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打ってもすごかった!馬場皐輔投手 甲子園を沸かせた豪快なプロ1号《7/1 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
プロ初HRを放った馬場投手。スタンドの“馬場コール”に帽子を取ってお礼しました。

 7月に入っても、1軍にいる若トラたちの活躍が続く阪神タイガース。きのう1日、ヤクルト戦のスタメンを見て、クリーンアップに驚いた方も多かったでしょう?いや驚くってのは失礼ですけど、ナバーロ選手が3番で、第100代の4番に陽川尚将選手、5番は俊介選手でした。しかもキッチリ仕事をしたのが嬉しいですね。北條史也選手も今季3度目の猛打賞です。

 驚くといえば、俊介選手が神宮球場でレフトポール直撃の先制ホームランを放つ、その約4時間15分前に、甲子園で行われたウエスタン・オリックス戦で今成亮太選手の先制弾もレフトポールを直撃していました。それだけではありません。同じ回にドラフト1位ルーキー・馬場皐輔投手が、レフトスタンドへプロ1号を放り込んだのです。これが“プロ初安打”。のちほど詳しく書かせていただきます。

 オリックスを甲子園に迎えての3連戦は、まず完封勝ち、次が逆転負け、そして7月1日は前半で今成選手と馬場投手、森越選手にもホームランが出て5対0とリードしながら、9回に追いつかれて引き分け。1勝1敗1分けで終わっています。きのう負けていれば貯金が10を割ってしまうところ、何とか踏みとどまりました。この1か月、ずっと2ケタ貯金をキープしているのも、4月中旬以降に3連敗がないからですね。

 では1日の試合詳細をご覧ください。

《ウエスタン公式戦》7月1日

阪神-オリックス 17回戦 (甲子園)

 オリ 000 002 003 = 5

 阪神 010 310 000 = 5

 ※9回、規定により引き分け

◆バッテリー

【阪神】馬場‐守屋-島本-尾仲-歳内 / 長坂

【オリ】K鈴木(5回)-大山(1回)-赤間(2回)-榊原(1回)-岸田(1回) / 伊藤

◆本塁打 神:今成3号ソロ、馬場1号2ラン、森越4号ソロ(K鈴木)

     オ:西村2号2ラン(馬場)

◆二塁打 神:板山

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:江越 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .213

2]一:森越 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .265

3]右:高山 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .277

4]左:大山 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .371

〃投:尾仲 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:歳内 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

5]遊:板山 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .280

6]三:今成 (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .227

7]二:西田 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .221

8]捕:長坂 (4-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .269

9]投:馬場 (2-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .500

〃打:荒木 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .202

〃投:守屋 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:島本 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃左:島田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .218

〃打:緒方 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .280

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

馬場  7回 97球 (6-8-1 / 2-2 / 2.08) 148

守屋 0.2回 12球 (2-1-0 / 0-0 / 2.31) 146

島本 0.1回 1球 (0-0-0 / 0-0 / 5.59) ―

尾仲 0.0回 11球 (2-0-1 / 3-3 / 3.24) 145

歳内  1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 4.97) 147

《試合経過》※敬称略

1軍での登板を経て、ウエスタン・オリックス戦で先発した馬場投手。
1軍での登板を経て、ウエスタン・オリックス戦で先発した馬場投手。

 阪神打線はまず2回、先頭の板山が右翼線二塁打を放ち、2死後に長坂が左前タイムリーで先制!4回には1死から今成が初球の変化球(108キロ)をうまくとらえ、レフトポールを直撃する今季3号!2死後に長坂が右前打して、続く馬場がレフトスタンドへ放り込むプロ1号2ラン!この回3点を追加し、5回には先頭の森越が4号ソロで計5点を先取しました。

今成選手が先制の3号ソロ!
今成選手が先制の3号ソロ!

