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福永5勝目、高山2号、島本が復帰登板《8/23 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
今季ファームで結果を残し続けた島本投手。左ヒジ痛から1か月ぶりの復帰登板です。

 今週前半の阪神ファームは、鳴尾浜でのウエスタン・ソフトバンク3連戦です。まず1戦目の22日は、両チーム合わせて5本のホームランが飛び出し、そのうち2本は板山祐太郎選手でした。それも9回に放ったのが逆転サヨナラ2ラン!1試合2本は人生初だったそうですが、サヨナラホームランは「あります。小学校の時に(笑)」とのこと。最近、特にレフトへの当たりが増えてきましたね。でも「ここまで期待に応えられていないので、まだまだ」と板山選手。そのためにも、しっかり続けていってください。

 そして、きのう23日は江越選手の勝ち越し2点タイムリー二塁打や、高山選手の2号2ランで4回にリードを広げ、福永投手が3か月ぶりの白星で5勝目。島本投手は左ヒジ痛から復帰、1イニングを投げました。

第3号のホームランを放ったソフトバンク・九鬼選手。
第3号のホームランを放ったソフトバンク・九鬼選手。

 またこの試合で、ソフトバンクのルーキー・九鬼隆平選手がキャッチャーでフル出場、メンデス投手からホームランも放っています。私が九鬼選手を生で見たのは、ことし3月18日の開幕戦(タマスタ筑後)以来。その時はDHでの出場だったので、マスクをかぶる後ろ姿は初でした。ウエスタン公式戦のホームランは3号だけど、3軍戦などと合わせるともう10本くらい打っているとか。いや~楽しみですねえ。

《ウエスタン公式戦》8月23日

阪神-ソフトバンク 23回戦 (鳴尾浜)

 ソフ 100 000 010 = 2

 阪神 100 400 00X = 5

 

◆バッテリー

【阪神】○福永(5勝5敗)-島本-守屋-メンデス-S柳瀬(2勝3S) / 岡崎-小宮山(6回~)

【ソフ】●伊藤祐(4回)-野澤(2回)-二保(1回)-小澤(1回) / 九鬼

◆本塁打 高山2号2ラン(伊藤祐)、九鬼3号ソロ(メンデス)

◆二塁打 江越

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:江越  (4-1-2 / 2-0 / 0 / 0) .135

2]右:高山  (4-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .458

3]左:キャン (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .297

〃左:緒方  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .238

4]三:陽川  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .268

5]一:新井  (3-2-1 / 1-1 / 0 / 0) .294

6]指:狩野  (0-0-0 / 0-2 / 0 / 0) .254

〃打指:今成 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

7]二:板山  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .193

8]捕:岡崎  (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .158

〃捕:小宮山 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .164

9]遊:植田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .211

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

福永 5回 83球 (4-5-3 / 1-1 / 3.38) 148

島本 1回 17球 (1-1-1 / 0-0 / 1.32) 146

守屋 1回 16球 (2-0-0 / 0-0 / 5.29) 146

メン 1回 14球 (1-1-0 / 1-1 / 3.30) 153

柳瀬 1回 12球 (1-0-0 / 0-0 / 1.57) 148

《試合経過》

前日は2本塁打の板山選手。この日は4回に右前打を放って逆転のホームを踏みました。
前日は2本塁打の板山選手。この日は4回に右前打を放って逆転のホームを踏みました。
逆転後、高山が第2号2ラン!
逆転後、高山が第2号2ラン!
ベンチ前で迎える掛布監督も笑顔です。
ベンチ前で迎える掛布監督も笑顔です。
その前に逆転の2点タイムリー二塁打を放った江越選手の背中をポン!
その前に逆転の2点タイムリー二塁打を放った江越選手の背中をポン!

 まず福永は1回、1死から川瀬と長谷川勇に連打され一、三塁として4番・吉村に左前タイムリー。1点を失いますが、その裏の打線は2死からキャンベルと陽川が連打して一、二塁。続く新井の左前タイムリーでキャンベルが還って、すぐに追いつきました。福永は2回が1安打のみで無失点。3回は先頭に四球を与えて1死後に暴投と死球で一、三塁になるも、吉村を1球で遊ゴロ併殺打に仕留めています。

 4回は三者凡退に切って取った福永。するとその裏、狩野の四球と板山の右前打、岡崎の犠打で1死二、三塁とチャンス到来。植田は遊ゴロで2死二、三塁に代わりましたが、江越が左翼線にタイムリー二塁打!2人が生還して勝ち越し、次の高山はライトへ2ラン!この回4点を追加し、5対1です。

