ヤクルトとの交流試合 ロサリオ&大山が連続弾!しかし3発を浴びて敗戦《阪神ファーム》
23日と24日は新潟県三条市の三条パール金属スタジアムで、イースタン・ヤクルトと対戦中の阪神。三条でのファーム交流試合はもう11回目で、ほとんどが阪神のホームゲームです。ヤクルトは2011年と2012年に巨人と対戦して以来6年ぶり3回目の登場。阪神にとってヤクルト戦は、フェニックスリーグ以外では初めてです。
ことしは阪神が矢野燿大監督、ヤクルトは高津臣吾監督とOB同士の顔合わせ。また、きのう先発した村中恭兵投手や大松尚逸選手、比屋根渉選手、鵜久森淳志選手などのベテラン勢もいました。そんな中、4番を打ったのはドラフト1位ルーキー・18歳の村上宗隆選手(捕手から内野手に転向)。5回のホームランの際に「第10号」というアナウンスを聞いて、もう2ケタ?とビックリしました。
イースタン・リーグの成績を見てみたら、日本ハムの清宮幸太郎選手と並び、打撃部門のあちこちで名前がありますね。本塁打は清宮選手の14本、巨人・和田恋選手の11本についで3位の10本。打点が和田選手の51点に次ぐ2位で43です。他に打率、長打率、出塁率もベスト10以内に入っています。村上、半端ない!ですね。
では試合を振り返りましょう。阪神は当初予定されていた福永春吾投手が1軍に昇格したため、きのうは谷川昌希投手が先発。終盤にロサリオ選手、大山悠輔選手の2者連続ホームランで反撃したものの、ヤクルトは3本塁打。しかも味方エラーが響いて9対5で敗れています。
《ファーム交流試合》6月23日
阪神-ヤクルト 1回戦 (新潟三条)
ヤク 002 052 000 = 9
阪神 100 100 030 = 5
◆バッテリー
【阪神】●谷川(3勝1敗)-竹安-石井 / 坂本-長坂(8回~)
【ヤク】○村中(2勝1敗)(6回)-屋宜(1回)-松岡(1回)-山本(1回)/ 古賀-松本(8回~)
◆本塁打 神:ロサリオ3号2ラン、大山1号ソロ(松岡)
ヤ:武内2号3ラン、村上10号2ラン(谷川)、山崎1号2ラン(竹安)
◆二塁打 神:森越、緒方 ヤ:廣岡、奥村
◆盗塁 ヤ:廣岡(3)、湯浅(2)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]中:江越 (5-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .230
2]遊:森越 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .217
〃打遊:西田 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .230
3]二:板山 (3-1-0 / 1-1 / 0 / 1) .258
4]一:ロサリ (4-2-3 / 0-0 / 0 / 1) .342
5]三:大山 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .222
6]右:緒方 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .287
7]指:小宮山 (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .250
〃打指:小豆 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .143
〃打指:今成 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .215
8]捕:坂本 (3-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .360
〃捕:長坂 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .261
9]左:島田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .222
※ロサリ=ロサリオ
※小豆=小豆畑
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
谷川 5回 77球 (6-2-2 / 7-4 / 2.76) 145
竹安 3回 51球 (4-0-0 / 2-2 / 2.84) 145
石井 1回 11球 (0-0-0 / 0-0 /12.00)144
《試合経過》※敬称略
まず谷川は1回、連打を許しながらも無失点で3回は三者凡退(森越が好守!)。しかし3回、先頭の9番・奥村に三塁線を破る二塁打を浴び、内野ゴロや四球、盗塁などで2死二、三塁として4番・村上が二ゴロ。と思ったら少しバウンドが変わったか板山は後逸。これで2人を還してしまいます。4回は三者凡退でした。
なお1回に江越の中前打、森越の犠打、板山の一ゴロで2死三塁としてロサリオの左前タイムリーで先制した打線ですが、3回に逆転され、でも4回に緒方が投手強襲の二塁打を放ち、坂本の中前打で生還して追いつきます。
