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甲子園でのウエスタン・オリックス戦 2試合目は晴れのち雨の逆転負け《6/30 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
試合中盤から入道雲が広がり始めた6月30日の甲子園球場。これが14時36分です。

 阪神タイガースの1軍は6月26日から関東へ遠征中で、きょうのヤクルト戦(神宮)を終えて帰ってきます。その間にファームは甲子園で6月29日からウエスタン・オリックス3連戦。まず初戦は5対0で今季リーグ最多、10度目の完封勝利!竹安投手が6回1安打無失点で2勝目を挙げ、ロサリオ選手が4号ソロ、森越選手が3号3ランで援護しました。

 試合が終わって1時間くらい経った頃でしょうか。突然、大雨になったのは。選手の出待ち中だったファンの方々がずぶ濡れになったみたいです。夜になってからも鳴り響いた雷に、苦手な松田遼馬投手は「怖かったですよ~。眠れなかった」と苦笑い。

これがタイトル画像の約5分後、14時42分。入道雲の高さがかなり上がっています。
これがタイトル画像の約5分後、14時42分。入道雲の高さがかなり上がっています。
さらに約10分後の様子です。上空を覆い始めた雲の、“底”部分は灰色。
さらに約10分後の様子です。上空を覆い始めた雲の、“底”部分は灰色。
試合終了時はもうすっかり雲に覆われ、すっかり灰色に。まもなく降り出します。
試合終了時はもうすっかり雲に覆われ、すっかり灰色に。まもなく降り出します。

 そして、きのう30日はバックスクリーンの向こうに、梅雨はもう終わりかな?と思わせるような入道雲が輝いていました。それが試合中盤からモクモクと成長して近づいてきます。白く光る上の部分とは裏腹に、下は濃い灰色の雲。これはまずいなと思ったら、ゴロゴロゴロ!と…。やがて雲が球場の上空を覆うまで広がり、日差しも遮ってきたところで試合終了。整列した監督、コーチ、選手の背後でまた大きな雷鳴が響き渡りました。

 私はすぐ取材エリアの通路へ向かったので降り始めは見ていませんが、駆け込んでこられた阪神園芸の皆さんのズボンはずぶ濡れ。前日より時間が短かったとはいえ、帰宅する瞬間を襲われた方は多かったでしょう。試合も逆転負けで踏んだり蹴ったりでしたよね。きょう7月1日は、先発した馬場皐輔投手がプロ1号の2ランを放つなど計3本塁打でリードするも、結局は9回に追いつかれて引き分けています。最近、終盤の失点が多いかも…。

 では、6月30日の試合詳細をご覧ください。

《ウエスタン公式戦》6月30日

阪神-オリックス 17回戦 (甲子園)

 オリ 200 000 030 = 5

 阪神 020 200 000 = 4

◆バッテリー

【阪神】谷川‐島本-●尾仲(3敗)-山本 / 坂本

【オリ】山崎颯(5回)-山田(1回)-○青山(1勝1S)(2回)-S岸田(1勝8S)(1回) / 稲富‐伊藤(8回~)

◆二塁打 神:大山

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]右:江越  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .217

2]指:西岡  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .263

〃打指:荒木 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .204

3]左:高山  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .295

4]三:大山  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .419

5]二:板山  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .276

6]中:緒方  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .282

7]一:今成  (4-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .225

8]遊:森越  (2-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .253

9]捕:坂本  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .333

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

谷川 6回 88球 (5-7-0 / 2-2 / 2.78) 144

島本 1回 19球 (1-1-0 / 0-0 / 5.68) 142

尾仲 1回 19球 (2-1-2 / 3-0 / 1.62) 146

山本 1回 15球 (0-2-0 / 0-0 / 3.60) 135

《試合経過》※敬称略

先発の谷川投手。4回以降はピシャリ。
先発の谷川投手。4回以降はピシャリ。
今成選手が2回と4回にタイムリー!
今成選手が2回と4回にタイムリー!

 先発の谷川は1回、1死を取ってから山足、西村の連打で一、二塁となり、4番・宮崎の中前タイムリーで2人を還します。しかし打線は2回、オリックスの山崎颯から大山と板山が四球を選び、1死後に今成が中前タイムリー!なおも1死一、三塁でキャッチャー・稲富の捕逸により板山が生還。同点に追いつきました。

 さらに4回、大山の左翼線二塁打と板山の内野安打などで1死一、三塁として、またもや今成が左前タイムリー!板山は三塁へ、今成も二塁へ進み、続く森越の右犠飛でもう1点追加。2点勝ち越しです。