 福永は5回、四球と暴投などで2死三塁とし、ここで久保投手コーチが小走りにマウンドへ向かい、最後は川瀬を遊ゴロ。1回の1点のみで5回を投げ切って交代します。6回は島本が約1か月ぶりに登板。長谷川勇に初球を中前打され、吉村は四球、九鬼の犠打で1死二、三塁となるも、釜元はフォークで空振り三振、茶谷は真っすぐで二飛に打ち取り、0点で終わりました。

 7回は守屋で、曽根の内野安打とヒットで一、二塁としますが、遊ゴロ併殺などで無失点。ところが8回、メンデスが2死から九鬼にソロホームランを浴び、5対2となります。なお打線は5回に新井と代打・今成の連打、板山の死球で1死満塁と攻めたものの後続を断たれて追加点なし。6回は三者凡退、7回は新井の四球のみで併殺もあり3人で片づけられ、8回は三者凡退。

 9回は柳瀬が登板して、先頭の茶谷に左前打されましたが、あとは難なく抑えて無失点で試合終了です。

本人も納得のHRでは?と掛布監督

 試合後、高山選手について聞かれた掛布雅之監督は「もう1本欲しかったね」と、ホームランは出たものの4打数1安打だった結果に言及しました。ただし「納得できたホームランじゃない?下半身リードからバットがついていっている感じ。当て逃げとか、器用な打ち方をするなと言っているからね。1年目の(春季)キャンプみたいな感覚。それがいい形で変わっていけばいい。まだ“最高”じゃないけど、本人も納得していると思うよ」と続けています。

 さらに「高山も、自分自身に期待しているんじゃない?なまじ反応できてしまう器用さがあって、それがいいものを邪魔してしまっていたかな。プロで結果を出す難しさを感じているでしょう」と掛布監督。なお高山選手本人は「頑張ります」と繰り返していました。

チーム最多タイの5勝目

先発で5回1失点、5勝目を挙げた福永投手。
先発で5回1失点、5勝目を挙げた福永投手。

 福永春吾投手は5回1失点で、5月16日のウエスタン・広島戦(鳴尾浜)以来の白星。これで山本投手に並んでチーム最多の5勝目です。「2回以降は何とか粘って、0に抑えられたのでよかったです」と言いながらも「ランナーを置いてからだけでなく、全体的なレベルアップをしていかないといけないですね。0を続けていけるよう頑張ります」と話していました。

 また「(制球面を)改善したら、長いイニングを投げられるので、今やっている練習の精度を高めていきたい」とのこと。ちなみに5回、併殺で2死三塁になった時、久保投手コーチがマウンドへ行ったけど、あれは何ですか?小走りだったのでアクシデントかと心配しましたよ。「いえ、『あと1人いくからな』って」。あ、そうですか。何もなくてよかった。

まだ間に合う!巻き返しに期待

 最後は島本浩也投手です。実戦登板は7月19日に鳴尾浜で行われたルートインBCリーグ・北陸選抜チームとの交流試合で先発し、3イニングを投げて以来のこと。その後に左ヒジの痛みが出て戦列を離れていました。「先発を1回あけて、1週間くらいで大丈夫かなと考えていたんですけど…思った以上に長くなってしまいました。ちょうど1か月です」

 22日にフリーバッティングで、初めて打者に対して投げたばかりだったものの「あんまり“試合慣れ”ができていなかったので、先頭は簡単にヒットを打たれましたが、ランナーを背負ってからしっかり投げられたと思います」と島本投手。バント処理も落ち着いていたのでは?「そうですね。いいバントだったけど、練習したようにやれた」とニッコリ。

貴重な1か月を取り戻すべく、ここから何としてもチャンスをつかみたい島本投手。
貴重な1か月を取り戻すべく、ここから何としてもチャンスをつかみたい島本投手。

 最速も146キロが出ていて、しっかり腕も振れたようで「真っすぐを多めにとキャッチャーにも伝えてありました。ランナーを背負ってから真っすぐも変化球もよかったので、次からは内容もよくしていきたいです」と納得の表情です。再度、登板自体を振り返り「よかったと思います。思ったより真っすぐが走っていたので。あとは試合勘というか、慣れていけるように」とのこと。問題がなければ、次は25日のオリックス戦で「何回かはわからないけど、ゲームに入る予定」と言っていました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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