 投げる方では4回まで毎回ランナーを出した馬場。1回は先頭の西浦に右前打、2回も先頭の伊藤に左前打され、ともに犠打で二塁まで進めますが、後続をしっかり断って無失点。3回は2死から山足の左前打、4回も2死から1つ四球があっただけで得点は与えていません。5回は初めての三者凡退です。

守屋投手は8回に登板。
守屋投手は8回に登板。
そのあとを島本投手が抑えて無失点です。
そのあとを島本投手が抑えて無失点です。

 5対0とリードして迎えた6回、先頭の山足に左前打され、続く3番・西村にはレフトへ(馬場自身が放り込んだ席の少し手前あたりに)同じ2ランを打たれました。137キロの変化球です。1死後に伊藤の右前打と暴投があったものの、岡崎と坂本は連続三振に仕留めて、続投となった7回は再び三者凡退に切って取り交代。

 8回は守屋が登板。山足に右前打されたあと簡単に2死を取ったのですが、伊藤に右前打を許して島本に代わります。連投の島本は2死一、二塁から岡崎を初球で捕邪飛に打ち取って事なきを得ました。

 ついで9回は、前日の8回に登板して自身のエラーや四球、ボークなどもあって3点を失い逆転負けを喫した尾仲がマウンドへ。先頭の坂本に中前打、縞田には四球を与え、佐野の右前打を浴びて降板。無死満塁のピンチに登板した歳内は、まず西浦から見逃し三振を奪って1死。しかし山足に左前タイムリー(2番・山足はこれで4安打)を打たれ、1点差となります。

9回無死満塁で登板した歳内投手。何とか同点で終えました。
9回無死満塁で登板した歳内投手。何とか同点で終えました。

 なおも1死一、二塁で西村への3球目が暴投となって(西村は空振り)一、三塁。西村は三ゴロで、捕った今成がホームへ送球するもセーフ。記録は今成の野選、これで5対5です。宮崎と伊藤は外野フライに打ち取った歳内ですが、残念ながら馬場の4勝目は最終回で消えました。

長坂選手は9回に内野安打。これで3安打です。
長坂選手は9回に内野安打。これで3安打です。

 打線は6回、7回と三者凡退で、8回は2死から板山が中前打するも二盗失敗。そして追いつかれた直後の9回裏は、2死から長坂がセカンド内野安打で出て望みをつなぎます。代打・緒方は1-2と追い込まれながらボールを2つ見送り、スタンドの「おお~!」というどよめき。しかし最後は遊ゴロに倒れて試合終了。規定により引き分けです。

度肝を抜いたホームラン!

 それでここで、馬場投手のホームランを振り返りましょう。2回2死二塁の場面で、公式戦プロ初打席を迎えました。オリックスの先発・K鈴木が投じる147キロに体勢を崩すほどのフルスイングを見せ、次の149キロも全力で振って、3球目の148キロにはファウル。最後は131キロの外への変化球で空振り三振に終わっています。

 打席の後方に立つわけでもなく、内よりに来た球を避ける素振りもなし。グッと構えて「打ってやる」という気合いが滲み出ていましたねえ。その1打席目があったので、2死だからといって簡単に三振はしないだろうと誰もが思ったはずです。でもまさか、あんなに完璧なスイングで豪快な一発を放り込むとは…!

ずっと歯が見えていた馬場投手。三塁を回って藤本コーチとタッチ。
ずっと歯が見えていた馬場投手。三塁を回って藤本コーチとタッチ。

 2打席目は初球の144キロを見送りボール、次の146キロはファウル、そこで首をかしげながらバットの出し方を何度かチェックし、3球目の変化球(126キロ)を見送ってカウント2-1となりました。そして4球目、146キロの真っすぐにバット一閃。迷いなく力強いスイングで、打球はレフトスタンドへ一直線です。

 何がすごいって、バットにボールが当たる瞬間にスタンドから上がった大歓声!打球の行方とか弾道とか関係なく、甲子園にいたすべての人がもう確信したわけですね。

初めての“馬場コール”に

 ちなみに打球が落ちた場所は、新聞やネットで「左翼席上段」とか「中段」と書かれていますが、正確にはどうなんでしょう?レフトスタンドを真ん中あたりの通路で上下に分けると、最前列から数えた方が早いので下段ということになります。上中下の3ブロックに分けても中段の下か、下段の上か。というわけで、座席表とテレビの映像を交互に見ながら確認しました!コマ送りで。

