聞かれた藤谷選手は「わっ、来た!って感じでした」と、割と真顔で回答。5回1死一塁で内野フライが上がり、ベンチから「サード!サード!」という声に反応した藤谷選手と、一塁からはロサリオ選手もやってきます。さあどっち?と、グラウンドもベンチもスタンドも注目する中、ロサリオ選手がつかみました。

 無理はせず譲った?「譲ったというか、ロサリオが『ガーリ!ガーリ!』って来たので」。捕球したあと、ちょっとニヤニヤしながら藤谷選手の方を指差していたのは?「僕に『ユーボール』って」。え、自分で捕るとアピールしながら、きみのボールだと言っていたんですか(笑)。まあロサリオ選手もかなり心配だったんでしょう。そして6回には三塁線への上がったファウルフライを、迷いなく熊谷選手に任せていた藤谷選手。

 7回にサードフライを処理、8回にもサードゴロを1つさばいていますが「(7回に)フライを捕って“ガチガチ”から、いい緊張感になった」とのことです。

今成選手のグラブに陽川選手のバット

野手初打席。まず窮屈な体勢で1球目をファウル。
野手初打席。まず窮屈な体勢で1球目をファウル。
2球目も似たような形で何とか当てたものの、もうバットが折れて粉々に。
2球目も似たような形で何とか当てたものの、もうバットが折れて粉々に。
このあとしっかり走って一塁セーフ!見てください、この薄っぺらくなったバット。
このあとしっかり走って一塁セーフ!見てください、この薄っぺらくなったバット。

 バッティングでは、いきなり1安打1打点ですねと振られ「1安打と言っていいのか…」と苦笑い。自身の心境を振り返って「想像していた以上にスッと来る」と表現しました。ボールに戸惑ったようで「5年経って忘れているのと、ピッチャーの(生きた)球を見ていなかったので、驚いたという感じですね。想像していた以上に早く自分のところへ来た(笑)」と。すごくわかりやすい。

 バットを粉砕されたけど、あれで相手守備をかく乱したかも。「あのバットは陽川さんのです。練習の時もずっと使っていて、きょうの試合もそれで。でも折れてしまったから、次は“はじめまして”のバットになります」。このあとも何度か言っていたんですけど、はじめましてのバットって表現が可愛いでしょう?

 なおレガースはピッチャーが打席に入る際の共用のものを使い、アームガードは小宮山選手が自分のものを「つけておいた方がいいから」と熊谷選手に渡し、熊谷選手がネクストで素振りをしている藤谷選手に。皆さんのおかげで、いいスタートを切れた?「スタート…切れてないです。インコースの球じゃないのに、めっちゃ近くで打っているみたいだったでしょ?まずはもっと前でボールをとらえられるように」。ものすごく窮屈に打っていましたもんね。

6回が終わってベンチへ。初安打、初打点、初盗塁に“嬉し恥ずかし”という表情?
6回が終わってベンチへ。初安打、初打点、初盗塁に“嬉し恥ずかし”という表情?

 さらに初盗塁も決めちゃったわけで。「初球から行けと言われていたんですけど、滑って…。2球目にスタートを切る時は右足がピクピクとなった(笑)」。最後まで笑わせてくれます。走攻守、ひと通り経験できたわけで、よかったですね。「いい経験をさせていただいているので、これから少ないチャンスをひとつひとつ積み重ねていきたいです」

 尊敬語も丁寧語もしっかり使いこなして、これからの取材が安心…いや楽しみになってきました。残り試合は少ないけど、いつかヒーロースピーチも期待していいですかね?

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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