板山選手は3回に好守を連発!早々に泥んこです。
板山選手は3回に好守を連発!早々に泥んこです。
島本投手は1安打無失点。この翌日も連投しました。
島本投手は1安打無失点。この翌日も連投しました。

 谷川は2回に先頭・岡崎の中前打を許しますが後続を断ち、坂本の盗塁阻止もあって3人で片づけました。3回は2死から内野安打のみ。そして4回は投直や投ゴロなどで三者凡退。5回は3連続三振!6回も三ゴロのあと連続三振を奪って三者凡退。3イニングを完璧におさえています。

 7回は島本。2死後に内野安打があったものの、最後は代打・杉本に粘られながらフォークで空振り三振!ちなみに打線は5回、6回と三者凡退で、7回に森越が左前打しただけで8回も三者凡退と、こちらも追加点がありません。

尾仲投手は自身のエラーから乱れて3失点。
尾仲投手は自身のエラーから乱れて3失点。

 すると8回に登板した尾仲は代打・吉田雄を一ゴロに打ち取ったはずが…今成のトスを捕れず、自身のエラーで残します。西浦には四球を与えるも山足のバント失敗で1死。しかし西村に右前タイムリーを浴び、宮崎は初球で遊飛に打ち取りながらボークで2死二、三塁として、代打・伊藤に中前へ2点タイムリーを浴びて3失点(自責0)。逆転を許しました。

コケてしまった緒方選手も、筒井コーチも…笑ってしまったようで。
コケてしまった緒方選手も、筒井コーチも…笑ってしまったようで。

 9回の山本は115キロ前後のスライダーで2三振を奪うなど、三者凡退で締めています。雷鳴がかなり頻繁になった9回裏は、岸田に対して板山が二飛で1死。緒方は強烈な打球で一塁線を抜き、二塁を狙う…と思ったら一塁ベースを蹴ったところで派手にコケちゃいました!本人も筒井コーチも苦笑。しかもこれ記録はファーストのエラーなんですね。最後は今成が二ゴロ併殺打で試合終了です。

 

矢野監督 親心からの苦言

 試合後の矢野燿大監督は、まず谷川昌希投手について「打ち取り方がまだやっぱり、しんどいというか。1軍ではあそこまで投げさせてくれないだろうね。アイツのプロ野球人生で、これからの課題になってくるから、すぐはよくならないけど根気よく克服していけるように。もちろん、それができれば右にも(打者に対しても)もっと幅が広がると思う。今は左を意図して打ち取るとか、追い込んでなるべく少ない球数で抑えるとか、そういうのが必要やね。上で勝とうと思えばね。投げるのは投げられるけど」と話しています。

試合終了時に整列した監督、コーチ陣も、大きな雷鳴に思わず振り向きました。
試合終了時に整列した監督、コーチ陣も、大きな雷鳴に思わず振り向きました。

 左打者対策としては「インコースの入る球、しっかりシュート回転しない球を。(5月10日の巨人戦で)阿部にホームランを打たれたようにシュート回転して入ると命取りになるから。そこの精度と、対角になるタテ変化やね。そういうのは必要。両方が大事になる」とのこと。4回以降は3人ずつで片づけたものの「これでいいよと言っても、アイツのためにならないでしょう?俺らは上でやらせるために、ここで一緒にみんな頑張っているんやから」と。あえて“よかった”という表現を避けたのは、矢野監督の親心です。

バッテリーの成長を期待

 次に、登録抹消後の初登板だった尾仲祐哉投手に矢野監督は「上から来ると、気持ち的にも落ち込んで当たり前なんだけど。でも、だからこそより頑張らなあかんと思うし。まあ最初にエラーがついたけど、あれはすごく難しいプレーやから仕方がない。でもフォアボールとボークがもったいない。さっきミーティングでちょっと伝えたんだけど、伊藤光の初球の入り方がね」と、1点返されたあと2死一、二塁でボーク、その直後に投じた球を打ち返された点を指摘。

8回、マウンドの尾仲投手に声をかけに行く今成選手。
8回、マウンドの尾仲投手に声をかけに行く今成選手。

 「これは尾仲だけじゃなく、坂本も。ピッチャーの気持ちが揺れ動いたりしている中で、キャッチャーが視野を広くできる場面だった。一塁が空いている状況で、次が園部で、じゃあどっちがどうと考えたら、もっとやりようがあるんじゃないの?と。尾仲のこともあるけど、坂本に対する不満。あいつはどっちかというと、そういうことができる方だけど。まあちょっと、だいぶ物足りないなと。ああいう勝負際のところやからね、キャッチャーが力を出せるのは」。坂本誠志郎捕手への注文もありました。