 私の推理では、だいたいレフト外野席の11段75番あたりだろうと思われます。あくまで推理です。それを甲子園球場の座席検索画面で出してみると、着弾点は写真の赤丸付近でした。ま、どうでもいい話ですね。とにかく、その前に打った今成選手よりも豪快な打球で、次の回に打った森越選手より飛んだ、というのは間違いありません。

レフト外野席の座席表(阪神甲子園球場公式サイトより)。赤丸のあたりに着弾したと思われます。
レフト外野席の座席表(阪神甲子園球場公式サイトより)。赤丸のあたりに着弾したと思われます。

 白い歯を見せながら大急ぎで一周してきた馬場投手は、ベンチ前で出迎える矢野監督、コーチ陣、選手たちと笑顔でハイタッチ。最後に今成選手と何かポーズを決めて、また笑っていました。そのあと5回のマウンドへ向かう背中にスタンドから拍手が送られ、やがて「馬場!馬場!」とコール。

 なかなか応えないルーキーに、ショートの守備位置へ向かう板山選手が何か声をかけ、うなずいて帽子を取って…と思ったら汗をぬぐっただけでした(笑)。でもそのあと帽子を取り、スタンドに一礼した馬場投手。タイトル画像でもあるように初々しい姿です。次はナイターの照明が輝く中で、また見せてください。

「次も打席に立たせたかった」

 試合後の矢野燿大監督は、馬場投手のピッチングを語る前に「バッティングがよかったなあ!」と感嘆の言葉でした。「あれはすごいぞ!ファウルしているスイングは緩かったけど、まさかなあ。打球もすごいし。高校時代に打ったことないって。大学で1本あるらしいけど。いや~すごいわ。次も打席に立たせたかった(笑)。もう一度見たいなあと思ったけど。まあオマケっていうかね、こうやって打席に立って投げる難しさがセ・リーグにはあるし、逆に言うと打てるヤツは楽しみだったり、バントもある。いい経験にはなっていると思う」

5回までは散発3安打無失点と好投していた馬場投手。
5回までは散発3安打無失点と好投していた馬場投手。

 そして「ピッチングはまあ中の上というか」と本職の話です。「もっといい時があったから。その時から比べてすごくいいって感じではなかったかな。最後のイニング、球数以上に疲れているのはわかったんだけど、経験のためにもう一回いかせてみようかなってところで、3人で打ち取ったから。先発としての仕事がしっかりできた感じ」

 1軍に、という記者陣の問いに「それは上の決めることなので何とも言えないけど、もうちょっと上げてほしいなという部分はあるかな。勝てるっていうことになると、もう1ランク上げないと。ある程度の勝負はできるやろうけど。まあでも呼ばれたら行けるチャンスはあるぐらいのレベルじゃない?」と矢野監督。

 牽制やクイックの課題に関して「きょうはちょっとマシやったなあ。ただタイミング的にはまだ勉強せなあかんと思うし、(相手が)広島とかだったらどうなの?と言われたら、まだまだやることはある。でも前よりは本人も意識してやっている感じはあった」とのことです。

何かをつかんでほしかった登板

前日の借りを返したかった尾仲投手ですが…。
前日の借りを返したかった尾仲投手ですが…。

 次に、尾仲祐哉投手について矢野監督の話です。やはり四球を与えてしまいましたね。「打たれた後になるべく早く投げさせたいと思って行かせたんだけど。打たれるのは仕方ないが、フォアボールはちょっといただけない。調子もそんなにいいわけじゃないってのは、もちろんわかっているんだけど。プロ野球で難しいのは、調子悪くても行けと言われたら投げなあかんしね。調子いいから抑えました、悪いから打たれました、では必要とされる場面が減ってくる」