ところが谷川は5回、奥村を一ゴロエラー(ベースカバーに入った谷川への悪送球)で出すと、山崎の右前打で無死一、二塁となって2番・武内に3ラン。ついで廣岡に四球を与えて村上の2ラン。以降は内野ゴロ3つで片づけたものの、この回5点を追加されました。
6回は竹安が登板。先頭の古賀に右前打を許し、1死後に山崎の2ラン。7回は1安打のみの無失点、8回は長坂とのバッテリーで三者凡退でした。その裏、先頭の板山が右前打してロサリオが3ボールからの4球目、真っすぐを右中間へ!さらに大山も1ボールからの2球目(おそらくシュート)をレフト芝生席へ!連続ホームランで3点を返した打線。
9回は石井が3番からを3人で片づけるも、その裏は同じように三者凡退で試合終了です。
谷川、竹安、締めは石井
試合後、矢野監督はまず谷川投手の話をしています。今回の先発について「急遽だったし、疲れもあっただろう」と言い、エラーからの2発には「味方がエラーするのも悪いけど、そのあとちゃんと頑張るってのは欲しい」と続けました。「内に持ってるものが外にまで溢れているようなピッチャーだから、そういうとこがちょっと足りなかったかな」
課題とされる左打者への対抗は「やっぱりまだちょっと。竹安も同じなんだけど、左に対してどうリードするって言ったら手がないよね。自分がよければいいけど、自分がちょっと悪かったら、はまってしまうという感じになって。このレベルのバッターでそうなっているようじゃダメだから。そこは課題だし、竹安もボールをもっと強くできてこないと。現状のボールじゃしんどいよね」と苦言もありました。
9回に登板した石井投手が、また無失点。「この前も腕を振ってね。きょうは、この前に比べたらちょっとスピードが出ていないし、バッターを見ても"いっている"感じはなかったけど。でも今、アイツに与えている課題は、いかに強いボールを投げるかだから。そういうところでは、腕を振ろうという意識は、きょうもあったし。結果もゼロで抑えているから。きょうは変化球が1つもなかった。全部、真っすぐやったね。今はそれでいいんじゃないかな」
ロサリオ、大山、そして緒方
1回のタイムリーに8回の2ランと、2安打3打点のロサリオ選手には「ほぼ全部の打席で内容自体はしっかりしているし、そういう状態で練習から打っているので、特に言うことはないというか…。打っていないならアレだけどね。あとは上との兼ね合い。上がGOを出せば、っていう打席内容。結果も内容もしっかりしたもの」と太鼓判です。
大山選手もホームランが出ましたね。「まだまだ、きょう結果が出たことはよかったけど、まだ"自分で打った"というところまでは来ていないかな。連続していくようなホームランではなかった。ただ、それだけのポテンシャルを持っているということ。何とかみんなで協力して、早く上げられたらな、という感じ」
そして緒方凌介選手がマルチヒットです。「左でもいい結果を残してくれている。続けてほしい。最後も粘って、セカンドゴロにはなったけど何とかしようというのが見える。緒形にはそういうのが一番大事かなと思うから。このまま、いや、さらに上を目指してやってほしい」
ルーキー2投手のコメント
続いて選手の談話にまいりましょう。最初は谷川投手です。前半は低めに集まっていたが、2発を浴びたあたりは?と聞かれ「そうですね。まあ中継ぎから先発に、と難しいところもあったんですけど、それを言い訳にはできない。これから、そういうのも多くなっていくと思うので」と答えています。
矢野監督が、味方エラーのあと踏んばってほしかったなと。「そうですね。エラーして点が入っても、結局は自分の点になるので。そういうところでもしっかり抑えて、エラーをカバーできるようにしたいです」
石井投手は「自分としては前回と同じように投げました」とのこと。三者凡退という結果には「よかったです」と、少しホッとしたような笑顔でした。
西田選手は4年ぶりのショート
ホームランを振り返って「まっすぐです。ちょっと外の」とロサリオ選手。いい感触が続いている?「3打席目(センターライナー)は、チェンジアップを待っていたけど、正面に行っちゃいました」。矢野監督は、いつでも1軍に行けると。自分自身も準備は万端ですか?「もちろんそうです。いい感じですし、チャンスを待つだけ」
大山選手にもホームランの話を聞きました。感触はよかったですか?「詰まっていましたけど、結果的にホームランでよかったなと思います」。矢野監督の「まだまだもっと」という注文を伝えたら「打球を見ても、しっかり打てていないのが多いので、そこはまだ。今やっていることをしっかり続けて結果はもちろん、いい内容で一日一日やっていければいいかなと思っています」というコメント。
最後に、代打で出てショートの守備についた西田直斗選手。試合後、ただ「いつ以来?」と質問したら「4年ぶり?3年ぶりかなあ」。しっかり会話が成り立ったので笑っちゃいました。ショートの守備がいつ以来か、練習試合や教育リーグなど非公式戦は帰宅してから調べてみないとわかりませんが、公式戦では2014年に36試合守って以来、4年ぶり。本人の記憶が正しかったようです。ちなみに藤本敦士守備走塁コーチは「大丈夫ですよ。このところ自信を持ってやっているから」と笑顔でした。
<掲載写真は筆者撮影>