山本投手が最後の打者から三振を奪ったところ。
山本投手が最後の打者から三振を奪ったところ。

 9回に左打者3人をキッチリ抑えた山本翔也投手には「そうやね、まあいろいろ言ってきたんだけど、きょうみたいに抑えるってのが殆どなくて。表現的には厳しいかもしれんけど、これぐらいが当たり前だから。1軍で投げようと思えばね。これが1軍で、たとえば同点や勝っている場面で阿部でワンポイントってなったら(リードされていた)きょうみたいに抑えられるかどうか。どういう状況でも変わらず投げられるように」と、やはり注文です。

1軍に送り出した選手の頑張りも…

 変わって野手陣、タイムリー2本の今成亮太選手について「なかなか先発のチャンスがない中でしっかり結果を出してくれたし、ムードがね。ナリはやっぱり盛り上がるというか、いいムードを持っている選手なので。いいところで、しかも緒方が(2回、4回とも内野フライに)倒れて、イヤな流れのところでのヒットやから。すごく意味がある1本。守備もうまいけど、勝負強い打撃っていうのはナリのいい時の長所だから、これをどんどん続けていってほしい」とのこと。

大山選手は4回に左翼線二塁打!(写真は6回、二飛の打席)
大山選手は4回に左翼線二塁打!(写真は6回、二飛の打席)

 また大山悠輔選手のことを聞かれた矢野監督は「ずっといいよ。練習もすごくいいしね」と即答。以前、指摘されたバットが滑っている点も「だいぶかかっているよ。打球の質がもう。音もすごいしね。ヘッドが効いてるというかヘッドで打ってる、体で打っているんじゃなくて。変化球でもヘッドがまだ生きている状態で拾えているから。モヤモヤはもうだいぶ消えて、本人も自信を持って打席に立てるようになっている」と改善されたようです。

 そして「もちろん1軍も、こっちから行った陽川とか北條とかみんな頑張っているので、こっちは複雑なんだけど。でも今、上に行っても打つんじゃない?だいぶ。打てるような雰囲気というか形というか」と矢野監督。“複雑”との心境、とてもよくわかります。

投手それぞれの反省と収穫

次は最初からいいピッチングができるように、と谷川投手。
次は最初からいいピッチングができるように、と谷川投手。

 では選手のコメントをご紹介しましょう。まず谷川投手。1回の3連打は真っすぐを打たれて?「けっこう振りにきていて、調子がよくなかった中で打たれました。力がなかったです」。尻上がりにはよくなったのでは?「ゲームの中で感覚などは徐々に上がってきましたが、尻上がりではダメなので、前半からしっかり投げられるようにしたいです」。それでも4回からはピシャリと抑えましたね。「特に5回と6回は真っすぐの力感などを上げて、自分でも試しながら投げたので、そこはよかったと思います」

三者凡退で締めてベンチへ戻る山本投手。ドヤ顔ではなかったんですね。
三者凡退で締めてベンチへ戻る山本投手。ドヤ顔ではなかったんですね。

 内野安打のみで無失点の島本浩也投手にナイスピッチング!と言ったら「きょうはよかったです」という返事。でもたまに打たれますね。「はい。そこをなくさないと」と苦笑したのち「でも最近はずっといいですね」と笑顔でした。チャンスはあるはず。継続です!

 山本投手は9回に登板して、まず坂本選手をスライダー3球で空振り三振。吉田雄選手は真っすぐで二ゴロ。そして西浦選手にはフルカウントとしながら、最後はやはりスライダーで見逃し三振!ベンチへ戻る時に少しドヤ顔でしたか?「いやいや、真ん中ですよ」。じゃあ見逃してくれてホッとした顔だったんですかね。でも左3人を抑えました。「そうですね。3人で終われたのはよかったです」

この人が打つと盛り上がります

 最後に、今成選手は「ああいう場面で打てたのはよかったです。しっかり状態を上げて、続けていきたいですね」と真面目にコメントしてくれました。でも、前半を終わって2安打2打点、ヒーロースピーチを考えていた?と聞いたら「考えてないですよ~。まだ前半だったでしょ?そんなに甘くないですよ」と真面目にかわされました。

毎試合、このようにボールを避ける姿がカメラに残る今成選手。
毎試合、このようにボールを避ける姿がカメラに残る今成選手。

 渋いタイムリー2本のあと7回の左飛もいい当たりだったし、9回裏は緒方選手を一塁に置いて2ラン!な~んてことも考えたけど併殺で残念。ただし、雨が降り出す前に避難できたファンの方は、あの併殺に感謝したとか。いやいや、ウソですよ。そして、きょう7月1日の試合では4回にレフトポール直撃のソロホームランを打った今成選手。その話は次の記事までお待ちください。

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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