9回無死満塁で歳内投手を迎える高橋コーチと内野陣。
9回無死満塁で歳内投手を迎える高橋コーチと内野陣。

 「逆に調子が悪い時にどうやって抑えるか。馬場で言うと、最後のイニングの疲れてきた時にどう抑えるかっていうのが、長いプロ野球の試合数が多い中でやっていうものだと思うから。そういう意味でも何とか、つかんでくれたらなという登板だったので、ちょっと。でも歳内がね。あの流れでいえば持って行かれるところだけど、同点で頑張ってくれたっていうのが大きいし、歳内もいい緊張感の中でしっかり投げてくれた」

 また久しぶりにレフトを守った大山悠輔選手には「今みんな調子よくなっているし、可能性のあるところを試したいといのもあって。そつなくやっていたね」と矢野監督。推薦できるかどうかというところは「もちろん、もちろん。あれだけ打っていたらね」と太鼓判でした。そのあと、嬉しいけど悩ましい心の内も吐露しています。

今成選手を迎える大山選手(左)と江越選手。
今成選手を迎える大山選手(左)と江越選手。

 「北條も陽川も、こっちから行ったヤツが頑張ってくれているから、すごく複雑というか。まあでもそれが俺らの仕事なので。競争を激しくさせるっていうのが2軍の一番。勝つことも必要なんだけど、今みたいな競争をどんどん作っていくのがね。大山は大山で北條とか陽川の結果が気になるやろうし、北條や陽川ももしかしたら『うわ、大山が下で打ってるわ』と気になるっていう、そういう循環がないとチームは強くなっていかないと思う。大山も内容がずっといいし」

いい経験、いい収穫と高橋コーチ

 高橋建投手コーチにも馬場投手のことを聞きました。バッティングの方も高橋コーチに伺いたいところですが、と言うと「ありがとうございます!僕は2軍で3割打っていますんで」とニッコリ。そう、打ってもすごいピッチャーでしたよね。

馬場投手を迎える矢野監督(右)。大喜びでした。
馬場投手を迎える矢野監督(右)。大喜びでした。

 ではピッチングの話を。「6回で交代のところを、監督からもう1回いこうと言ってもらって7回を抑えたことや、ホームランを打って一周走ってきた次のイニングなど、すべてにおいていい経験ができた。きょうは収穫だと思います。ピッチャーって5回から6回へいく時のインターバルがあって、勝利投手の権利を気にする人もいるし、塁に出た次の回への入り方とかも、経験しないとわからないですからね」

 今後に向けて「真っすぐがもう少し課題です。もっと力強い真っすぐが欲しいと監督がいい題材を出してくれたので。変化球では2軍で抑えられることがわかっているけど、真っすぐの強さを求めていってほしい」と高橋コーチ。そして「6回に失点して、でも7回は3人で抑えられたので、より力のある選手だと感じさせてもらった」と話しています。

「野手じゃないので…ピッチャーなので」

甲子園で打ったプロ1号に笑顔がはじける馬場投手。
甲子園で打ったプロ1号に笑顔がはじける馬場投手。

 選手のコメントは、まず馬場投手です。投と打、どちらから聞きましょう?と言うと「いやあ」と少し困ったような笑顔。第1打席からフルスイングでしたね。予感はあった?「いやもう、たまたまです」。思いきりいこうと?「特に何も考えてないです。たまたまでお願いします」。一周している時の心境は?「それはまあ純粋に嬉しかったけど。何も考えてなかったです。野手じゃないので、ピッチャーなので。きょうは投げることを意識して」

 ではピッチングのことに移りますね。ダイヤモンドを一周してきたあとが勉強になるという高橋コーチの言葉を伝え聞き「打席に入ったあとのピッチングや、点を取ったあとのピッチングってのが一番大事になってくるので。打席に入るとそれなりに体力も使いますし、その中できょう7回投げて、まあホームランのところは失投なので、もうちょっとインハイにバッターが避けるくらいのストレートを投げられればなと思いました」と、途中から反省点が。

 さらに「あとはまあ後半にかけてバラつきが出たのでフォームの安定性だったり、スピードは前回の1軍登板より出ていたので、いい感覚をしっかり体の中に染みつけてピッチングをやっていかないと。ランナー出す場面もあったけど、自分のできる限りのことをやったという感じですかね。ズルズルいかず、切り替えてストライク先行でカウントを作れたのが一番よかったかなと思います」と一気に話した馬場投手。

HRは残留練習の成果?

ハイタッチの締めは今成選手とのポーズ。何の?
ハイタッチの締めは今成選手とのポーズ。何の?

 4回に伊藤選手から奪った見逃し三振は148キロでしたね。「ストレートが課題だったので、配球の中でストレートで勝負できるところはしていこうという考えだった。スピードをどれだけ出せるか、ストレートでどれだけ空振りを取れるかっていうのが課題。それと向き合ってストレートにもっとこだわりを持ってやれたらと思います。きょうはまだ変化球の方が多かったかなと思うので、次はストレートにこだわって。やっぱり1軍で活躍するためにはストレートが大事なので」

 ここでいったん終わりかけたのですが、また聞いちゃいました。2ランを打ったし、前半は無失点だったし、試合後のヒーロースピーチなんぞチラッと考えたりは…。「いや~考えていないです」。やはり。ところで大学で1本打ったとか。大学はDH制?「それが秋の東北大会はDHじゃなくて、その時に。ドラフト前に1本打ちました。大学1で高校0です(笑)」。それはまた珍しい経歴で。

 打席での雰囲気や、あのスイングを見ている限り、バッティングは好きでしょう?実は。「いや~まあ残留で練習していたので。安藤コーチと」。なるほど、その成果なんですね。本当にいいものを見せてもらって感謝です。

今成&森越のアベック弾

陽川&江越専用ゴリラポーズとはまた別のゴリラ?
陽川&江越専用ゴリラポーズとはまた別のゴリラ?

 次は先制ソロの今成亮太選手。ポール直撃弾って経験ありですか?「ないんじゃないかなあ」。逆方向を意識して打ったもの?「それはないですけど、ただ振り遅れていました。ファウルかレフトフライが、思ったより風も強くて入ったのかも」。正直なコメントをありがとうございます。

 森越祐人選手は4号ソロ。これまでは阪神に移籍した1年目の2015年と翌2016年に3本打っていて、4本は自身最多です。打ったのは真っすぐで「越えるな~とは思いました。外野の頭をね」と。え、外野の頭を?「はい。フェンスを越えるとは思わなかった。風もあったので、乗ってくれたと思います」。確かにいい風が右から左へ吹いていました。

5回に4号ソロを放って戻ってくる森越選手。
5回に4号ソロを放って戻ってくる森越選手。

 29日にもオリックス佐藤達投手から3号3ランを打つなど2安打、30日は犠飛と1安打、そして1日がソロを含む2安打と、3連戦で8打数5安打5打点の大当たり!「この3試合、よかったです。休みを挟んで次の3試合もしっかり」。あら控えめな答えですね。また「バントやエンドランのサインが出るタイプなので、そういうのを一発で遂行できるように頑張ります」と堅実な締めでした。

板山選手との、このポーズも興味ありますねえ。
板山選手との、このポーズも興味ありますねえ。

 なお森越選手に「ナリさん、何号?」「何号ですか?」と何度も聞かれた今成選手は「3」とだけ答えると、森越選手はニヤニヤしながら「僕は4ですよ~。4号。きょう追いつかれたと思ったら、追い抜きました!」と、ものすごく嬉しそう。今成選手の方は、苦笑いです。またアベック弾、待っていますね。

 最後に西田直斗選手。9回裏、また6月15日みたいにサヨナラホームランを期待したと言ったら「きょうは守備の日です。エラーがなくてよかった」と言います。いやいや、エラーどころか。5回の佐野選手のセカンドゴロ処理はセンターへ抜けそうな打球を横っ飛びで捕り、さらに素早く振り向いての一塁送球!ナイスプレーでしたね。その手でチャンスもつかめますように。

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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